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 福岡通信 03/11/07 (金) <前へ次へindexへ>
 円陣を組んで気合を入れる柳川高校。初の決勝戦進出を果たした。

 決勝戦は柳川vs.筑陽。全国大会まで、あと一つ。
 第82回全国高校サッカー選手権福岡大会準決勝

 文/中倉一志
 全国大会への1枚の切符を求めて参加137校が熱い思いをぶつけ合う。7月22日に始まった全国高校サッカー選手権福岡大会も、いよいよ最終コーナーに差し掛かっている。この日、準決勝に駒を進めてきたのは、柳川高校、九国大付属高校(以下、九国大付)、筑陽学園、東福岡の4校。福岡の高校サッカーファンにはお馴染みの名前が並ぶ。ここまでくれば、どのチームにもチャンスは等しい。選手たちの目は全国の舞台を捉えて離さない。

 福岡大会では、まず133校が12のブロックに分かれてトーナメント戦の一次予選を実施。そのトーナメントを勝ち抜いた12校に、あらかじめシードされて一次予選を免除されている4チームを加えた16チームが、再びトーナメント戦で全国の道を目指す。試合時間は80分。勝敗が決しない場合は20分を限度としたVゴール方式の延長戦、さらにはPK戦へと続く。最大で8試合、期間にして4ヶ月にもわたる大会を勝ち抜くことは簡単ではない。

 一次予選から勝ち上がってきたのは柳川高校。一次予選では11得点無失点と圧倒的な攻撃力を発揮。最終予選の準々決勝では、1月の新人戦以降、福岡県内のタイトルを独占してきた東海第五を4−2で下して、ここまでたどり着いた。その柳川高校と準決勝で対戦する九国大付も一次予選からの出場。最終予選の初戦で対戦したシード校の北筑高校にPK戦で勝利。勢いに乗って準決勝まで駒を進めてきた。その勢いをかって初の全国を目指す。

 もうひとつの準決勝は筑陽学園と東福岡の組み合わせ。こちらはともにシード校同士の対戦となった。筑陽学園は福岡県内では名門中の名門。しかし、東福岡、東海第五の2強の壁に阻まれて高校選手権への出場はない。悲願の初出場をかけて準決勝に全てをかける。対する東福岡は、先日行われた全日本ユース(U-18)選手権で3位に入賞。その実力は全国クラスだ。今年は福岡県でのタイトルがないが、高校選手権代表の座だけは譲れない。



 九国大付の先制点が決まった瞬間。試合は点の取り合いに。
 さて準決勝の第1試合、まずは九国大付が主導権を握る。攻撃の中心は高松選手と内田選手の2トップと、その下に控える宮崎選手の3人。1人がポストに入れば、もう1人はスペースへ流れてボールを呼ぶ。そして中盤の起点になる宮崎選手が機を見て2列目から飛び出していく。柳川高校はマンマークで抑えようと試みるが抜群のコンビネーションをみせる3人を捕まえきれない。そして9分、右からのCKに内田選手が頭で合わせて九国大付が先制点を挙げた。

 しかし13分、柳川高校は園田選手の左サイドからのクロスボールを、ファーサイドに走りこんだ古賀選手が合わせて同点、反撃ののろしを上げる。その攻撃パターンは、早目に両サイドへ展開してゴール前に走りこむ3人のFWにクロスを合わせるというもの。18分にもあわやというシーンを作り出す。その後は互いにゴールの意識が高い白熱したゲームを展開。そして27分、九国大付の梶川選手が左ポストに当たって跳ね返ったボールを押し込んで、前半は九国大付が1点をリードして後半へ折り返した。

 後半に入ると柳川高校が動く。FW伊藤をストッパーに、ボランチとしてプレーしていた永渕をFWへ上げると、システムを3バックに変更。両サイドから執拗に攻撃を仕掛ける。がらりと変わるゲーム展開。試合は柳川高校のペースだ。そして52分、右サイドからのFKに酒見選手が頭で合わせて同点に追いつくと、続く57分、ドリブルで抜け出した大石選手が右足を一閃。強烈なシュートはGKに当たっが、そのままゴールネットを揺らした。

 だが、九国大付も反撃に出る。65分、菅原選手に代えて高橋選手を、さらに70分には石川選手に代えて小崎選手を投入して猛攻を開始する。バランスの取れたコンビネーションを見せる2トップ。高い技術で中盤の起点になる宮崎選手。さらには交代出場した2人が積極的に攻撃に絡む攻撃は迫力満点。守りに入る柳川高校に容赦なく襲い掛かる。しかし、決定機を作るものの九国大付にゴールは生まれず。試合は3−2で柳川高校が逃げ切った。



