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 頑張れ!女子サッカー 05/06/28 (火) <前へ次へindexへ>
強い日差しの中、宝塚・TEPCO両チームの選手が入場。

 TEPCO、炎天下で宝塚を退け、前節の悪夢を振り払う。
 2005L1リーグ第11節 宝塚バニーズレディースSCvs.東京電力女子サッカー部マリーゼ

 取材・文/西森彰
2005年6月26日(日)11:30キックオフ 兵庫県加古川陸上競技場 観衆:約200人 天候:晴
試合結果/宝塚バニーズレディースSC0−3東京電力女子サッカー部マリーゼ(前0−0、後0−3)
得点経過/[TEPCO]佐藤春(44分)、丸山(73分)、早坂(83分)


 前節、東京電力女子サッカー部マリーゼ(以下TEPCO)はJヴィレッジのホームゲームで、TASAKIペルーレFCに0対6と今シーズン最悪の大敗を喫した。ボランチを務めてきた早坂優がトップ下、トップ下を務めてきた五十嵐章恵が右サイドハーフ。中盤のシステム変更にトライしての敗戦だったが、この日も同じシステムで臨んできた。「前節、大敗を喫したので、この試合で勝ち点3を取るという事を凄く大事にしていました」と木村監督。2試合連続で結果が出なければ、選手たちから新システムへの疑念が生じる。その意味からも大事なゲームだ。

 一方、今季、これまで黒星が10個並んでしまっている宝塚バニーズレディースSC。前節もアウェーで首位を行く日テレ・ベレーザに対し、67分までタイスコアの健闘をしたが、息切れとともに失点を重ねて1対6の敗戦。最後の30分間で相手に振り切られるゲームが続いているが、もう一踏ん張りで勝ち点に届きそうであることも確か。果たしてそれがこのゲームになるのかどうか。



清原万里江は左サイドから再三の攻撃参加を見せた。
73分、丸山桂里奈がドリブルからのシュートで追加点を挙げる。
 大橋浩司・なでしこジャパン監督も足を運んだ加古川陸上競技場で、強い日差しが照りつける中、TEPCOのキックオフで試合が始まる。「ウチは寒さには強いけれども、暑さには弱いから」と笑った木村監督は、炎天下、そして前節の大敗の影響を考慮して「とにかく前半を0に抑えよう。相手に点を与えないようにしよう」とDF面での集中を指示して、自軍の選手たちを送り出した。

「ゲームの入り方が甘かったのか、最初はダラっとした立ち上がりになってしまいました。前半は内容があまり良くなかったにしろ、その中で0で耐えることができた」と前半を振り返ったTEPCOのセンターバック・宇野涼子。守備に意識を割いたTEPCOに対し、宝塚の選手たちは戦う気持ちそのままに前へ出る。ダイヤモンド型にした中盤の左右に、ボールを持てる三浦香子と伊丹絵美を置き、ここから長身の今枝梢をターゲットにしたクロスという狙いか。

「ひとりがボールを奪われたら、その後5秒間、責任を持って追おう。奪われた人間と一番ボールに近い人間が、必ずプレッシャーをかけよう」と試合前のミーティングで言われていたTEPCOの選手たちは、劣勢の中でもしっかりと守備ブロックを保ち、宝塚に自由を与えない。押し気味にゲームを進める宝塚だが、きっちりと人数をかけて守るTEPCOの前に、ゴールを割ることができない。暑さもあって、ゲームはこう着状態に陥ったが、省エネプランで戦っていたTEPCOの方が余力を残していたのは明白だった。

 後半に入ると、ようやくという感じでTEPCOが攻撃にシフトチェンジ。そして52分、青木知里の左CKからゴールを奪う。「ボーンとなって、ゴチョゴチョってなって、3人ぐらい飛び込んで。試合を終わった今でも良く分からないんですけれども。はい、たぶん佐藤さんが入れたと思います(笑)」。五十嵐の言葉どおり、ゴール前で敵味方がもつれる混戦が生んだ1点は決してきれいなゴールではなかったが、値千金の価値を持っていた。

 このゴールを境にして、TEPCOの動きが、宝塚のそれを明らかに上回り始める。そして、73分、宝塚ゴール前でボールを持った丸山桂里奈が、DF2枚をドリブルで振り切り、左足のシュートで追加点を挙げる。さらに83分にも右からのサイドアタックを決めて、青木からのボールをフリーの早坂が落ち着いて決めてダメ押しの3点目。TEPCOが、きっちりと目標の勝ち点3を手にした。



 TEPCOは木村監督が立てた後半勝負のゲームプランが嵌った。この暑さの中で普通に立ち上がっていれば、捨て身で来る宝塚得意の泥試合に巻き込まれる可能性もあった。そして後半に残していたガソリンが有用されたのも「内容的には今ひとつでしたけれども、相手を0点に抑えてくれた」(木村監督)という前半があったからこそ。相手の時間帯をのらりくらりと凌げる経験豊富なDF陣が、勝利を引き寄せた。それでも選手の口から出てくるのは、前半の内容に対する反省の言葉ばかり。さらに上を目指して、次節は岡山湯郷Belleの挑戦を受ける。


ホーム、アウェーの区別なく、会場に足を運ぶTEPCOのファン。
 なかなか片目を開けられない宝塚。前半は相手が控え目な立ち上がりだったこともあって、シュート数でも6対3と上回っていた。TEPCOの忠実なディフェンスがあったとはいえ、6回あったシュートチャンスで、もう少しゴールを脅かすものが欲しかった。ひとつ勝てばチームのモチベーションを含めて劇的な変化があると考えられる。次節7月2日(土)に長居第2陸上競技場で行なわれるスペランツァF.C.高槻とのゲームは「Do or die」の大一番。今シーズンの全てを賭けるつもりで戦って欲しい。


(宝塚バニーズレディースSC)
GK: 上野友紀子
DF: 近藤朋香、小林恵、田中真由美、清原万里江
MF: 重松真由美、伊丹絵美、清原祐子(76分/上田早紀子)、三浦香子
FW: 柏原慶子(89分/矢田貝実希子)、今枝梢
(東京電力女子サッカー部マリーゼ)
GK: 増田亜矢子
DF: 青木知里、大部由美、宇野涼子、中村真実
MF: 北郷裕子、五十嵐章恵(84分/遠原志穂美)、本間真喜子(77分/遠原志穂美)、早坂優
FW: 佐藤春詠(58分/森田牧子)、丸山桂里奈
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