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 スペインからの風 04/01/20 (火) <前へ次へindexへ>

 ムルシアまたも白星お預け。しかし意地の引き分け。


 文/中島泰介(アリカンテ在住)
 
リガ・エスパニョーラ ディヴィジョン1 第20節 レアル・ムルシアvs.セルタ・デ・ビゴ
2004年1月17日(日)19:30キックオフ エスタディオ・ラ・コンドミナ(ムルシア) 観衆: 8,000人
試合結果/レアル・ムルシア2−2セルタ・デ・ビゴ(前0−2、後2−0)
得点経過/[セルタ]ルシン(6分)、ミロセヴィッチ(45分)、[ムルシア]キンタナ(68分)、カランカ(80分)


 今週のビッグニュースは、コパ・デル・レイ(国王杯)準々決勝のドロー。リガの2強、バレンシアとレアル・マドリードが当たることになってしまった。バルサが近年低迷していることもあり、現在首位を走るバレンシアは、"ガラクティコ"にとってリガ最大のライバルと言ってもいいだろう。

 さて今節はムルシアを訪れた。私がスペインに来て10ヶ月程が経ち、約30試合を観戦したが(その半数程が地元2部Bの試合だが・・・)、その中での一番のお気に入りが先シーズンのムルシアvs.レバンテ戦だ。この試合でムルシアは一部昇格を果たし、私はその歓喜の瞬間に立ち会うことができた。そのムルシア、今シーズンはディヴィジョン1で苦戦している。前評判はそれ程悪くはなかったが、19節までで白星は第6節にアルバセテ相手にあげた1つだけだ。

 私はどちらも引き分けに終わった12節のバレンシア戦、14節のビジャレアル戦を観戦したが、決して悪いサッカーはしてない。バレンシア戦は内容では上回っていたし、ビジャレアル戦はほぼ勝利を手中に収めていながらロスタイムにディフェンスとGKの信じられない連携ミスから同点にされてしまった。この悪い雰囲気を断ち切るためにはどんな形でもいいから勝利が欲しいところだが、喉から手が出るほど欲しいもう1勝がどうしても手に入らない。そして前節、エスパニョールとの"降格圏ダービー"にも敗れて最下位に落ちてしまった。

 一方セルタ。ご存知の通りチャンピオンズリーグでも勝ち残っている強豪だが、ヨーロッパの大会参加することによってコンディション調整が難しいのだろう、リガ・エスパニョーラでは下位に甘んじている。しかし復調の兆しが見えている。前節はマジョルカを2−4で破り、コパ・デル・レイでもマラガを破り準々決勝に進出。今日の試合でも前評判ではセルタ有利だ。



 最初のチャンスはムルシア。4分に左サイドでフレディ、クラベロとつないでクロスボールを中央でファンマがシュート。ムルシアのリズムで試合が進みそうな予感。しかしその予感は早くも裏切られる。6分、ムルシアゴールから30メートル程、ピッチのほぼ真ん中の位置でムルシアがファウルを取られる。セルタのルシンがこれをあっさり先制点につなげた。遠い距離からの一直線のシュートが甘いムルシアディフェンスの壁を越し、虚をつかれたのかバルサから移籍してきたGKボナノもボールに触れることすらできず、このルシンのシュートはゴール右隅に突き刺さった。観客も一瞬何が起きたかわからなかったような反応を示す。

 しかしこれに落胆することなくムルシアはゴールを目指す。13分右からファンマが斜め前へパス。これをジェンセンがワントラップして素早くシュート。スピードにのったグラウンダーのシュートはポスト脇を外れた。16分には左サイドでフレディ、ミチェルのパス交換からクロスボールをあげるがセルタはCKに逃れる。18分にはセルタDFを左右に揺さぶり最後はガンセドがゴールを狙うがセルタGKカバジェロがそれを許さない。しかしこれらのチャンスは全て距離があるところからか角度のないところからのシュートばかりで、セルタのゴールを脅かす"決定機"と言えるほどのものではなかった。しっかりとセルタの守りは要所を押さえている。

