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 頑張れ!女子サッカー 05/04/13 (水) <前へ次へindexへ>
これぞホームの利。ピッチに手が届きそうな観客席から大声援が起こる。

 TEPCOマリーゼ、公式戦初戦を大勝。岡山湯郷は黒星スタート。
 L1リーグ第1節 東京電力女子サッカー部マリーゼvs.岡山湯郷Belle

 取材・文/西森彰
2005年4月10日(日)13:00キックオフ Jヴィレッジスタジアム 観衆:2,413人 天候:晴
試合結果/東京電力女子サッカー部マリーゼ5−1岡山湯郷Belle(前1−1、後4−0)
得点経過/[TEPCO]佐藤春(26分)、[岡山湯郷]佐藤シェ(39分)、[TEPCO]丸山(59分)、佐藤春(72分)、本間(75分)、森田(82分)


 小さなスタジアムの賑わい感は、晴れ渡った空とあわせて、2つのチームの新しいスタートを祝しているようだった。この日、Jヴィレッジのスタジアムに足を運んだファンの数は2,413人(公式発表)。L・リーグ開幕戦を生中継するNHKを始め、広報に取材を事前申請したプレスの数は23社で約70人。当日、直接取材を申し込んだ人々を含めれば実数はさらに多いはずだ。

 今年、東京電力女子サッカー部マリーゼ(以下TEPCO)として、新たなスタートを切るホームチーム。「スペシャルマッチ」と銘打たれて行なわれたプレシーズンマッチは、さいたまレイナスFC(現浦和レッズレディース)に0対2の敗戦を喫し、約4,000人の地元ファンに勝利を献上できなかった。この試合は新チームの公式戦初戦であり、当然ながら今シーズンの開幕戦でもある。女子サッカーに興味を持っている福島のファンにアピールする意味でも、簡単に落とすわけにはいかない。

 一方、アウェーに乗り込んだ岡山湯郷Belleにとっても、このゲームがL1昇格後、初めての試合になる。チーム創設後、5年の月日をかけてようやく辿り着いた舞台。地元の岡山県でもNHKが地上波でこの試合を生中継している。こちらも県民に自分たちの魅力を伝える良い機会だ。直前の練習試合ではスペランツァF.C.高槻を3対0と破り、自信をつけた。その勢いをぶつけたい。



JR広野駅前からは、スタジアム行きの無料バスが出た。
「美人の湯」湯郷温泉の旅館で働く選手たちもいる岡山湯郷Belle。
 コイントスに勝って風上を取った岡山湯郷は、キックオフから行く気満々。開始30秒で宮間あやが中田麻衣子にスルーパスを通し、いきなりシュートまで持っていく。18分にもマーカーから逃げる動きでフリーになった中田へ宮間がパス。しかし、このシュートも枠を捉えることはできなかった。

 その後も岡山湯郷の選手たちは、自分の背後にいる相手選手のマークに引きずられるのではなく、チャンスと見るとボールホルダーに鋭いタックルを仕掛け、ボールを奪っていく。「前半、最初のポストプレーで、ひとつ良い感じで(宮間)あやに落とせたので、それが自信になった」(田中静佳・岡山湯郷)。L1のレベルに全く戸惑う間もなく、昇格チームの勢いそのままに押した。

 一方、TEPCOも防戦一方の展開の中で、徐々に修正を効かせていく。26分、丸山桂里奈が左サイドでキープしてDFを引きつけ、中央に展開。そして五十嵐章恵がニアでDFと潰れ、ファーに余った佐藤春詠がこぼれ球をシュート、劣勢の中で先制する。3分後に訪れた追加点のチャンスに、本間真喜子のシュートが福元美穂の好守に防がれ、逆にコーナーキックから同点に追いつかれた。それでもムードが悪くなることはなかった。

「前半は風下の中、1対1で耐えられた。このグラウンドで戦う上で大きな条件に風がある。良い時もあるし、悪い時もある。それは半分ずつだから」(大部由美・TEPCO)。前半の苦戦さえも、ある程度は織り込み済みだった。



 風下の前半をイーブンで折り返したTEPCOは、後半に入ると攻勢に転じた。追い風を生かして岡山湯郷のDFラインの裏へボールを入れていく。そして59分、丸山がDFを振り切り、飛び出したGK・福元の鼻先でボールを奪うとシュート。試合を決める2点目を奪った。

