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 福岡通信 05/05/29 (日) <前へ次へindexへ>
ゴール前で激しく競り合う春日(エンジ)と鹿児島(青)

 頑張れ!!クラブユース
 

 取材・文/中倉一志
 4月24日から、2005年九州クラブユースサッカー(U-18)選手権大会が各地のスタジアムで行われている。大会は2部制で行われており、それぞれ40分ハーフの1回戦総当りのリーグ戦を実施。1部リーグ優勝チームは、7月29日(金)〜8月6日(土)の日程でJヴィレッジ(福島県)にて開催される「第29回日本クラブユースサッカー選手権(U−18)大会」へ九州代表として参加する。また、1部最下位チームと2部優勝チームとの間で入れ替え戦が行われる。

 さて、まず参加チームを紹介しておこう。1部リーグに参加しているのはアビスパ福岡、大分トリニータ、サガン鳥栖、春日イーグルス、アミーゴス鹿児島の5チーム(順不同)。現在、第3節を終了して、勝ち点9の福岡が暫定首位。以下、大分(2試合消化、勝ち点6)、鹿児島(2試合消化、勝ち点3)、鳥栖(2試合消化、勝ち点0)、春日(3試合消化、勝ち点0)と続いている。力関係から言うと、大分と福岡がひとつ抜けたレベルにあるようだ。

 2部リーグには大隈NIFS、ニューウェーブ北九州、西南FC、ヴィクサーレ沖縄(順不同)の4チームが参加。こちらは既に全日程を終了した大隈NIFSが勝ち点4。2試合を終了している西南と北九州の勝ち点が、それぞれ3、1。2試合を残す沖縄が勝ち点3という状況になっている。どのチームにも優勝の可能性が残されており、最後まで白熱した戦いが繰り広げられそうだ。ただし、2試合を残す沖縄は6月4日、5日と連戦のスケジュール。体力的にややハンデを背負っている。

 取材にお邪魔したのは、鳥栖スタジアムで行われた1部リーグ第3節。この日は、同じく鳥栖市内にある市営陸上競技場で福岡と鳥栖のサテライトゲームがあったのだが、ここのところ、L・リーグ以外にアマチュアのゲームを見る機会に恵まれていなかったので、迷わずクラブユース選手権を選択。小雨交じりの中、鳥栖スタジアムのゲートをくぐった。



床島(春日・10)は見事なループシュートを決めて一矢を報いる。
 この日の第1試合は春日イーグルスとアミーゴス鹿児島の対戦。春日はダブルボランチを置く4−4−2の布陣。ショートパスをつないで、中盤からビルドアップしてゴールを目指す。対する鹿児島は、見るからにフィジカル的には春日よりも一回り大きい。メンバー表では3−5−2になっているが、実際はトップ下の松元が高い位置でプレーする3−4−3。どうやら攻撃重視のスタイルのサッカーをするようだ。

 立ち上がりから主導権を握ったのは鹿児島。前線の中央に構える谷口が、巧みなポジショニングからボールを受けて両サイドへ展開。そこからのクロスに合わせて、谷口、前田、松元の3人がゴール前に飛び込んでくる。特に左サイドの常松の積極的な突破が目を引く。対する春日は、キャプテンマークをつける床島を起点にしてビルドアップしたいところだが、上下動を繰り返してボールを受ける鹿児島の谷口を捕まえきれず、守備に終われる時間が続く。

 先制点を奪ったのは鹿児島。17分、スローインを受けた松元が素早く反転して左足を一閃。ドンという音とともに豪快なシュートがゴールネットを揺らした。これで鹿児島の勢いが加速する。続く22分には谷口がヘディングシュートで追加点をゲット。37分には再び谷口。FKのチャンスにゴール前に飛び込むと、相手GKの動きを冷静に見極めて、ヘディングシュートをふわりと浮かせてゴールネットを揺らした。きれいなゴールだった。

 後半になって春日はアグレッシブに反撃に出たが、それでも鹿児島は動ずることなく得点を重ねていく。47分に前田、50分に山内、さらに66分には松元がゴールを重ねて6−0。一方的にリードを広げた。しかし、春日も最後で意地を見せた。時間はロスタイム。ハーフウェイライン近くでボールを受けた床島が高田にボールを預けて、そのまま中央を駆け上がってゴール前へ。そこで高田からボールを受けてGKと1対1になると、飛び出してきたGKの頭上を抜く絶妙のループシュートを決めて一矢を報いた。



