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 頑張れ!女子サッカー 05/05/02 (月) <前へ次へindexへ>
日テレとTASAKI、今シーズン最初の対戦。

 痛み分けもハイレベルな戦い。これぞ「なでしこリーグ」。
 L1リーグ第4節 TASAKIペルーレvs.日テレ・ベレーザ

 取材・文/西森彰
2005年4月29日(金・祝)11:30キックオフ 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 観衆:2,373人 天候:晴
TASAKIペルーレFC1−1日テレ・ベレーザ(前1−1、後0−0)
得点経過/[日テレ]酒井(9分)、[TASAKI]大谷(44分)


 2勝1分けの勝ち点7。首位を並走する日テレ・ベレーザとTASAKIペルーレFCの一戦は、川上直子の電撃移籍も絡んだ因縁の一戦。ゴールデンウィーク初日の快晴や、J1のゲームも行なわれる神戸総合運動公園ユニバー記念競技場での2試合開催、そしてJリーグの休日。来場者の背中を押す要素が揃い、スタンドの観衆は2,373人を記録した。



 日テレは初戦を引き分けた後に2連勝。シーズン当初は川上を代表と同じ右サイドで起用していたが、キャプテンの酒井與惠とダブルボランチを組ませてから、ゲーム内容が格段に向上した。外の人間としては、中地舞、四方菜穂、須藤安紀子、豊田奈夕葉の4バックに一日の長があるのかと考えていたのだが、指揮官の考え方は違っていた。

「川上を最終ラインで使うことに問題があったのではなく、まずチームとして中盤でボールをキープしたかった。そこでボールを奪うテクニックと人に強い特徴を持っている川上のポジションを上げた。結果として、相手のパスコースが限定されるようになり、DFも守りやすくなったということです」(松田岳夫監督)

 上手く行っているシステムを変える必要はない。日テレはこの日のTASAKI戦も酒井と川上を中盤の底に並べたボックス型の4−4−2。そして前半9分、前後左右にボールを動かしてTASAKIの守備を翻弄し、澤穂希がスペースに上げたボールに、酒井が飛び込み先制する。ここまでは、思い通りだった。

 しかし、この1点の代償はあまりにも大きかった。秋山智美と接触した酒井は、ゴールを喜ぶ暇も無く、そのまま動かない。一度は復帰したものの、足を引きずり、とてもプレーを続行できるような状態ではない。松田監督は、近賀ゆかりを交代選手として送り込み、伊藤香奈子のポジションをボランチの位置に下げる。この大アクシデントで日テレの選手間にもさすがに戸惑いが生まれた。



TASAKIのエース大谷未央は同点ゴールを奪う。
 1点を追うTASAKIは「今日は特にみんなの気持ちが入っていたし、1点入れられても全然動揺しなかった。自分自身も『全然大丈夫。どこかで早く入れられれば良いな』と思っていた」(磯崎浩美)。ストッパーから今年はサイドバックにポジションを変えた甲斐潤子、佐野弘子が自信を持って日テレの両サイドを突き、2トップが絡んでチャンスボールを呼び込む。

「(酒井の負傷で)最初に1ボランチ気味になった時に『前から行こう』という意識のあまり、前に上がることでDFラインとの間にできるスペースを突かれてしまった。自分は後ろにいて、周りを動かさないといけなかった」(川上直子)

 日テレはTASAKIの攻勢を中盤で跳ね返し、追加点を狙おうとしたが、バイタルエリアにできたスペースをトップ下の山本絵美と3列目から飛び出す柳田美幸に使われ、防戦一方に追い込まれた。アーリークロスを大谷未央、鈴木智子の代表コンビに合わせるTASAKI。四方、須藤らの奮戦が無ければ、とっくに日テレのゴールを陥れていたはずだ。

 前半のシュート数は、日テレが僅かに3本、TASAKIは8本。その8本目が前半ロスタイムの同点ゴールとなる。猟犬役の新甫まどかが右サイドに飛び出て、速いボールを中央に返す。これを大谷未央が上手く合わせた。TASAKIもキャプテンのゴールで追いついた。



