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 スペインからの風 04/04/06 (火) <前へ次へindexへ>

 バレンシア、ガラクティコを追走。


 文/中島泰介(アリカンテ在住)
 
リガ・エスパニョーラ デビィジョン1第31節 バレンシアCF vs. レアル・ムルシア
2004年4月4日(日)21:30キックオフ エスタディオ・メスタージャ 観衆:40,000人
試合結果/バレンシア2−0レアル・ムルシア
得点経過/[バレンシア]ぺジェグリーノ(72分)、ミスタ(83分)

 今節まず私は、アルバセテ・バロンピエvs.レアル・マドリードの試合を見ようとアルバセテへ向かった。しかし、8年ぶりに1部へ昇格しガラクティコを迎えるアルバセテでは、スター軍団を一目みたいこの地方のフットーボールファンがわずか3,000枚ほどの一般販売のチケットに群がり(ホームのエスタディオ・カルロス・ベルモンテは収容人数17,000人。13,000人ほどがシーズンチケットホルダー)入場券は完売。残念ながらチケットを入手できず私はこのカスティージャ・イ・ラ マンチャ地方の都市を後にした。

 私にとって最後のリガ・エスパニョーラの試合は、私が1部リーグでは最も多く試合を見た2チーム、そしてリーグテーブルで現在対照的な位置にいるバレンシアとムルシアの対戦となった。

 一時はトップのレアル・マドリードに8ポイント差をつけられたバレンシアだが、取りこぼしのあるマドリードに対し、勝利し続けたバレンシアは1差にまで詰め寄った。マジョルカ戦は5ゴールを挙げ大勝、W杯南米予選のため攻守の要のアイマールとアジャラを欠きながらも前節はアウェーでラシン・サンタンデールに0−3で完勝した。ラシン戦は、ジュニアに見習わせるべきチームプレーのお手本、今期最高の内容とまで書いたメディアもあった。昨日マドリードはアルバセテに勝利し今節も1位の座を維持することになる。バレンシアも今日勝利し1ポイント差は維持したい。



 マジョルカ戦1ゴール、ラシン戦2ゴールを決めた左サイドのビセンテは切れに切れている。現在リガ・エスパニョーラ最高の選手の一人と言える。残念なのはアルゼンチン代表のアイマールが負傷により、そしてスペイン代表のセンターバックマルチェナが累積警告により出場できないこと。特にアイマールのプレーを最後に見れないのは惜しい。

 ムルシアは前節マジョルカ相手に今期3勝目を上げたものの、トップリーグ残留にはもはや奇跡が必要だ、第20節の敗戦後、監督に就任したトシャックが言った「私は魔法使いではない」という言葉をムルシア関係者は身にしみて感じているかもしれない。絶好調のバレンシアとのアウェー戦で勝ち点を望むのは酷かもしれないが、ムルシアには1試合たりとも無駄にできる試合はない。しかしこのムルシアに今週ハプニング。エクアドル代表でW杯南米予選に参加していたディフェンスのウルタードが、エクアドルサッカー協会の準備したフライトの遅れによりこの試合のメンバーリスト提出前に出場可能かが確認できず、今日は出場不可能となってしまった。強豪相手に守備の重要な選手を欠くトシャック監督は頭の痛いところだろう。

 ムルシアのキックオフで始まったこの試合、まずは1分にレアル・マドリードのカンテラ(育成部門)出身のルイス・ガルシアがバレンシアゴールへ遠めからシュートを放つ。ファーストシュートは譲ったものの、バレンシアは序盤から試合を優位にすすめる。2分、右からのルフェテのフリーキックはディフェンスに跳ね返されたものの、そのこぼれ球をセンターバックのぺジェグリーノがミドルシュート。7分にはゴール前にいたファン・サンチェスにボールが渡るがムルシアDFブロック。13分にはバラハがセンターサークル当たりからループで、14分には左サイドのビセンテが速いグランダーのクロスボールで中央のファン・サンチェスにボールを通そうとするが届かず。そして15分にまた左からビセンテが今度は高いクロスボールを供給。これにミスタがヘディングでシュートするもバーの上を越えた。ゴールにはならなかったが少しずつバレンシアの攻撃がかみ合ってきたように思えた。



 しかしムルシアは5バックでカウンター狙い。ディフェンシヴに戦うムルシアに、ほとんど敵陣でゲームを進めるバレンシアだが得点まで結び続かない。21分ゴール前でボールを受け取ったミスタはすかさずワントラップシュートするがムルシアDFブロック。22分中央からの攻撃を仕掛けようとするクロ・トーレスは、守りが堅いと見るやバラハへバックパス。それをバラハはワンタッチで右サイドのルフェテへ。ルフェテは際どいクロスを上げるが何とかムルシアGKファンミはCKに逃れた。

 ムルシアは、リチ、ルイス・ガルシアを中心にバレンシアゴールへボールを運ぼうとするが、どうしても攻撃の人数が足りずバレンシアディフェンスを脅かすことができない。ボールキープ力のあるリチだが孤立無援でバレンシアにボールを奪われるシーンが度々あった。次にバレンシアゴールまでボールが届いたのはファーストシュートから25分経ってからだった。左からのアスカラテのFKをバレンシアがクリアしたが、それがルイス・ガルシアに渡り、ダイレクトボレーを打たれる。しかしミートせず、弱々しいシュートは難なくカニサレスに処理された。27分にはリチが負傷退場。ますますムルシアに悪い展開になってきた。バレンシアも攻撃をし続けるが、ムルシアゴールをこじ開けることはできず、無得点で45分が終了した。



