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 頑張れ!女子サッカー 05/11/15 (火) <前へ次へindexへ>
なでしこジャパンのプレーに熱い視線を送る子供たち。

 大橋ジャパン、今年を締めくくる11月合宿。
 日本女子大表合宿レポート 〜その1

 取材・文/西森彰
 2005年の最大目標だった東アジア女子サッカー大会では、無得点の1敗2分と結果を残せなかったなでしこジャパン。

「ハイプレッシャーの中でいかに戦えるか」をキーワードに掲げる大橋浩司監督は「ああいう状況の中で戦うには、技術や体力だけでなく人間性なんかも含めた選手としての総合力が問われる。リーグや合宿で良いプレーを見せていても、国際試合で通用するかどうかは実際にやってみないと分からない部分もありますね」と振り返る。

 大陸のライバルたちの強さだけでなく、自分たちの戦力も再確認できた。満足すべき結果ではなかったが、それでも無駄ではなかった。その苦い良薬を来年の女子ワールドカップ予選で生かすため、11月9日から今年最後の合宿が行なわれた。



 アクセスの問題はさて置き、施設の充実度では日本トップクラスのJ・ヴィレッジ。その室内練習場で大橋浩司監督が選手のプレーに目を光らせていた。ミスが出る度に「そんなことで世界に通用するのか?」「そのひとつが命取りになるんだ!」と大きな声で叱責する。圧迫面接にも似た厳しい姿勢は、ハイプレッシャーの中で戦える個の選別作業でもあるが、洗礼を受けるニューフェイスには最初の大きな壁だ。

 今回の合宿では大学サッカー界から、神奈川大学の矢野喬子の他に、武蔵丘短期大学の柴田里美が初選出された。ユニバーシアードの銅メダルを賭けたフランス戦に出場しているとは言っても、なでしこでは一新入生。緊張からか、フォーメーション練習でミスを重ね、その度に指揮官の雷が落ちる。澤穂希は「消極的で緊張している部分もある。まだ彼女自身の良いところを出せてないと思うので、これからそれを私たちに見せてほしい」と新戦力を気遣う。

 もちろん、厳しい指導は大きな期待の裏返しでもある。「やっぱりL・リーグで戦った経験もないので、厳しい状況に持っていかれると慌ててしまう。それでもセンスはあるし、ここまで3日間やってきて(取材日は合宿3日目の土曜日)だいぶ良くなってきた」と大橋監督も、日進月歩を認めている。メンバーの変動が激しかったDFでレギュラーを確たるものにしているのは磯崎浩美くらい。下小鶴綾、矢野喬子のふたりに四方菜穂、中岡麻衣子、そして柴田が追っている。



 中盤ではTASAKIペルーレFCの佐野弘子も、肉離れで辞退したチームメイトの山本絵美に代わって初召集を受けた。彼女も大橋監督が一度試してみたいと思っていた選手のひとり。高い守備意識から、攻撃は前の選手に任せる傾向が強かったが、昨年あたりから積極性が伴ってきた。「男子でも女子でも、攻撃と守備を兼用できるサイドの選手は少ないんです。佐野はバランス良く両方ができる貴重な存在です」と、こちらも大橋監督の評価も高い。

 リーグ優勝した日テレ・ベレーザからは柴田と同じユニバー組の近賀ゆかりが参加。日テレからは僚友の伊藤香菜子も選ばれた。彼女たちが自分の体をねじ込もうとしているのはなでしこジャパンのミッドフィールド。最激戦区で受けて立つのは澤、酒井與惠、柳田美幸のトライアングル。代表のコアプレーヤーたちは、大橋監督が課すタスクを安定したプレーでこなし、存在感を誇示していた。

 安藤梢、宮間あやは本来のトップ下よりも、澤の脇を固めるサイドハーフでの起用が多かった。この合宿では起用法に柔軟性を持たせるべく、さらに新たなポジションでのプレーを求められている。一番驚かされたのが安藤を4バック時の右サイドで使うというやり方。川上直子、山岸靖代、豊田奈夕葉らが試されてきたポジションだが、今回の合宿では3人とも不在。DF面が未知数だが、面白いオプションではある。

