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 頑張れ!女子サッカー 05/09/16 (金) <前へ次へindexへ>
決勝戦は予想通り、女子サッカー界の2強の対戦となった

 勝つためにやって来た東京。最大のライバルを下して国体女王に
 第60回国民体育大会(晴れの国岡山国体) 成年女子サッカー決勝戦 東京都成年女子代表vs.兵庫県成年女子代表

 取材・文/西森彰
2005年9月12日(月)11:50キックオフ 岡山県陸上競技場(桃太郎スタジアム) 観衆:200人 天候:晴
試合結果/東京都成年女子代表1−0兵庫県成年女子代表(前半0−0、後半1−0)
得点経過/[東京]荒川(52分)


 平日の昼間ということもあって、決勝戦を迎える桃太郎スタジアムの観客数は、少し寂しい200人。その前に姿を現したのは、ここに残るべくして残ってきた2チームだった。

 白地のユニフォーム・東京都成年女子代表は、初戦で新潟県成年女子代表に苦戦したものの、準々決勝の北海道成年女子代表戦、準決勝の大阪府成年女子代表戦は危なげなく完封で勝ちあがってきた。「このメンバーで決勝戦に臨むことを想定しながら、逆算して大会を戦ってきました」(日テレ・ベレーザ・松田岳夫監督)。指揮官が最も信頼を置く11人がピッチに散っていった。

 青地のユニフォーム・兵庫県成年女子代表は、初戦で長野県成年女子代表を5対0と一蹴。準々決勝の三重県成年女子代表戦、準決勝の鹿児島県成年女子代表戦と3試合続けての完封勝ち。今大会、ここまで210分間、無失点を続けている。やや心配なのは、準々決勝という早い段階で強豪・三重と当てられた組み合わせの綾。その影響あって、準決勝でも勝負を決めるまでに時間を要し、主力の疲労が気になる。



ゴールに近いところで東京にFKを与えたところで勝負が決まった
 女子サッカー界三冠タイトルの一冠目をかけた決勝戦は、11時50分、定刻にキックオフした。まず、攻勢に出たのは東京。セットプレーから近賀ゆかりのキックでゴールに迫り、永里優季も積極的にミドルシュートを放っていく。前半の半ばを過ぎると兵庫も反撃。大谷未央が東京ゴールに襲い掛かるが、なかなかゴールを陥れるまでには至らない。

 兵庫にとって惜しまれたのは32分のプレー。縦に入ったボールに対する駆けっこで、東京DFを振り切った大谷が、中央の山本絵美にマイナスのボールを折り返す。完全にフリーだった山本だが、千載一遇のチャンスに力が入ったのだろうか。シュートは、東京GK・小野寺志保の真正面に飛んでしまう。兵庫の先制チャンスは失われた。前半はスコアレスドローで折り返した。

 勝負を分けるゴールが生まれたのは52分だった。今大会好調だった甲斐潤子が、エンドライン付近のボールをマイボールにしようとスクリーンプレーを行なったところ、東京FWの激しいチェイスにボールを失い、ファールを犯してしまう。「たぶん、甲斐自身の判断だけじゃなくって、周りの選手も『キープ!』って声をかけたんだと思います。ただ、相手が東京であることを考えたら、簡単に蹴って外に逃げておけば良い場面でした」(兵庫・磯崎浩美)。

 ペナルティエリア右外からのFK。伊藤香菜子の蹴ったボールに対しニアサイドでひとりが潰れてボールを活かし、その後ろに控えていた荒川恵理子が右足で蹴りこむ。「怪我をしてから、なかなかフルタイム出場ができなかった。今大会でそれができたので、またリーグで頑張りたい。自分のプレーを高いレベルで追及していきたいです」。尻上がりに調子を上げてきたエースは、自身の大会6得点目、そして今大会の最後を飾るゴールを奪った。

 先に失点した兵庫もこれを取り返すべく最後まで戦ったが、65分に甲斐が2枚のイエローカードを貰って退場。終盤に得たFKの場面では、ゴールを直接狙える右利きの山本絵美が交代でベンチに下がっているなど、流れが悪いほうへ悪いほうへ向かう。さらに、ここが勝負どころと感じた東京の激しいチェイシングに追い回され、反撃の糸口が見つからないまま、試合終了の笛を聞いた。



悔しい兵庫(TASAKI)は、なでしこリーグでの雪辱を誓う
女子三冠の権利を手に入れた東京(日テレ)。その強さはゆるぎない
 試合後、TASAKIペルーレFCの仲井昇監督は「本当に情けないです」と頬を紅潮させながら、ポツリポツリと試合を振り返り始めた。「崩されていないのに、自分たちのミスで相手にチャンスを与えて、そこからゴールを奪われた。そのやられ方が情けないです」。そして「あそこは甲斐の若さが出た。でも、今大会ずっと調子が良かったし、最後の退場もちょっと厳しい判定でしたし」とベンチに向かう途中から涙にくれていたDFを庇った。

 サッカーのような団体競技の敗因がたったひとりに背負わされることはない。大会前から負傷を抱えていた鈴木智子は、この日、いつもの運動量が影を潜めた。そこまで状態を悪化させた理由のひとつは、前日の鹿児島戦でフルタイム出場せざるを得ない状況になっていたから。そしてそのゲームで値千金となる鈴木の先制点を演出していたのは、左サイドから入れた甲斐のクロスである。「これも勉強ですね」とは磯崎。この悔しさを忘れないでさらなる成長を期待したい。

 優勝した東京は大会を通じて尻上がりに調子を上げていった。こうして優勝を勝ち取った後に振り返ると大橋浩司なでしこジャパン監督が「初戦はこれくらい苦しんで勝つほうが良いんですよ」と笑っていた新潟戦が、いろいろな意味で大きかったと思う。最悪の状況からスタートしたチームは、スタッフと選手が話し合いながらひとつひとつ問題を修正してタイトルに辿り着いた。「三冠ということを言っていましたし、最初にひとつ大きなところが取れて選手たちも自信になったと思います」(日テレ・松田監督)。

「勝つために岡山へ来ました」と言っていた酒井與惠も笑顔を見せた。「今日は兵庫戦ということで気持ちが入りましたし、相手がやってくることも分かっていたんで、試合には入りやすかったです。『もう、これで最後だ』という感じで走りきれました」。そして一呼吸置いて「リーグ戦が最大の目標ですから、あと一回り大事に戦います」。女王の視線は2週間後に始まるリーグ戦に移っていた。

 この国体を制し、今シーズンの三冠に挑める唯一無二の挑戦者となった。リーグ戦に戻れば澤穂希、川上直子ら、レギュレーション上、今大会には参加できなかった選手たちも帰ってくる。東京都成年女子代表から、日テレ・ベレーザに戻り、さらにパワーアップする彼女たちを止められるのは、今日涙を呑んだTASAKIペルーレFCか、それとも…。








(東京都女子代表) (兵庫県成年女子代表)
GK: 小野寺志保 GK: 秋山智美
DF: 中地舞、岩清水梓、四方菜穂、宇津木瑠美 DF: 磯崎浩美、下小鶴綾、甲斐潤子
MF: 酒井與惠、伊藤香菜子、近賀ゆかり MF: 土橋優貴(60分/中岡麻衣子)、新甫まどか、柳田美幸、佐野弘子、山本絵美(66分/大石沙弥香)
FW: 大野忍、荒川恵理子、永里優季 FW: 大谷未央、鈴木智子
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