 最悪の時間帯に、追いつかれた日テレはハーフタイムを挟んで、交代出場の近賀を引っ込めて井関夏子を投入。川上を1ボランチにしたダイヤモンドシステムに組み直した。「シーズン前の練習では、このシステムで練習する時間が長かったのですが、いきなりの変更に選手たちが良く対応してくれた」と松田監督。

 この交代が当たり、後半も押し込まれる展開の中から、鋭いカウンターを見舞う。48分、右クロスがファーサイドに抜け、フリーの永里がシュートしたが、これは秋山がファインセーブ。58分にも左から右へのボールを伊藤がニアポストに当てる。「後半の決定機を得点に結びつけて勝てれば良かったんですが…」(松田監督)。

「初戦で浦和レッズレディースに勝ったことでチームに自信がついていた」(仲井昇監督)TASAKIも、ボールを大事にする昨年から一皮剥けたスタイルでイニシアチブをを渡さない。終盤はチームの伝統と言える走力で、足が止まりかけた日テレを再度、ゴール前に張り付かせる。一進一退の攻防はあっという間に90分間を消化した。大畠千枝主審はほとんどロスタイムを取らずに試合終了の笛を吹いた。

(電光掲示板は45分に満たないタイム表示。これにスタンドのファンから不満の声が上がったが、これは明らかに表示間違い。笛と同時にスタートさせた手元の時計では、後半開始から45分+15秒余りが経過しており、大畠主審は災難だった)



かつてのチームメイトと矛先をあわせた川上直子(22番)。
 ボール支配率だけでなく、シュート数でも14対8と日テレを上回ったTASAKI。浦和に勝った後、宝塚バニーズレディースSC戦で先制を許し、伊賀FCくノ一戦は2対0から追いつかれるなど、消化不良の試合が続いていたが、この日は集中して良い試合内容を見せた。

「今日の試合内容には満足しています。それでも勝ちたかったのは事実です。先週、きっちりと勝っていれば、今日は引き分けでもOKだったんですけれど」と磯崎。仲井監督も「日テレさんが最後のところで外してくれたんで助かりました。3回の対戦で最初が引き分けというのは悪くない」と言いながら、その一方で「ホームだし、あそこまで行けば勝ちたかった」とこぼした。

 日テレは、替えが効かないキャプテンをケガで序盤に失う苦境の中で、勝ち点1を積み上げた。試合を支配されながら、決定機の演出回数でも上回った。それだけに、こちらも監督、選手から、収穫を認めながらも、もう一歩で取り逃がした勝ち点3を惜しむ声が上がった。

「もちろん勝ち点3を狙っていましたけれど、酒井の負傷がチームに及ぼした影響も非常に大きくて、その中で負けなかったというのは良かったんじゃないですか」(松田監督)

「ウチは最後まで勝ち点3を狙っていたし、それが取れなかったのは残念。ただ、こういう状況の中で1ボランチをこなしたのは、これからリーグを戦っていく上で、良い経験と言えるかもしれませんね」(川上)



 選手個々の個人戦術、フィジカルの向上は「(25度を超える)暑さで最後に選手の足が止まったことを除けば、ハイレベルなナイスゲーム。スライディングやヘディングの技術、ボールの受け方など、選手のプレー内容が向上している」という大橋浩司・なでしこジャパン監督の言葉を待つまでもなく見て取れた。

 この日の痛み分けで首位から陥落した両チームだが、代表組の負傷などで調子を落としていた昨年と比べれば、チーム力は遥かに上。数名のケガ人を抱え、双方ともにベストな状態ではない中で、これだけの試合を見せられるのだから、今後が非常に楽しみだ。


(TASAKIペルーレFC) (日テレ・ベレーザ)
GK: 秋山智美 GK: 小野寺志保
DF: 磯崎浩美、中岡麻衣子、下小鶴綾 DF: 中地舞、四方菜穂、須藤亜紀子、豊田奈夕葉、川上 直子
MF: 甲斐潤子、新甫まどか、柳田美幸、佐野弘子、山本絵美 MF: 酒井與恵(16分/近賀ゆかり、H.T/井関夏子)、澤穂希、伊藤香菜子
FW: 大谷未央、鈴木智子(82分/大石沙弥香) FW: 永里優季、大野忍
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