 宮間は前回同様ボランチの位置で試されている。「呼ばれたことすらびっくりしました。リーグでも結果を残していないし、自分が一番危ないところにいるのはわかっています。どこであれ使ってもらえるように頑張ります」(宮間)。幸か不幸か、所属チームの岡山湯郷Belleではハードマークから低いポジションでのプレーが増えており、それほど違和感はなさそう。スペースを作る動きとトリッキーなパスでアピールしていた。

 FWは永里優季に代わって荒川恵理子が復帰。これにリーグ得点王の大谷未央、次点の大野忍に、新人王の最有力候補・丸山桂里奈の4人が凌ぎをけずる。GKは山郷のぞみに、若い秋山智美と福元美穂がチャレンジ。それぞれ熱い競争を繰り広げている。



 約3時間のフォーメーションを主体とした午前練習が終わった時点で、大橋監督は「この3日間で相当良くなりましたよ。選手たちも相当手ごたえを感じているんじゃないですか? 後で選手たちに訊いてみてくださいよ(笑)」と自信を見せていた。そして午後に行なわれた男子高校生との練習試合で、その手応えが間違いではないことが証明される。


【スタッフ】
 氏名  所属
監 督  大橋 浩司  (財)日本サッカー協会ナショナルコーチングスタッフ
コーチ  未 定
GKコーチ  澤村 公康  浦和レッズ

【選手】
ポジ  氏名  NAME  生年月日  身長/体重  所属チーム
GK  山郷 のぞみ  YAMAGO Nozomi  1975.01.16  164/60  浦和レッズ・レディース
 秋山 智美  AKIYAMA Tomomi  1983.02.19  164/63  TASAKIペルーレFC
 福元 美穂  FUKUMOTO Miho  1983.10.02  164/65  岡山湯郷Belle
DF  磯崎 浩美  ISOZAKI Hiromi  1975.12.22  163/52  TASAKIペルーレFC
 四方 菜穂  SHIKATA Nao  1979.11.05  169/59  日テレ・ベレーザ
 柴田 里美  SHIBATA Satomi  1985.07.09  163/52  武蔵丘短期大学
 下小鶴 綾  SHIMOKOZURU Aya  1982.06.07  167/53  TASAKIペルーレFC
 矢野 喬子  YANO Kyouko  1984.06.03  164/55  神奈川大学
 中岡 麻衣子  NAKAOKA Maiko  1985.02.15  164/58  TASAKIペルーレFC
MF  酒井 與惠  SAKAI Tomoe  1978.05.27  158/48  日テレ・ベレーザ
 山本 絵美  YAMAMOTO Emi  1982.03.09  158/53  TASAKIペルーレFC
 澤 穂希  SAWA Homare  1978.09.06  163/57  日テレ・ベレーザ
 柳田 美幸  YANAGITA Miyuki  1981.04.11  158/54  TASAKIペルーレFC
 安藤 梢  ANDO Kozue  1982.07.09  164/55  浦和レッズ・レディース
 伊藤 香菜子  ITO Kanako  1983.07.20  160/51  日テレ・ベレーザ
 宮間 あや  MIYAMA Aya  1985.01.28  157/49  岡山湯郷Belle
 近賀 ゆかり  KINGA Yukari  1984.05.02  161/53  日テレ・ベレーザ
FW  大谷 未央  OTANI Mio  1979.05.05  160/49  TASAKIペルーレFC
 荒川 恵理子  ARAKAWA Eriko  1979.10.30  166/55  日テレ・ベレーザ
 丸山 桂里奈  MARUYAMA Karina  1983.03.26  163/54  TEPCO マリーゼ
 大野 忍  OHNO Shinobu  1984.01.23  154/50  日テレ・ベレーザ
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