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 頑張れ!女子サッカー 05/08/07 (日) <前へ次へindexへ>

 自分のスタイルを忘れた日本、無得点で韓国を後にする。
 東アジア女子サッカー大会2005 なでしこジャパン(日本女子代表)vs.韓国女子代表

 文/西森彰
2005年8月6日(土)19:30キックオフ 韓国・大邱ワールドカップスタジアム
試合結果/日本女子代表0−0韓国女子代表(前0−0、後0−0)


 最後の数分間は北朝鮮戦、そして中国戦のリプレイを見ているようだった。もう、ゴールの前に立つことしかできない相手を攻めきることができない。真夏の短期トーナメントでインターバルが1日少なかったこともあって、韓国女子代表は前半から肩で息するような状態だった。それでもなでしこジャパンの選手たちは得点を挙げることができなかった。試合終了を告げる冷たい笛が鳴った。



 本来、この韓国との最終戦は圧倒的に有利な条件だったはずだ。2日前に試合をしている韓国に対し、日本女子代表は中2日。今シーズンからL1リーグ所属チームのほとんど(つまりなでしこジャパンの所属チームのほとんど)がフィジカルトレーニングに力を入れており、リーグ戦でもその傾向は顕著に出ている。いくらなんでもこの日のシチュエーションの下なら、日本が走り負ける可能性は万にひとつも無い。

 日本女子代表にはふたつの選択肢があった。川上直子のように走力がしっかりしている選手を起用して「駆けっこ」から消耗戦に持ち込み、最後にフレッシュな選手で止めを刺すか。それとも宇津木瑠美のように足元の技術で勝負する選手を入れて、相手の緩いプレスを前提に自分たち本来のポゼッションサッカーに立ち戻るか。今大会で起用されているメンバーが揃ったのを見た瞬間、当然、後者を選択したのだと思った。

 韓国のデキが悪かったこともあり、日本は序盤から主導権が握った。イニシアチブを握っている以上、試合のペースも日本が作れる。その利点を最大限、活用すれば良かった。だが、ボールを奪うととにかく前に蹴るワンパターン。楔のボールを入れること自体は悪いことではない。しかし、後ろに重心をかけた韓国は、バイタルエリアにDFの枚数を増やしている。そこで相手を背負っているFWへ長いボールを入れても、フォローが来る前にボールを奪われるのは当然だ。

 本来、バランス良い配球が得意な酒井與惠、柳田美幸だが、彼女たちも気持ちが前に出るあまり、左右に滑らせる横パスが少ない。遅攻を織り交ぜ、ボールを動かしながら穴を探れるチームなのに、ゴールへの渇望感から前へ急いでしまう。そしてトップスピードでボールを扱おうとして、パスがぶれ、トラップが乱れる。前半を無得点で終えたあたりで、暗い結末は予想できた。

 結局、この試合もスコアレスドローに終わり、0勝1敗2分け。得点0、失点1。新設タイトルはこれまでノンタイトル仲間だった韓国女子代表の手に渡った。



 勝負に「タラ・レバ」は禁物だが、初戦に勝っていれば全てが変わったような気がする。蝶のように舞い、蜂のように刺す。そんなアウトレンジサッカーができなかったのは、全て、最初の敗戦が原因である。後先考えない北朝鮮に死に物狂いで来られて後手後手に回り、その結果、ポゼッションを保ちながら自分たちのサッカーを忘れてしまった。

 そして、北朝鮮戦を落としたことで「勝たなければならない」、中国戦でスコアレスドローに終わって「得点しなければいけない」。試合をやる毎に自分たちで自分たちにプレッシャーをかけて、攻め急ぐ要素を増やしていってしまった。日テレ・ベレーザのポゼッションサッカーを志向していたチームが、この大会に入ってからはTASAKIペルーレFCの縦に速いサッカーに変わってしまっていた。

 大橋浩司監督に、本気でタイトルを狙うつもりがあったのなら、この流れにあわせた選手起用をしたはず。だが「ワールドカップ、オリンピックに向けてラージグループを作ることを最優先させる」当初方針を貫いた。「メタメタにされるかも知れないけれども、それでも自分たちのサッカーでチャレンジしたい」。大会前にそう語っていた大橋監督としては、勝敗うんぬんよりもそれが悔しかったことだろう。



 現時点での最強メンバーではなく、経験を積ませる意味も含めた選手起用をしての未勝利無得点は、ファンから不満の声が出るのは当然。この意識差は立場の違いから生じるもので、仕方がない。結果は出なかったが上積みもある。貴重なレフティの宇津木瑠美に戦力としてのメドが立ち、その他の若手も公式戦の厳しいプレッシャーを経験できた。そしてチーム全体が現在のアジアの力関係を認識できた。

 上田栄治前なでしこジャパン監督も公式戦初采配の極東4カ国対抗戦では1分け2敗に終わっている。これから理想と現実の狭間に折り合いをつけて、来年以降のトーナメントを戦っていてほしい。頑張れ、大橋ジャパン!


(日本女子代表) (韓国女子代表)
GK: 山郷のぞみ GK: キム・ミジョン
DF: 矢野喬子、磯崎浩美、下小鶴綾 DF: キム・ギュルシル、ユ・ヨンシル、ホン・ギョンソク
MF: 酒井與惠、柳田美幸、安藤梢(69分/宮間あや)、澤穂希、宇津木瑠美 MF: シン・ソンナム、ジン・ソクヒ、イ・チウン(78分/イ・ジンハ)、ハン・ジンスク、ソン・ジョヒ(56分/パク・ウンソン)
FW: 大谷未央(78分/丸山桂里奈)、永里優季(54分/大野忍) FW: チャ・ユンヒ、ハン・スンイ(38分/ジョン・ジョンソク)
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