 後半キックオフから1分、ビセンテのシュートでバレンシアの攻撃が始まった。52分にはアジャラのヘディングのクリアボールをミスタが頭で落としクロ・トーレスへ。ミスタとのパス交換からクロ・トーレスがクロスボールを上げる。得点にはつながらなかったが、一連のチームプレーに拍手が沸く。59分、ファン・サンチェスと交代出場したシスコの折り返しをバラハが狙うがシュートは枠から外れた。

 セットプレーの度に時間をかけるムルシアにバレンシアファンは大ブーイング。なかなか得点が奪えない状況にファンもだんだんピリピリしてきた。60分にはスペースのあった左サイドでサイドバックのカルボーニがスピードに乗ったドリブルで攻撃、1人かわし、2人目に足を引っ掛けられFKをもらうがこれも得点に結び付けられず。明後日39歳となるイタリア人カルボーニ。この年齢でレベルの高いリガ・エスパニョーラで、しかも名門バレンシアでレギュラーを続けるとは驚異的だ。65分には左サイドからカルボーニ、バラハ、シスコ、ルフェテと右へ流れるようにボールをつないでいき、最後にシスコがシュート。これも得点にはならなかったが、このパスワークにファンは拍手を送った。

 72分。待望の先制点はセットプレーからだった。ルフェテと交代したばかりのホルへ・ロペスのCKをぺジェグリーノがカランカとの空中戦に勝ち、GK頭上を抜けるヘディングシュートでついにゴールを割った。いつもの「ゴーール、ゴール、ゴルゴルゴル・・!!!」の連呼がスピーカーから流れ、観客も立ち上がってガッツポーズ。バレンシアの攻撃は続く。72分にペナルティ・エリア前でバラハが倒されFKを獲得。バラハ自身が蹴るもわずかに枠の外側にそれる。76分DF裏に走りこんだシスコに絶妙なスルーパスが渡ったが、シュートはGKファンミにはじかれる。

 83分にバレンシアに追加点が入る。得点はまたもCKからだった。ビセンテのCKから、ムルシアディフェンスがうまくクリアできずにボールは現在得点王ランキング2位のミスタへ。そのボールを受け取ったミスタは思い切り左足を振りぬき今期18ゴール目を記録した。ムルシアは皮肉にもムルシア県出身のミスタにより試合を決定付けるゴールを奪われた。終了間際にバレンシアサポーターはラファ・ベニテスコールでこの監督への信頼感を伝える。結果が出ないムルシアのトシャック監督はこれを聞いて何を思っただろう。ゴールするのに苦労したもののバレンシアは価値ある勝利を手にし、ムルシアは何もできずにメスタージャを後にした。


(バレンシア)
GK: カニサレス
DF: クロ・トーレス、アジャラ、ぺジェグリーノ、カルボーニ(86分/ガリード)
MF: ルフェテ(71分/ホルへ・ロペス)、バラハ、アルベルダ、ビセンテ
FW: ファン・サンチェス(55分/シスコ)、ミスタ
(レアル・ムルシア)
GK: ファンミ
DF: マシエル、ロッシュボル、クァドラド、アスカラテ、クラベロ
MF: バレラ、アシアリ、リチ(27分/ガンセド)、ルイス・ガルシア(63分/ミチェル)
FW: カランカ(75分/ファレス)


【おわりに】
 これで当分スペインでのフットボール観戦の機会はない。今シーズンを最後まで見ることができないのは残念だ。まだ優勝の行方が分からない面白い展開なのだが・・・首位はスター軍団のレアル・マドリード、その地位をライバルのバレンシア、バルサが虎視眈々と狙いプレッシャーをかける。

 私の住むアリカンテや近隣のチームも気になる。1部最下位を走る隣県のレアル・ムルシア。残留は難しいだろうが、最後まであきらめず戦い続けてほしい。アリカンテ県のエルクレスとアリカンテ(アリカンテ市。共に2部BグループIII)そしてエルチェ(エルチェ市。2部A)、どのチームも今シーズンそれぞれのカテゴリーで昇格の有力候補に挙げられていたが、皆勝ち負けを繰り返し、リーグテーブルの中位に位置している。皆昇格は困難なポジションだ。来シーズンも来々シーズンも同じ様に、全国で注目されずにプレーしているかもしれない。しかしまた同じ様にその街の人々から熱いサポートを受け戦っていることだろう。

 この1年間スペインフットボールを堪能できた。印象に残っている試合は数多くある。バレンシアがスター軍団レアル・マドリードに完勝した試合、スペイン代表のユーロ予選、ムルシアの1部昇格の瞬間(今シーズンは私の応援するアビスパ福岡でぜひ同じ感激を味わいたい!)、日本では見向きもしないであろう2部Bの試合でもスペイン人のフットボールへの思い入れは強く感じた。心残りはスペインの2大スタジアム、サンティアゴ・ベルナベウとカンプ・ノウで観戦しなかったことだが、この2つなら、将来短期の旅行でも訪れる機会があるだろう。それまで楽しみはとっておこう。次回この地を訪れるまで・・・

それではiHasta Proxima!(またね!)スペイン!
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