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 頑張れ!女子サッカー 05/06/16 (木) <前へ次へindexへ>
大量得点を狙ってキックオフ。TASAKIは誰も諦めてはいない。

 TASAKI、4−0で完勝。敗れた高槻にも光明が
 2005L1 第9節 TASAKIペルーレFCvs.スペランツァF.C.高槻

 取材・文/中倉一志
2005年6月12日(日)11:30キックオフ 三重・上野運動公園競技場 観衆:230人 天候:晴
試合結果/TASAKIペルーレ4−0スペランツァF.C.高槻(前1−0、後3−0)
得点経過/[TASAKI]鈴木(36分)、土橋(58分)、大谷(59分)、大石(83分)


 とにかく1点でも多く取ること。それがTASAKIの当面の課題だ。TASAKIに勝ち点3差をつけて首位を行く日テレとの得失点差は13。次の直接対決までに得失点差をどこまで詰められるかがリーグ優勝の鍵を握っている。フォーメーションはいつもの3−5−2。ゴールマウスを守るのは秋山智美。リベロの中岡の両脇には磯アと下小鶴が構える。ダブルボランチは柳田と新甫。両サイドを駆け上がるのは佐野、土橋の2人。トップ下で山本がゲームを作り、大谷と鈴木(智)がゴールを目指す。

 一方、開幕戦を4−0で勝利して好スタートを切った高槻は、その後は負けが続く苦しい展開。第7節から細田真砂智新監督の下、新たなスタートを切った。フォーメーションは4−4−2。ボランチの庭田がゲームをつくり、左サイドのMFを務める高い個人技を持つ松田を中心にサイドから攻めあがる。前節はTEPCOに2−3で敗れたものの、後半は2点を挙げて激しく追い上げる等、流れ自体は悪くない。「だいぶ変わってきた」とは細田監督。強豪相手に勝ち点3を取りに行く。



高槻の健闘も光った。課題は戦える時間帯を延ばすこと。
 前半、積極的な姿勢を見せたのは高槻だった。最終ラインを積極的に押し上げてコンパクトなゾーンを形成。高い位置からプレスをかけてボールを奪うと、左サイドの松田を起点にして前に出る。TASAKIのラインの裏へのロングボールをにもひるまずに最終ラインを押し上げて、飛び出してくる大谷、鈴木をオフサイドに仕留めていく。そしてTASAKIが強引に中央を突破しようとするところをCBがタイトなマークで潰した。ここまで7連敗のチームとは思えない積極的な姿勢で主導権を握る。

 自分たちのリズムで攻撃を組み立てられないTASAKIは10分、大谷が右サイドに流れてオフサイドラインを突破。11分、14分にも両サイドへ大きく展開して高槻の裏を取る。どうやら、高槻はサイドの守備に問題を抱えているようだ。しかし、高槻のアグレッシブな姿勢の前に受身で戦うTASAKIは、この流れをモノに出来ない。そして中央からの突破を図っては高槻に奪われ、そして庭田、松田を中心に素早く攻める高槻の前に守備に専念させられる時間が続く。

 それでも、日本代表が3人並ぶTASAKIの最終ラインは堅牢さを失わない。磯ア、下小鶴が確実に1対1を制し、スペースに出るボールは中岡が的確なカバーリングを見せて、高槻のチャンスの芽を確実に摘んでいく。そんな守備の頑張りにFW陣が応えたのは36分。鈴木(智)がペナルティエリアに入ったところで3人に囲まれながらもボールをキープ。そして巧みに反転してシュートを放つ。次の瞬間、ゴールネットが揺れた。高槻の守備は責められない。鈴木(智)の見事な個人技だった。



ゴール前に飛び込んで得点を狙う大谷(右)
 この1点で気分が楽になったのか、後半はTASAKIの一方的なペースとなった。「前半は向こうの勢いがあった。両サイドに積極的に行って欲しかったがそれが出来ず、前半での交代も考えたが、土橋は最近、90分間プレーしていなかったので、引っ張るところまで引っ張ろうと。後半は両サイドともに良くやってくれた」(仲井監督)。両サイドが活性化したことでボールが回るようになったTASAKIは、まるでハーフコートゲームのように高槻を攻め立てた。

「体力的な部分もありますし、戦術的な部分もある。行けるというところで押し切れない。フィニィッシュの部分の精度とかを含めて、正確性とかはまだ足りない」(細田監督)。粘り強くTASAKIの攻撃を跳ね返す高槻も、次第にボールを受ける位置が下がっていく。そしてTASAKIの追加点は58分。中央の新甫から左サイドの佐野へ。さらに佐野からファーサイドの土橋へとボールが渡り、フリーになった土橋が豪快に蹴りこんだ。さらにその直後の59分、大谷が前線へ飛び出して3点目をゲットする。

 これで試合は決まった。ここまで集中力を保ってきた高槻も、ボールに対する寄せが遅くなり、単純なパスミスが目立つようになる。そんな高槻に本来の姿を取り戻したTASAKIが激しく責め続ける展開が続く。そして83分、土橋からのクロスボールに途中出場の大石が頭で合わせて、とどめの4点目をゲット。高槻の前半の頑張りも、終わってみればTASAKIが力を見せ付けて順当に勝ち点3を収めた。



プログラム片手に選手のそばから離れないちびっ子プレーヤー。
L・リーグの選手たちは彼女たちにとっての憧れの的だ。
「あと3点、4点は欲しかったですね。またベレーザさんが7点行ってしまいましたから」(苦笑)。しかし、立ち上がりこそ受けに回ってしまったものの、本来の実力を発揮した内容に不安はない。それにサッカーは何が起こるかわからないスポーツ。自分たちの出来ることを確実に積み重ねていくことが出来れば、山はもう1回やってくる。「選手たちはこの結果に満足していないと思うんですよ。選手自ら、点を多くとって勝とうという意識でやってくれていますから」(仲井監督)。確かに今シーズンの日テレは強い。しかし、まだ何も決まったわけではない。

 不本意ながら連敗から抜け出せなかった高槻だが、「だいぶ変わってきた。ここを乗り切って戦える時間帯を延ばせていければ力はついてくる」と細田監督は一定の評価を与えた。あとはこの変化をどうやって結果に結び付けるかだ。「また負け癖をとりきれない部分がある。選手の意識を含めて正しい方向へ進んでいるということを証明するには、いい結果を出していかないと。そういう意味では、今日の試合、ベル、伊賀に関しては大事な戦い。ここの試合が正念場」。勝ち点3が何よりの薬。その薬を求めて、次節は長居スタジアムに乗り込む。







(TASAKIペルーレFC) (スペランツァF.C.高槻)
GK: 秋山智美 GK: 海堀あゆみ
DF: 磯ア浩美 佐野弘子 下小鶴綾(62分/甲斐潤子) DF: 中鍋美里 高見恵子(63分/松下紀美) 奥田亜希子 中江真紀
MF: 山本絵美 新甫まどか 柳田美幸 中岡麻衣子(81分/白鳥綾) 土橋優貴 MF: 松田望 鳥越恵 庭田亜樹子 小中山咲子(84分/東山紗衣子)
FW: 大谷未央 鈴木智子(81分/朝日麗華) FW: 相澤舞衣 小野村亜矢(54分/久山暖香)
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