高校1年生ながら大気の片鱗を見せた鈴木(中央)。
アビスパサポーターも熱い視線を浴びせている。
 第2試合はアビスパ福岡とサガン鳥栖が対戦した。フォーメーションはともにダブルボランチを置く4−4−2。がっぷりぶつかり合う布陣だ。そんな両チームの対戦は、立ち上がりから福岡が主導権を握る。ボールを捌くのはU-15日本代表のエースだった鈴木。今春、高校に進学したばかりだが、チームの要であるボランチを任されてチームを引っ張る。左足から繰り出されるミドルレンジのパスは柔らかく、そして正確。無駄なタッチは決してせず、シンプルにボールを動かしてリズムを作る。

 鈴木を起点にして攻撃を組み立てる福岡は、シンプルにボールを動かして鳥栖を一方的に攻め立てる。前線では安田がポスト役を務め、エース多久島がスピードを生かしたプレーでスペースへ飛び出していく。しかし、鳥栖もしぶとく粘る。防戦一方に追いやられれながら、ギリギリのところで突破を許さない。特に多久島には複数で対応して決定的な仕事をさせなかった。それでも先制点は福岡。時間は39分、安田がペナルティエリア右角付近でボールを受けると、振り向きざまに左足を一閃。ゴールネットを揺らした。

 後半も福岡の一方的なペースで試合が進む。どちらかといえば、鳥栖の粘り強い守備のを崩しきれず、決して自分たちの思い通りの試合運びとはいえないのだが、それでも、慌てることなく自分たちのサッカーを黙々と続けていく。ボールタッチは少なく、人もボールもシンプルに動かしてボールを運び、最後はサイドから攻撃を仕掛ける。トップチームと同じサッカーを展開するチームは、鳥栖の粘りの前にもペースを崩さない。このあたりは、地力の差と呼べるのかもしれない。

 そして福岡の追加点は54分。ペナルティエリア内のこぼれ球に反応したのは、またも安田。素早く右足を振り抜いた。鳥栖のGK村田も必死の反応を見せたが防ぎきれず。ゴールネットが大きく揺れた。そして、ここから福岡が再び猛攻を開始。57分、59分、61分と決定機を築いていく。しかし、鳥栖も2失点にも集中を切らさず、ここまで同様、徹底した粘り強さを発揮してゴールを守っていく。やがて80分が経過。試合は2−0のまま幕を閉じた。



直接FKからゴールを狙うサガン鳥栖。
 実は、私が九州クラブユースサッカー(U-18)選手権を取材するのは3年ぶり。見に行こう、見に行こうと思いながら、取材日程が合わないうちに3年が過ぎてしまった。最後に取材した2002年5月3日のレポート(福岡通信142:「たった1つの枠を巡る戦い。ユースチーム、ただいま奮闘中」)を見ると、当時の参加チームは、アビスパ福岡、大分トリニータ、サガン鳥栖、春日イーグルス、わかばFC、ブレイズ熊本、ランザ熊本の7チーム。参加チームこそ2つ増えたが、その顔ぶれは大きく変わっている。

 当時も今も、中学生年代(U-15)のクラブチームは九州で30を超えるチーム数があるが、U-18のそれは、サッカーの普及度を考えればさびしい限りだ。プレーする場所の問題や、指導者不足等の事情により、学校の部活動が難しくなっている中学校年代では、スポーツをする場所としてのクラブの必要性が高いのに対し、U-18では高校の存在が大きく、ほとんどのプレーヤーが高校でのプレーを望むため、維持することすら難しいのが現状だ。

 全国各地でプリンスリーグが行われるようになり、高校とクラブチームの融合が進み、同じ土俵で戦えるようになったとはいえ、それは強豪校やJリーグの下部組織として存在するクラブチームに限ってのこと。町のクラブチームの状況は、従来以上に厳しい現状があるようだ。クラブチームにはクラブチームの、高校には高校の事情もあるだろうが、強豪チームでなくてもサッカーを愛する気持ちに変わりはないはず。彼らにも、様々なチームとの交流が持てる場所があればと思わずにはいられなかった。

 とはいえ、レベルが大きく落ちるということはない。クラブ育ちらしいテクニックと身体の使い方、そして戦い方は、やはり高校のチームとは違う。どんなカテゴリーでも、恵まれない環境でやろうともサッカーはサッカー。必死になってボールを追う姿に変わりはない。活動自体が注目を浴びないクラブユースの試合には、チーム関係者以外にはスタンドを訪れる人がほとんどいない現状だが、少しでも多くの人に観戦してもらい、少しでも多くの声援を送って欲しいと思う。


※2005年九州クラブユースサッカー(U-18)選手権大会の最新結果と、今後の日程は以下のページでご覧になれます。

http://www.kcysf.com/
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