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 頑張れ!女子サッカー 05/02/18 (金) <前へ次へindexへ>

 なでしこ一期生、新たなる挑戦 
 山郷のぞみの場合

 取材・文/西森彰
 昨年の三冠女王TASAKIペルーレFC単独チームの兵庫県女子代表を降し、第59回国民体育大会(まごころ国体)で優勝に輝いた埼玉県女子代表。ビッグセーブで地元優勝に貢献した山郷のぞみは、周囲のサポートに対する感謝を口にした。「周りの人たちが本当にチームのために一所懸命になってくれた。その方たちのためにも、こうして優勝できてすごく嬉しいですね」。

 埼玉県女子代表を率いる田口禎則・さいたまレイナスFC監督(国体当時は埼玉県女子代表コーチ)は、集中練習がしやすい土・日にフィジカル強化を含めた2部練習を課した。土日出勤の職場に勤める選手には、手当てを支給して生活を保障し、彼女たちの勤務先にも理解を求めた。地元開催を成功させるために、チーム内外が一丸となっていた。

 山郷は、安堵の表情を浮かべながら、言葉をつないだ。

「そうやってみんなが応援してくれている時に結果を出さなければいけない。そうしないとどうなるか、私は分かっていたから…」



 企業チーム・プリマハムFCくノ一で頭角を現していった山郷だったが、日本全体を襲った不況の波によって、企業からの援助が打ち切られた。伊賀FCくノ一として市民球団に生まれ変わったクラブでサッカーを続けた山郷だったが、生活面のバックアップを失い、新たな居場所を探した。そして出身地の近くにあるクラブ、さいたまレイナスFCで再スタートを切ることになる。

 山郷が加わった当初のさいたまにとって、優勝争いなど遥か向こうの世界だった。そこから、これほどの短期間でトーナメントの中心的存在に上り詰めたのは、いろいろな要素が重なっていたことだろう。元Jリーガー・田口監督の指導、選手の勤務先を人づてに探してくれた「サッカーどころ」のバックアップ…。もちろん、山郷がゴールマウスを守っていたことも、大きな理由のひとつだろう。環境、選手が揃い、さいたまはグングンと力をつけていった。

 さいたまの成長に手応えを感じていた山郷は「海外に行く前に、このチームでリーグを勝ちたい」と言っていた。そしてその言葉どおりに、L・リーグで初優勝。全日本女子選手権の準決勝終了後には「今のレイナスは、フロックじゃなく、実力で優勝を争うチームになっている」というコメントも出した。所属チームの躍進が後顧の憂いを消した。



 そして、渡米が決定した。一昨年の女子ワールドカップ終了後も、海外移籍を目指した。じっとオファーが舞い込むのを待っているだけでなく、実際に渡航し、現地のチーム練習にも参加してアピールした。その時は残念ながら移籍という成果を上げられなかったが、今回はこの経験を生かした。

「今年のはじめに向こうへ行って、チームをいろいろ見て決めました。シシとかがいて、私が行った時にはアメリカ代表はいなかったんですけれども、たぶんブランディとかもいるはずです」

 新たな挑戦の舞台となるカリフォルニア・ストームは、昨年のアテネ五輪予選前に、北米遠征で対戦したこともある。ブラジル女子代表のシシなど、五輪出場したアメリカ以外の代表選手も所属している。上田栄治・前日本女子代表監督も「サンフランシスコ・ナイトホークスよりも全然強かった」と語った、北部リーグの強豪チーム。もちろんレギュラーポジションが約束されているわけではない。

 高校進学後に新しい競技・サッカーへのチャレンジを始め、現在は冬の全国選手権にも出場している成立高校の男子生徒を相手に練習している山郷。「(『冒険心がある?』)そういうのは確かにあるかも知れませんね」と頷く彼女。アメリカ挑戦を前にしても、臆する気配は全く無い。英語も「今、勉強し始めたところです」。その意気や良し。



「アメリカへは4月に行く予定です。向こうのリーグ戦は5月に開幕しますので、4月になったらすぐに行きます」と今後のスケジュールを教えてくれた山郷。アメリカで大きな成果を掴んで帰ってくることを、誰もが信じ、待っている。
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