 この一撃が岡山湯郷に大きなダメージを与えた。前半から飛ばした選手たちに疲れが見え、足が止まり始めた。得点を取るために宮間ら中盤の選手が2トップの直後に残る一方で、最終ラインは高い位置への押上げができない。前後が間延びし、その中間でTEPCOにセカンドボールを拾われ、カウンターを浴びる。

 72分に佐藤春、75分に本間、そして82分に途中出場の森田牧子。いずれもTEPCOの木村孝洋監督が、シーズン前の練習で特に力を入れていたサイドアタックからのきれいなゴール。大声援を送りつづけたTEPCOのファンが見守る中、五輪出場審判の鮎貝志保主審が試合終了の笛を鳴らした。スコアボードには5対1の大差が記されていた。


NHKのインタビューに答える丸山。先制点と決勝点に絡む活躍を見せた。
試合前には尾崎亜美さんによる応援曲披露も行なわれた。

 シュート数はTEPCOの11対10、前半に限れば3対7。とても4点差がつくような試合内容ではなかった。前半は思いがけないL1昇格チームの出足に、TEPCOの選手が後手を踏んでいた。怖いもの知らずの若いチームが解き放つパワーで押し切れるかどうかが、勝負の分かれ目だった。

「ちょっと調子に乗りすぎました(笑)。足が止まったところをメタメタにされちゃいましたね。やらなくても良い失点もありましたし、選手たちもそこは反省していると思います。試合開始早々の中田麻衣子のチャンスもそうだし、相手が面食らっているうちに先に点を取りたかったですね」(本田美登里監督・岡山湯郷)

 宮間は「私が全然、ダメでしたね。まったく試合の流れに乗り切れなかった」とポツリ。ハイペースで飛ばす岡山湯郷の選手の中で、唯一90分間を考えたペース配分を考え、ゲームを落ち着かせようとしていた。「でも、できませんでした。相手には大部さんのようにゲームをコントロールできる選手がいた」。蓄積していたはずのエネルギーは、スタミナが切れた他の選手の分のボールチェックに浪費された。「周りが動けていた前半、フルに行っておけば」という後悔があったかどうか。



「まず、開幕がホームということ。そして対戦相手の岡山湯郷がL2から昇格してきた勢いのあるチームということを考えました。そして自分たちの戦い方、マリーゼカラーというものを出していこうと、みんなで呪文のように唱えました」(大部由美・TEPCO)ペース配分が分からずに、頭からすっ飛ばした岡山湯郷に対し、TEPCOはスタジアムの気象条件や、勝負どころをきちんと理解していた。

 だからこそ、受けに回った前半をパニックに回ることなくやり過ごし、後半にゴールショーを演じることができたのだ。「後半は良い形で得点ができた」と木村監督。1点目の起点となるボールキープ、2点目の独力突破は、いずれも丸山の個の力。しかし、それを活用したのは「俊足の選手がいるので、スペースに出して使ってあげたかった」(五十嵐)という、チーム全体のイメージ共有が生んだゴールでもある。

 勝ち点3、得失点差4、総得点5。2005L1リーグ戦を堂々の首位スタート。新チームは、ホームのファンを前に、最高の形でスタートを切った。テレビクルー、記者でごった返すミックスゾーンで、取材を手際よく捌いていたTEPCOのチーム広報・東さんが笑顔で言った。

「最高のスタート? そうですね。でも一番大事なのは、勝っても負けても、こうして福島の皆さんに応援していただけるチームに育っていくことだと思います。もちろん、勝たないとなかなか注目していただけないんですけれど」


(東京電力女子サッカー部マリーゼ) (岡山湯郷Belle)
GK: 増田亜矢子 GK: 福元美穂
DF: 青木知里、大部由美、宇野涼子、北郷裕子 DF: 安田邦子、赤井歩(65分/藤井奈々)、城地泰子、佐藤シェンネン
MF: 遠原志穂美(62分/中村真実)、早坂優、本間真喜子、五十嵐章恵 MF: 福原理恵(82分/泉紀子)、北岡幸子、加戸由佳、宮間あや
FW: 佐藤春詠(76分/森田牧子)、丸山桂里奈 FW: 中田麻衣子(64分/鎌田友理)、田中静佳
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