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 続・スペインからの風 04/09/07 (火) <前へ次へindexへ>

 開幕戦から見る今シーズンのスペインリーグ (1/3)


 文/神藤恵史(ムルシア在住)
 
 今回は体力的にも、また偶然にもスペインの強豪4チーム(レアル・マドリード、バルセロナ、バレンシア、デポルティーボ・ラ・コルーニャ)の試合を見る機会を得たので(テレビ観戦ですがご了承ください)、今シーズンの展望を踏まえて、サッカー史の長いスペインでの蹴球事情、またちょっとした街角の雰囲気を皆さんにご紹介しようと思います。



 毎節、リーグ10試合中の1試合は必ず国営放送されるスペインリーグ。開幕戦、全国のお茶の間に登場したのはデポルティーボとエスパニョールだ。結果を先に言ってしまえば1対1の引き分けという試合だった。土曜日夜10時キックオフ。この時間は誰もが夕食を食べているスペインだが、ホームの試合で23分にタムードがPKを決めて先取点を手に入れたエスパニョールがペナルティエリア内に閉じこもりながらクリアし、相手のデポルティーボは打開策を見つけられないまま時間が過ぎていくという、モノトーンな試合展開が食卓の前で映る。実にオカズにはならない試合展開だった。

 テレビを見ている誰もがバレロンのボールさばきを期待していたのだが、相手のエスパニョールは中盤に数を増やしてプレスをかけるは、バレロンへのマークは厳しいはと、バレロンは思うようにプレーをさせてもらえない。普段はガムを噛んで試合を見守るデポルティーボの名将イルレタ監督も困り果てて、声を嗄らして指示を与えていた。やるせないイルレタ監督は後半17分、トップ左下にムニィティスを投入し、バレロンを少し下げて自由にプレーさせる。この戦術が功を奏した。ショートパスをムニィティスがダイレクト、あるいはツータッチで素早く回し、エスパニョールの守備陣を翻弄する。

 そして、後半34分、僕の夕食の箸が止まった。左からきた低いグライダーのパスをパンディアーニが得意の頭で決める(昨シーズンの13ゴールのうち6本が頭で決めている!)。今年の1トップのレギュラー争いもこれでパンディアーニが有利となった。しかし、試合はこの後も、これといった見所のないままに進んでいく。GKが試合中に意識を失いゲームが中断するというハプニングもあって、試合終了のホイッスルが鳴ったのは夜中0時前。週末のディナーにはお粗末な開幕戦だった。



 この試合を振り返ってみると、今年のデポルティーボの欠陥として浮かび上がったのは守備の安定感が欠けているということ。守備陣の補強をしなかったことが響いている。確かにスターティングメンバーには去年と変わらない顔ぶれが並んでいたが、ナイベド、アマビスカ、ジャルミーニャなどの移籍により、持ち駒が少なくなったのは事実だ。また、スペイン代表のセサルは競り合い、クリアは出来るが、ナイベドのような安心感は与えてくれない。また、ボランチの36歳マウロ・シルバが前半途中に怪我をし、ドゥシェルが途中交代したが、やはりこの2人の差は相手への守り方、攻撃の基点という面で顕著に映る。

友人:「そういえば、去年あの強豪ACミランに4対0という奇跡を起こした時のボランチはマウロだったよね。」
筆者:「そう。イエローカードをもらったために、準決勝にはドゥシェルが出たけど、やはり彼ではポルトの攻撃を潰せなかったな。」

 さらに、マウロ・シルバの他にもモリーナ(34歳)、フラン(35歳)と中心メンバーにベテラン選手を擁するデポルティーボ。シーズンを通して最高のパフォーマンスを発揮するには、その年齢が気になるところだ。一体、昨シーズンのチャンピオンズリーグで稼いだ収入はどこへいったのだろうか。

 チャンピオンズリーグ準決勝の始まるまでのオッズではデポルティーボ、チェルシー、ポルト、モナコの順で賭け率が上がっていたが、あそこにマウロ・シルバの欠場、デコとアンドラデの友情関係について知っているようなサッカーマニアがいたら、きっと今頃チェルシーのアムラモビッチ会長のような人生を送れただろうに(準決勝でアンドラデが相手選手デコにチョッカイを出して退場処分を受ける)。

 この開幕戦の数日後、2部に落ちたムルシアのボランチ、アッチアリ(昨シーズンリーグ一位のファール数)がデポルティーボにお呼びがかかるというのを新聞で読んだが、レンドイロ会長は最後までイルエタ監督の催促に乗らなかった。


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