 ムルシアが攻めあぐねている中、数は少ないもののセルタは決定機を創り出す。42分には左サイドを突破したへスリが低いボールを中央のミロセヴィッチに供給。このボールをミロセヴィッチがDFを背負いながら後ろのルシンへ渡す。先制のFK程ミートできず、ボールはゴール枠から外れていった。ロスタイム、カウンターからトップ下のヴァクネルにボールが渡ると、ヴァグネルはスピードに乗ったドリブルで中央を走りぬける。そして彼の右前に走りフォローに来たミロセヴィッチにパス。ミロセヴィッチのスピードに5人も周りにいたムルシアディフェンスはついていけず、ミロセヴィッチはフリーの状態で、飛び出すGKボナノの動きを冷静に観察しながらボールをゴールへ流し込んだ。ゴールの予感がせず前半を終了したムルシア。スタンドも諦めにも似た脱力感が漂う。



 後半、ミチェルに代わりフリオ・アルバレスを投入し中盤の活性化を図るムルシア。しかし、それとは裏腹にゲームのリズムはセルタのものだった。47分にはヴァグネルのシュートがゴールを襲い、48分には右からのフリーキックにセルヒオがファーでヘッド。ゴールポストをそれたボールに向かってミロセヴィッチが飛び込んだが、それに触れることができなかった。
 ムルシアにとってもどかしい展開が続いていた63分、その展開が劇的に変わる出来事が起きた。セルタのルシンがファールを犯し、退場してしまったのだ。ここでセルタのロティナ監督はディフェンスをベリーソに代えカセレス投入。そしてムルシアのペイロ監督は、フレディに代え小さなアルゼンチン人キンタナを入れて勝負に出た。そしてこの交代が吉とでる。

 キンタナがドリブルでセルタディフェンスをかく乱する。ムルシアは65分に得たCKからのヘッドはゴールをそれたものの、68分、フリオ・アルバレスからの右サイドからのクロスにセルタのDFセルヒオは追いつくことができず、ファーポストに走りこんだキンタナがダイビングヘッドを叩き込んで反撃ののろしをあげた。ムルシアは70分、DFクラベロに代え、攻撃の選手リチを投入。もう1点を狙いにくる。

 セルタは4枚のディフェンダーに加え、ムルシアの押し上げによってファン・イグナシオ、アンヘルもゴール前に釘付け。ムルシアは73分左からのセンタリングからカランカがヘディングでネットを揺らすがオフサイドの判定。攻撃を続けるムルシアは80分、右コーナーキックをリチが頭で落とす。ボールはゴールからほんのわずか前にいたカランカにわたり、それをカランカがゴールへ押し込みついに同点に追いついた。

 下位に位置する両チームは最大の勝ち点を目指しボールを追いかける。ゲームがストップしたとき、どちらのチームのプレーヤーも走ってボールを拾いに行きすぐにリスタートするところに、両チームにとって勝ち点3がどれだけ大切かが表れている。しかしその意思も叶わず、両チーム引き分けのまま4分のロスタイムが終了した。



セルタは降格圏内のチームとの勝ち点差は1。下位チームの結果如何では今節に降格ゾーンに落ちることもあり得る。試合終了後、GKカバジェロはボールを蹴り上げ、悔しさを表した。一方ムルシアはエスパニョールの結果がどうなろうと最下位のまま。またも白星を得ることはできなかった。しかし負けムードが漂っていたこの試合、勝ち点3を逃したというより勝ち点1を得たと言える。まだリガ後半戦が始まったばかり。一部残留はすでに難しいと語るメディアもいるがそんなことはない。まずは上昇気流のきっかけをつかむ1勝。来節にこれをぜひチーム、そして声援を送り続けるファンのために得たい。


(レアル・ムルシア) (セルタ・デ・ビゴ)
GK: ボナノ GK: カバジェロ
DF: ファンマ、クァドラド、ロッシュボール、クラベロ(70分 リチ) DF: メンデス、セルヒオ、ベリーソ(62分 カセレス)、シルヴィーニョ
MF: ジェンセン、ガンセド、ルイス・ガルシア、ミチェル(46分 フリオ・アルバレス)、フレディ(63分 キンタナ) MF: ルシン、ホセ・イグナシオ、アンヘル、へスリ(70分 ジオヴァネッラ)、ヴァグネル(86分 ジョナサン)
FW: カランカ FW: ミロセヴィッチ
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