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 頑張れ!女子サッカー 05/04/07 (木) <前へ次へindexへ>
勇退した田口前監督のためにも、浦和は更なるステップアップを目指す。

 開幕!!なでしこリーグ その1
 第17回L・リーグ開幕直前特集(前編)

 文/西森彰
 いよいよ、4月9日(土)から、2005年度の第17回L・リーグが開幕する。昨年はさいたまレイナスFCが初優勝。そのさいたまは浦和レッドダイヤモンズレディースとして、またYKK APフラッパーズは、TEPCOマリーゼとして新しいスタートを切る。開幕を前に、L1の各チームを簡単にご紹介しよう。

 まずは、昨年の上位4チームから。



 昨年のリーグチャンピオン・さいたまレイナスFCは浦和レッズにチームごと移管され、浦和レッズ・レディースとして新たなスタートを切った。その公式戦第1戦は、全日本女子サッカー選手権の元日決勝を戦った相手である日テレ・ベレーザ。浦和は、大観衆を味方に2点を先行したが、後半に追いつかれ、PK戦で敗れた。だがスコアだけを見ても、元日が1対3、この日が2対2。試合内容では、それ以上に差が詰まっている。

 絶対的守護神・山郷のぞみ(カリフォルニア・ストーム)の米国挑戦で開いた穴を埋めるのは、常盤木学園高校出身の小金丸幸恵だ。浦和への移管が決まる直前、JヴィレッジのU-19代表合宿に顔を見せた田口禎則前監督が「まだまだ、山郷と比べるのはかわいそうだけれど、育てる楽しみがある逸材」と目を細めていたほどだ。昨年の第4回忍びの里レディーストーナメントでも、ベストGK賞を受賞した福元美穂(岡山湯郷)と甲乙つけがたい、安定したパフォーマンスを見せていた。

 システムは昨年来の4−4−2が基本。攻撃陣は北本綾子、安藤梢ら代表を経験した選手が押しも押されもせぬ中心に育ち、その他にも岩倉三恵や法師人美佳らの若手も着実に力をつけた。これにFKの名手・高橋彩子らのベテランが絡む攻撃は多彩。昨年の優勝は決してフロックではない。それを証明するため、圧倒的なファンの声援を背にして、連覇を目指す。


「銀河系」日テレ・ベレーザは、取れるタイトルを全て狙う。
一昨年は三冠達成。TASAKIは再び、その頂を目指す。

「優勝候補を挙げろ」と言われたら、このチームの名前を口にしておけば、少なくとも大恥をかくことは無いだろう。全日本女子サッカー選手権を制して、久しぶりにタイトルを獲得した日テレ・ベレーザだ。下部組織のエリート集団、日テレ・メニーナから、さらに絞り込まれた精鋭たち。これを宮村正志前監督が育てながら戦った結果、モンスタークラスのチームとして完成した。

 今シーズンから、日テレの指揮官に返り咲いた松田岳夫監督のもと、4月3日(日)に行なわれた、なでしこスーパーカップもPK戦で制した。2005シーズンも上々のスタートを切ったと言えるだろう。シーズン前に行なわれた練習試合では、なでしこジャパンと同じ4−2−3−1を軸にしていくつかのシステムを試し、十八番となっているポジションチェンジに磨きをかけている。

 年代別代表にも多くの選手が参加し、フル代表・なでしこジャパンでは、合宿があるたびに10名前後の選手が選抜される。「普通は代表合宿があるとチームとのギャップが生まれるんだけれど、あそこまで大勢が選ばれると強化合宿をしているようなものだから」(本田美登里監督・岡山湯郷)と他チームが羨むほどの戦力は、川上直子などの加入で「なでしこリーグの銀河系」とでも呼べるものになった。ハードスケジュールに泣いた昨年の悔しさを糧に、今年は全タイトル制覇も視野に入れる。



 ハードスケジュールに泣いたという意味ではTASAKIペルーレFCも同じ。いや、選手数の違いを考えれば日テレ以上にダメージが大きかったかも知れない。言わずと知れた2003シーズンの三冠女王も、昨年はその反動が出たか、それとも勤続疲労のツケが大きかったか、不本意なシーズンを送った。リーグ戦3位、国体準優勝、全日本女子選手権ベスト4。底力の一端を示す一方で、手に届くところまでタイトルを引き寄せながら、ことごとく逃したのも事実だ。

 前キャプテンの川上の日テレ移籍や、昨年までの正GK・大西めぐみの引退などもあって、メンバーを一新した。そして、開幕3週間前に行なわれた、忍びの里レディーストーナメントでは、ホームの伊賀を破って連覇を達成。1年振りにタイトルを獲得している。仲井昇監督は「まだシーズン前ですから、どこも試験段階ですよ」と謙遜するが、悪い流れをとりあえず堰きとめたことは事実。

 その忍びの里では、高槻から新加入した下小鶴綾と磯崎浩美のなでしこセンターバックコンビと、ボランチでもプレーできる中岡麻衣子の3枚が最終ラインでボールを回しながら、相手の穴を探る遅攻も見せた。また、コンディション不良に泣いた大谷未央、山本絵美ら、攻撃の核はひところの不調を脱しており、昨年までとは違う強さを身につけている。巻き返しも期待できそうだ。


横断幕の壁。ホームでは、伊賀はその力を数倍にする。

 やや上位3チームに離された感のある伊賀FCくノ一も、シーズン最後の全日本女子サッカー選手権では、二冠のさいたまをPK戦まで追い詰め、底力の一端を見せた。ホームでは2年連続で日テレを破るなど、地力を十二分に発揮できるが、長距離バス移動でのアウェー遠征は、コンディション的に厳しく、特に関東遠征の戦いでは苦戦した。今季もそれほど状況が好転するとも思えず、そこに大きなハンデを抱えている。

 地元で行なわれた忍びの里レディーストーナメントでは常盤木学園に6対0、大阪女子体育大学に2対1、宝塚に4対0と勝ち進み、決勝でTASAKIに0対3の敗戦。昨年に続き準優勝に終わった。システムは小野鈴香、井坂美都、村岡夏希のトリデンテを先端にした3−4−3の布陣がベースだが、4−4−2、3−5−2もできる。江川重光監督が相手と試合展開に応じて、システム変更を兼ねた選手交代を行ない、戦局の打開を図る。

 原歩、山岸靖代ら経験豊富なベテラン、中堅選手と、勢いのある若手がバランス良く揃っており、2、3名の選手が代表から高いレベルのお土産を持ち帰り、残った選手が作り上げたベースに、そのエッセンスを垂らすパターンは、昨年のさいたまを髣髴とさせる。出産を控えてチームを離れている宮本ともみが、後半戦からでも復帰してくるようなら、その再現が無いとは言えない。互いに手探り状態の開幕戦で日テレを叩き、勢いをつけたい。


(以下、後編へ)
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