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 頑張れ!女子サッカー 05/09/15 (木) <前へ次へindexへ>
左サイドから鋭い突破を見せた相澤(9)。貴重な同点ゴールを挙げる

 ぶつかり合った若いチーム。大阪女子代表が銅メダルを獲得
 第60回国民体育大会(晴れの国岡山国体) 成年女子サッカー3位決定戦

 取材・文/西森彰
2005年9月12日(月)10:00キックオフ 岡山県陸上競技場(桃太郎スタジアム) 観衆:300人 天候:晴
試合結果/大阪府成年女子代表2−1鹿児島県成年女子代表(前半0−1、後半2−0)
得点経過/[鹿児島]有吉(18分)、[大阪]相澤(41分)、松田(46分)


「高校生が活躍していますね。これは男子だけじゃなくって、女子にも成年代表だけでなく、その下のカテゴリーを作らなくちゃいけませんね」

 桃太郎スタジアムのスタンドへ視察に来ていた田口禎則・前さいたまレイナスFC監督が言った。今大会から出場枠を拡大されたU-18世代の活躍。3位決定戦に顔を見せた両チームは、今大会の象徴的存在である。

 庭田亜樹子は大阪府成年女子代表について「若いチームだから、プレーしている私たちもやってみるまで分かりません。凄く良い時もあれば、初戦のように凄く悪い時もある。そんなチームです」と解説する。お互いの距離を意識した4−4−2でピッチに散らばり、相手ペースの中でも決してバランスを崩さない。そしてボールサイドで複数の選手が連動性を持った動きで、相手ボールに襲い掛かる。極めて日本的なチームだ。

 対する鹿児島県成年女子代表も5人の高校生を中心とした若いチーム。約束事を守り切るチームカラーで、主に守備的ポジションからL・リーガーを送り出している鳳凰高校。そして、チーム内の激しい競争から「カミムラのレギュラーになるのは、全国大会に出るよりも難しい」と他校生から言われる神村学園高校。鹿児島が誇る強豪2校と、そのOGが中心になっている。こちらも高いラインを保ち、1チャンスをモノにするアタッカーを活かして勝ち上がってきた。



決勝ゴールをたたき出した松田望(ゼッケン6)
 大阪も鹿児島も、4連戦の最終日にも関わらず、キックオフからコンパクトな陣形を作って、激しいプレスをかけるスタイルを貫いた。ハーフウェーラインをまたいで20〜30mの中に20人のフィールドプレーヤーが押し込められる。キック力の差こそあれ、J1かと思うようほど最終ラインからFWまでの距離が近い。双方ともにスピードのあるFWがゴールを窺い、一瞬たりとも気を抜けない展開。そんな緊迫状態が続いたが、18分に均衡が破られた。

「あそこはウチのU-18ホットラインです」と、鹿児島の嶋田正照コーチが胸を張るふたり、井手上麻子と有吉佐織がこの日も魅せた。井手上が左サイドで強い楔のボールを入れると、これを胸でトラップした有吉がターンしてゴールを向くと左足を一閃。ファーストタッチからシュートまで完璧にボールをコントロールして大阪のゴールネットを揺らした。

 失点の5分前に島村裕子のシュートがバーを直撃し、失点の5分後にも相澤舞衣のシュートが再びバーに防がれていた大阪。ここまではツキも鹿児島に味方しているように見えた。しかし、大阪はハーフタイムを挟んで巻き返す。

「本当に細かいところですけれども、修正点ははっきりしていました。パスが少しズレて相手にペースを渡していたんです。そこで『しっかりとコミュニケーションをとってパスをつなごう。ボールを大事にしよう』と声をかけました。(前半とは)逆に走らせるようなプレーができて、相手が消耗したんだと思います。うまい具合に点が入って、また勢いが出た」(大阪・松島芳久監督)

 プレス合戦を繰り広げてきた両チームにもさすがに疲れが見えてきた。「お互いにコンパクトなエリアで戦っていたので、どちらもボールを失って…。こちらもキツかったけれど、向こうも相当キツかったはずです」とは、その狭いゾーンの中央でプレーさせられていた庭田。ゴールを奪わなければいけない大阪の闘志が、逃げ切りがちらついた鹿児島よりも最後の一歩で勝る。追うものの強みだろう。

 大阪は島村と上辻佑美を中心に押し始める。鹿児島は島村、上辻の2トップを取り囲み、ボールを回さないように複数の選手でマークに行った。しかし、FWに引っ張られることによって、2列目のマークが散漫になった。フリーになった相澤舞衣、松田望のシュート力がここで活きた。バイタルエリアからのシュートが、絶妙のコースに飛ぶ。大阪は、見事、逆転に成功した。



悔しい敗戦も手応えのある国体を過ごした鹿児島女子代表
平均19.2歳のチームは銅メダルを獲得
「4連戦でさすがに多少疲れてきた部分もありましたし、相手のFWが強力だったこともあって、少し押されました。最終ラインを含めた守備を、最後まできちんと組織できなかった」と鹿児島を率いた嶋田コーチは悔やんだ。鳳凰では、しっかりとした守備組織を作り上げる嶋田コーチとしては、例え選抜チームであってもさらに高いレベルを求めてしまうのだろう。

 今回の好成績を踏まえて「鳳凰、神村学園の戦術をベースに、グリュック鹿児島等の社会人チームが連携して本格的に頂点を目指そう」という声も出ているそうだ。どうしても練習量が限られてしまう社会人チームの練習環境が改善されれば、メダルに手が届く日が来るかもしれない。

 勝った大阪の松島監督は「このチームが4月に立ち上がって以来、練習試合も含めてほとんど負けたことがありませんでした。ひょっとしたら昨日が初めての敗戦だったかも。だから、昨日の晩はいろいろなものが出てきました。そんな中、選手たちが自分たちで集まって話し合って、良く一晩で修正してくれたと思います」と15人の選手を讃えた。

 長期間の合宿なども行なえず、1週間に1度集まってチームの方向性を確かめあうだけ。それでも、彼女たちは持ち前のサッカーセンスで彼我の呼吸をあわせ、キャプテン・河上恵実子の明るさにも引っ張られて一つにまとまった。そしてL・リーグのリーディングチーム相手の敗戦にも悔しさを感じるようなチームにまで育った。

「今日の結果はスペランツァ(スペランツァF.C.高槻)やヴィトーリア(FCヴィトーリア)だけでなく、大阪のサッカー界全ての努力が実を結んだもの。そういう意味では素直に嬉しいです」

 福永亜紀・高槻前監督の言葉が示すとおり、平均年齢19.2歳のチームが勝ち取った銅メダルは「大阪の勝利」の象徴だろう。



(大阪府女子代表)
GK: 海堀あゆみ
DF: 井上新菜(29分/長船加奈)、河上恵実子、山本亜里奈、松下亜紀
MF: 庭田亜樹子、阪口夢穂、松田望、相澤舞衣
FW: 島村裕子、上辻佑実

(鹿児島県成年女子代表)
GK: 佐藤富士
DF: 古城里香、磯金みどり、森田貴子、加治屋草織
MF: 三輪由衣、筏井りさ、西田由美、井手上麻子
FW: 松下春子(66分/中村あき)、有吉佐織
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