 相手陣内深くに入る東福岡のキャプテン香川選手。しかし筑陽の
 守備は堅かった。
 続く第2試合は、一転して静かな戦いになった。筑陽学園のフォーメーションはトレスボランチを敷く4−4−2。まずはしっかりと守ってリズムを掴もうという狙いのようだ。対する東福岡は3−4−3。両サイドに開く香川選手と菰田選手を、そして右SBの位置を高く上げて、いつもの4−5−1のフォーメーションよりも攻撃的な布陣を敷く。しかし、こちらも淡々と試合を進めていく。まずは相手の出方を窺がうということなのだろう。

 ところで、東福岡は1回戦では鞍手高校に6−0と快勝したものの、2回戦では福翔高校と2−1の接戦を演じていた。絶対的な強さを発揮した1回戦と、意外なもろさを見せた2回戦。「東福岡は意外と前の試合を引きずるチーム。ひょっとしたら、その辺がつきどころかも」(吉浦茂和監督・筑陽)。そんな監督の予感が当たったのか、東福岡は中々エンジンがかからない。伝統のワイドに開いた両サイドからの攻撃も影を潜めたままだ。

 もちろん、筑陽学園の守備が狙い通りに機能したのが、東福岡の攻撃を沈黙させた大きな原因だ。1トップの角選手をCBとボランチで囲んで起点を作らせず、2列目から飛び込んでくる葛城選手と新内選手のケアも怠らない。ワイドに開く香川選手と菰田選手は両サイドが徹底してマークにつく。さすがに攻撃に出るだけの余裕はないようだが、東福岡の攻撃を徹底して封じた。狙いはワンチャンス。そのときを待って辛抱強く守り続ける。

 ゲームの流れに変化が現れ始めたのは50分を過ぎてから。徐々に筑陽学園の出足が勝りだす。そして70分、筑陽学園はGKとの1対1のシーンを作り出す。だが、これはGKのファインセーブにあってゴールならず。チャンスはついえたかに見えた。しかし、劇的な幕切れが残されていた。37分、筑陽学園のCKをクリアしたボールがファーサイドに流れる。待っていたのは西野選手。躊躇せずに右足を振り抜くと、「ドン!」という音とともにシュートがゴールネットに突き刺さった。筑陽学園が東福岡を破った瞬間だった。



 10年ぶりの決勝戦進出を果たした筑陽イレブン。目指すは全国の
 舞台だ。
「言葉になりません。ひとつの山場。勝てたことは大きい」とは池末穣監督(柳川高校)。初の決勝戦進出を果たした喜びを隠し切れない表情で語った。そして、勝利の要因をこう語ってくれた。「インターハイ予選の県大会に出てないというのが大きかった。東福岡と九州大会予選の1回戦で当たったんですよ。これがいいゲームが出来たんです。それでひそかに狙っていたんですが、私のミスで南部大会で敗退しまして。その悔しさが一番大きかったと思います」

 一方、「個人の力はそれほどではなくても、チームとしてみれば素晴らしいチーム。我々の試合をすれば勝てるんじゃないかなと思っていた」とは吉浦茂和監督(築陽学園)。こちらは10年ぶり2回目の決勝進出。阻まれ続けてきた2強のうちのひとつを破って全国まで、あと一つに迫った。「中盤で負けてたんでどうなるかなと思ってたんですけれど、中盤が良く頑張ったですね」。堅い守備で東福岡の攻撃を制した選手たちをねぎらった。

 しかし、「全然、自分たちのサッカーが出来なかった。もう一回引き締めなおして、確認して頑張りたい」(池末穣監督)。「東福岡に勝ったことで満足している。それが良くない」(吉浦茂和監督)。両監督とも気を引き締めることを忘れない。目標は全国高校サッカー選手権のピッチを踏むこと。そして、ひとつでも上を目指して戦うことだ。決勝進出は、あくまでも通過点。試合終了のホイッスルを聞いたと同時に、次の戦いが始まっている。

 福岡の両雄、東福岡も東海第五もいない決勝戦は26年ぶりのこと。どちらが勝っても全国大会へは初出場になる。ともに福岡の強豪として知られているチームであるとはいえ、初めての決勝戦は大きなプレッシャーがかかる。そんなプレッシャーをはねのけて、自分たちのサッカーをやりとおせるかどうか、それが全国大会への切符を手にする鍵となる。決勝戦は11月9日12:00に博多の森球技場でキックオフされる。どちらが勝つにせよ、好ゲームになることは間違いないだろう。
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