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 頑張れ!女子サッカー 05/07/21 (木) <前へ次へindexへ>
宝塚、今シーズン初勝利はアウェー・津山の地。

 宝塚、待ちに待った今期初勝利。L1残留へ望みをつなぐ。
 2005L1 第14節 岡山湯郷Belle vs. 宝塚バニーズレディースSC

 取材・文/西森彰
2005年7月17日(日)13:00キックオフ 岡山県津山陸上競技場 観衆:917人 天候:晴
試合結果/岡山湯郷Belle1−2宝塚バニーズレディースSC(前0−0、後1−2)
得点経過/[宝塚]清原万(50分)、三浦(79分)、[岡山湯郷]宮間(83分)


 岡山湯郷Belleは東京電力女子サッカー部マリーゼ、浦和レッズレディースに0−1の惜敗。善戦はするものの、どうしてもあと一歩が足りない。上位の壁を越えるために厳しいトレーニングを課した代償か、この中間はコンディションを崩す選手が続出した。右サイドバックの安田邦子は腰に疲労が蓄積し、左サイドバックの佐藤シェンネンも中間に発熱し、前日練習もどうにか参加した状態。

 結局、最終ラインは右から赤井歩、藤井奈々、山崎由加、城地泰子。「(DFラインは)サブの選手の底上げも必要だと考えました。それと、この試合は宮間あやを経由しない攻撃にチャレンジしようと考えていたので、足元できっちりとつなげる選手を起用しました」(本田監督)。ボランチから前はレギュラーをそのままピッチに送り、ここ数試合試している4−2−3−1で臨んだ。

 一方の宝塚バニーズレディースSCはここまで13連敗。試合内容では僅差でも、最終的には黒星だけが残される。そんなネガティブなサイクルから抜け出すことができない。島田素英監督は「内容が良くても勝ち点が無かったんで、今日は『勝ち点を絶対に取る』と。とにかく先に点を取ることに拘っていきました」。こちらは中盤をボックスに組んだ4−4−2。



典型的な夏日。ベンチの日よけはパラソル2つ。
岡山湯郷の選手たちへ、多くのメッセージが寄せられた。
 太陽がギラギラと存在感を誇示し、サッカーをするには少々酷な天候。気象条件を考え「省エネサッカーをしよう」と本田監督に指示された岡山湯郷を、「絶対に先手を取る」という宝塚の出足が上回る。小林恵、田中真由美の両センターバックが極端に高くラインを敷き、前線の選手を前に向かせる。「相手が蹴ってくるタイミングは分かっていたので、裏のスペースに関しては心配していなかった」と島田監督。

 そして「向こうが1トップ気味だったので『両サイドバックは攻撃』ということで、練習からやってきていた」(島田監督)宝塚は、近藤朋香、清原万里江が大外からえぐり、好機を生み出す。岡山湯郷としては中田麻衣子、加戸由佳の俊足サイドハーフに「差し合い」に持ち込んで欲しいのだが、宝塚の守備は常に前後から2枚がかりで挟み撃ち、決して自由を与えない。

 岡山湯郷の決定機は、赤井のFKが伸びてゴールバーを直撃したものと、宮間のFKに中田が抜け出し、GKに防がれた2回。宝塚の決定機も、流れの中で攻撃参加したDF小林が飛び出した福元美穂の頭ごしに放ったループシュートと、三浦香子のバーを直撃するシュートの2回。どちらも前半は無得点。しかし、岡山湯郷DF・藤井奈々の奮戦がなければ、宝塚はとっくに先制していたはずだ。



 ハーフタイムを挟んでも全く流れは変わらない。死に物狂いで戦う宝塚と動きの重い岡山湯郷の差は、ひとつひとつの局地戦で出始めていた。宝塚は後半早々、伊丹絵美、柏原慶子、今枝梢とつないでシュートまで持っていく。一方、岡山湯郷はサイドハーフが素早いプレスに苦しんで前を向けず、頼みの宮間もパスの出しどころを探す間に、ハードチャージで倒される。

 一方的に押す宝塚は50分、ようやく先制点を奪った。清原万が左から入れたクロスボールが風に乗って、GK・福元の頭上を越え、クロスバーに当たってネットを揺らしたのだ。「前を向いてプレーしていればああいうことも起きる」。島田監督が言うように、形としてはラッキーなものだったが、必然に近いゴールにも思えた。

 1点をリードされた岡山湯郷の本田監督は選手交代で流れを変えようとする。60分、田中静に代えて鎌田友里を左サイドに入れて、加戸をトップに移動。69分、左サイドバックを城地から佐藤シェンネン、78分、トップを加戸から江口なおみに代える。「それまで通りのやり方で点が取れると思っていた」と本田監督。しかし、動きが極端に悪かったこの日のチームを見ていると、別のやり方により大きな可能性があったように思える。

 後ろを1枚削って田中静と江口を並べた3−5−2でDFを中央に引き付け、宮間とサイドハーフを楽にしてやるか。それまで通りの形を維持するなら、この日はほとんど良いところが無かった加戸を代えるか。勝ち慣れていない宝塚にして見れば、自陣深くで紛れを生じるパワープレーが一番嫌だったはず。長身の田中静、城地をベンチに下げたことで、そのターゲットが少なくなってしまった。

 結局、岡山湯郷が3枚のカードを切った直後に、カウンターから三浦香子が加点し、勝負あり。宝塚は終盤に退場者を出したものの、岡山湯郷の反撃を宮間のFK1点に抑えて逃げ切り、嬉しい今シーズン初勝利を挙げた。



ゴールに迫る今枝梢。宝塚は90分間、前を向き続けた。
 敗れた岡山湯郷は試験的な戦いが全て裏目に出た。格上チームに対する連戦連敗が、選手のメンタル、フィジカルを消耗させている。チームに自信を取り戻すためにも、このゲームは結果最優先の戦いを見たかった。監督、主力選手が代表で抜けるのは一般的にはデメリット。だが、今のチーム状態を考えれば、全員が頭を冷やしてリフレッシュできるメリットの方が大きいかもしれない。

 勝った宝塚は島田監督以下「絶対に勝つ」という気迫が最後まで衰えず、勝ち切った。苦しい時間帯にも上下動をサボらなかった清原万、近藤の両サイドバックをはじめ、集中した戦いぶりを見せるイレブン(最後は10人になったが)。そして彼女たちを信じ、酷暑の中、メンバー交代でバランスを崩すリスクを避ける島田監督の我慢が実った。

「『やっと』ですね」

 指揮官はホッとした表情を見せた。宝塚にとっては本当に大きな一勝だった。これまでも「勝てそうなのに、勝っていなかったから、勝てなかったゲーム」が幾つかあった。第3クールからは勝利を頭にイメージしながら戦える。それが大きい。この日、スペランツァF.C.高槻が浦和レッズレディースに破れ、宝塚は再び自力で残留の目が出てきた。来年からは京都への移転が内定している宝塚。引越しの荷物の中に、もう幾つかの白星を積み込みたい。



(岡山湯郷Belle) (宝塚バニーズレディースSC)
GK: 福元美穂 GK: 上野友紀子
DF: 赤井歩、藤井奈々、山崎由加、城地泰子(69分/佐藤シェンネン) DF: 近藤朋香、小林恵、田中真由美、清原万里江
MF: 福原理恵、北岡幸子、中田麻衣子、宮間あや、加戸由佳(78分/江口なおみ) MF: 重松真由美(82分/退場)、清原祐子、伊丹絵美、三浦香子
FW: 田中静佳(60分/鎌田友理) FW: 柏原慶子、今枝梢
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