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 頑張れ!女子サッカー 05/03/04 (金) <前へ次へindexへ>
「声もスキルのうち」。練習中も良く声が飛ぶ。

 なでしこ一期生、新たなる挑戦
 大部由美の場合・後編

 取材・文/西森彰
 アテネ五輪と時を前後して、大部由美がそれまで所属していたYKK AP フラッパーズは、東京電力鰍ノチームごと移管されることになった。

 YKK APも折からの不況下で一般職員の採用もままならない。サッカー部の戦力補強まで手が回るわけがなかった。毎年オフになると「廃部」の噂が出る。なんとかチームは維持し続けたが、誰の目から見ても限界だった。そこへもともと女子サッカーに興味を持っていた東京電力が、受け入れ先として手を挙げた。移管のための調整で発表が夏までズレこんだが、北朝鮮戦以後の「なでしこブーム」に乗っかったわけではない。YKK APにとっても、選手たちにとっても、悪い話ではなかった。

 今は午前中、東京電力の発電所で広報の仕事を行い、午後からバスに乗ってJヴィレッジへと向かう。平日の練習時間は14時30分から17時が基本。土曜日に午前練習、日曜が休日(シーズンが始まれば、月曜日が休日になる予定)。チームでひとつの寮を与えられ、生活サイクルそのものは、これまでと同じだ。それでもサッカーをやる環境として「最高ですね」と大部は言う。もちろん、本拠地・Jヴィレッジは、国内でトップクラスの施設。だが、大部の「最高」は職場環境も含めてのものだ。

「日興證券や沖電気ではほとんど仕事をしなかったので、一般の社員の方とは全く交流が無かった。YKK APに入ってから仕事をするようになって、やっぱり周囲の方々の理解が必要になってくるわけです。そうした中で東京電力の方々全員がマリーゼに期待し、本当にチームを好きになってくれている。それが嬉しいです」



Jヴィレッジの施設内に貼られたポスター。
これまで戦ってきた仲間に、今年は新戦力も加わる。
 社員として生活を保障され、ホームグラウンドでもあるJヴィレッジで毎日トレーニングができる。ここ3年、戦力補強ができていなかったチームにも、ようやく5人の新人選手が加入する。目に見えてバックアップ体制が整ったTEPCOマリーゼは既存のクラブから見れば脅威だ。昨年、リーグ加入承認が審議された席では「ウチの選手を引き抜かれては困る」「移籍による補強は無しにしてはどうだ」との声も上がった。

 そんな他チームが羨むような環境を与えられたTEPCOマリーゼだが、だからといって、いきなり初年度から優勝争いができるほどL・リーグは甘くない。大部自身も「現段階では上の4つ(さいたまレイナスFC、日テレ・ベレーザ、TASAKIペルーレFC、伊賀FCくノ一)とは大きな差がある」と認める。

「それでも私たちは勝たなければいけない。他から羨ましがられるような環境にある私たちが、結果を残すことが大事。今、マリーゼからは代表に一人も選ばれていない。『そんなチームでも環境を与えてもらうことで、ここまでできる』ことを証明したい。私たちが結果を出せば『マリーゼであそこまでできるなら』と環境を改善するところも出てくると思うから」



 取材の最後に、大部へ3つの立場それぞれでの目標を尋ねた。「女子サッカーの担い手」として。「新チーム・TEPCOマリーゼの一員」として。そして「一選手・大部由美」として。

「うーん、全部が絡み合っていますね。TEPCOマリーゼが活躍すれば女子サッカーの環境改善につながると思うし、そのためには『続けたり、努力していけば、必ず結果として現れる』ことを、私がプレーでしっかりとチームの選手に伝えていかなければいけない。そして、今いる若い選手だけでなく、これから入ってくる選手にもそれを背中で示せる、オーラを感じさせる選手であり続けたいですね」

 なでしこジャパン初代キャプテン・大部由美。15年目のL・リーグが、もうすぐスタートする。










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