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 頑張れ!女子サッカー 04/09/07 (火) <前へ次へindexへ>

 オリンピック後のリスタート
 

 取材・文/西森彰
2004L1・L2交流戦 TASAKIペルーレFCvs.岡山湯郷Belle
2004年8月29日(日)16:00キックオフ 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 天候:晴
試合結果/TASAKIペルーレFC1−1岡山湯郷Belle(前1−0、後0−1)
得点経過/[TASAKI]山本(8分)、[岡山]中川(49分)
(※特別ルールとして前後半30分ハーフで行なわれた)


 8月29日(日)、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場。J1リーグ2ndステージ第3節、ヴィッセル神戸VSアルビレックス新潟戦の前に、前座試合としてL1・L2交流戦が行なわれた。対戦したのはヴィッセル同様、兵庫県がホームのL1リーグ代表TASAKIペルーレFCと、L2の岡山湯郷Belle。ヴィッセル神戸がL・リーグの試合を前座試合として行なったのは、昨年のTASAKIと伊賀FCくノ一の公式戦以来。

「天然芝のピッチで2試合連続だと、一雨きた時にグチャグチャになっちゃうんで、前座試合ではJリーグのクラブも首をタテに振ってくれないんですよね。だから後座試合で何とかできないかと考えているんですが」

 鈴木保L・リーグ事務局長が、そうおっしゃっていたのを思い出した。前座の試合でピッチ状態が荒れれば、その中で自分たちの選手をプレーさせなければならない。もちろん、アウェーチームもだ。ヴィッセル神戸がいかに大きなリスクを背負ってTASAKI(ひいてはL・リーグ)に、協力しているかがご理解いただけただろうか。



 さて、その親善試合は、負傷した磯崎浩美を除く、なでしこジャパンの4選手を送り込んだTASAKIが圧倒的に支配する。右サイドの土橋優貴にボールを回し、センタリングを送り込んで決定機を掴む。だが、2度3度と訪れるチャンスもバーに意地悪をされたり、岡山湯郷の体を張ったディフェンスに阻まれて、なかなかゴールを奪えない。「あの前半で2点取っておけば楽勝なのに…」とTASAKIの仲井昇監督。

 3−4−3のフォーメーションで戦う岡山湯郷。サイドは杉本あすかと安田邦子の2人だけに任せたままある程度放棄し、残った選手でゴール正面に守備ブロックを築いた。そして相手のクロス攻撃を、なでしこジャパンのバックアップメンバーだったGK福元美穂の好セーブなどで懸命に守る。前半の30分間、ほとんどベストメンバーで戦ったTASAKIを、山本絵美のFKによる1点のみに抑えた。

 オリンピック帰りの疲労を考慮し、なでしこジャパンの4選手が下がった後半、TASAKIがテストを兼ねた選手交代で、自らバランスを崩したこともあり、岡山湯郷にもカウンターのチャンスが出てきた。そして、後半20分、左サイドからの大きなサイドチェンジのボールに鋭く反応した中川理恵が、TASAKIのDFを振り切って右サイドを走る。そして、見事なシュートがTASAKIのゴールに突き刺さった。大喜びする岡山湯郷の選手たち。テストマッチとは言え、後半戦に向けて手ごたえを感じる、価値あるドローだった。



「アンラッキーでしたね」と問いかける私に「いや、違います。実力が足りないから、決められないんです」とTASAKIの吉田茂之部長は、いつも通り、運不運を排除して訂正する。「勝ち癖はつけておかないといけませんからね」とは、今春、伊賀で開催された忍びの里レディーストーナメント優勝後に、TASAKIの山本が言ったセリフ。ここのところ、勝ち運が遠ざかっているのは、確かに気になる。

 それに対して、ドローに持ち込んだ岡山湯郷は、昇格へ向けて突っ走る今の意気込みを体現するようなゲームだった。L1のチャンピオンチームに一方的な状況下で先制を喫したら、がっくりきてもおかしくない。だが、相手の「決定力不足」(仲井監督)にも助けられ、ここを粘り強く凌いだことが、後半の同点劇につながった。

 前述した忍びの里で見た時に比べて、成長は明らか。TASAKIの仲井昇監督も「スピードのある良い選手(1トップを務めた田中静佳の脇から侵入した中田麻衣子と中川だろう)が前線に2人も入っていますし、良いチームだと思います」と語った。また、宮間あや、そして福元ら、次代のなでしこジャパンを担うプレーヤーが力をつけている。これから厳しくなる昇格争いのプレッシャーに勝てるかどうかだ。



 この日、矛先を交えた両チームは異なる目標へ向かって、残り2ヶ月を戦うことになる。TASAKIは、風前の灯火になっているL・リーグ連覇を果たすために。岡山湯郷は、昨年掴みそこなったL1昇格の切符を手に入れるために。それは実現するのだろうか。そして、そのシーンを果たして何人の観客が祝ってくれるのだろうか。


TASAKIペルーレFC・なでしこジャパンメンバー5名のアテネオリンピック回顧記者会見


(TASAKIペルーレFC) (岡山湯郷Belle)
GK: 大西めぐみ GK: 福元美穂
DF: 甲斐潤子、白鳥綾、佐野弘子 DF: 赤井歩、藤井奈々、佐藤シェンネン
MF: 土橋優貴、川上直子(H.T/中岡麻衣子)、新甫まどか、柳田美幸(H.T/岩田久美、46分/大石沙弥香) 、山本絵美(H.T/薬師寺良子) MF: 北岡幸子、杉本あすか、安田邦子、宮間あや
FW: 大谷未央(H.T/渡辺千尋)、鈴木智子 FW: 中川理恵(54分/泉紀子)、田中静佳(50分/鎌田友里)、中田麻衣子(H.T/加戸由佳)
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