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勝点2差
2005Jリーグ ディビジョン1 第7節 東京V1969vs.アルビレックス新潟


文/石毛大介

 アルビJ1一年目の去年、ジェフとの1戦を国立で迎えたのがアルビ最初の国立決戦。残念ながら2−1の惜敗。またイレギュラーではありますが新潟中越地震の影響で、ビッグスワン開催の試合をここで開催しましたが、3−0の完敗。そして今日3度目の聖地国立にアルビイレブンがピッチに立ちます。相手は東京ヴェルディ。しかも今年の元旦に天皇杯チャンピオンに輝きました。聖地国立に乗り込んで戦うには、これ以上ない相手です。

 スタジアムへ向かう道中、「中盤での構成力は明らかにヴィルディが上。どちらかというとマンマークディフェンスに近いアルビだから、中盤は翻弄されてしまうだろうな・・・。しかも最前線にはメガトン級のワシントン。1対1では必ず負けると思っていいだろうから、極力1対1の場面を作らせない。中盤においても細かいパス回しでボールウォッチャーになってしまい、気が付いたらゴールPA付近まで運ばれ、ディフェンスの人数はいるのに防ぎきれない、なんてことも十分ありえるし・・・」とネガティブ思考に陥っていました。

 しかしスタジアムへ入ると、ホームのヴェルディより多いゴール裏のオレンジ。去年のジェフ戦の半分くらいの総入場者数でしたが、ホームチームを上回るゴール裏の人数は、プレーする者だけではなく、観ている私たちにも熱い鼓動が伝わってきます。ネガティブな思考に陥っていた気持ちを晴れやかにしてくれた、オレンジのゴール裏の熱い鼓動に感謝しながら聞くキックオフのホイッスルでした。


 それにしてもヴェルディのパス回しは素晴らしい。逸品の一言。中盤での細かいパスワーク、広い展開のパスワークなどを織り交ぜながらアルビゴールへ迫ります。しかしアルビも負けてはいません。「中盤のエリアで数的同数を作らないことを守備における『最優先』としました」と試合後の反町監督。その言葉どおり、マンマークに近い守備網でヴェルディを迎撃し中盤でアグレッシブな展開が繰りひろげました。ヴェルディのパスワークが織り成す華麗なビルドアップ。その展開を何とか阻止しようと踏ん張るアルビ。何度か翻弄されてしまいヴェルディがアルビゴールに迫る場面もありますが、前後半通じてよく防いだと思います。

 ですが個人的にはもう少しもう半歩の球際の強さを見せて欲しかった気がします。インターセプトや球際での強さからのボール奪取も多々見られましたが、もう少し個々人でのアグレッシブプレッシャーがあってもいいんじゃないかな、と。ヴェルディの細かいパス回しとワイドな展開の前では確かにリスクは高いでしょう。球離れが早いですからネ。だからこそボールのない選手に対してのチェックを十二分に注意を払い、ボールの選手に対してアグレッシブプレッシャーを与え、そうすれば簡単にボールを捌けないでしょうから、ボールが出たとこを奪取。そして前線のエジなりファビ、慎吾への速攻の起点となる・・・ なんてことを考えながら観てました。


 まず先制したのはヴェルディ。決めたのはワシントン。平野の左サイドからのクロスにワシントンの正確無比のトラップ。そしてシュートが決まります。トラップの時点で勝負アリかと。丸山と健太郎の間に入ったワシントン。うーん・・・ワシントンのテクも素晴らしいし、それを信じて出したであろう平野のクロスも素晴らしかったです。

 眩しかったのか、丸山は目測誤ったのでしょうか? 自分の頭を越えてしまいました。ワシントンの位置は常に把握して、ベッタリマンマークぐらいがちょうど良いと思いますが、ワシントンを離してしまったのが悔やまれます。その後も相馬の鋭いクロスからワシントンのヘッド。野澤のファインセーブで難を逃れます。「あぁ・・・ 今日はワシントンハットトリックか・・・」なんて思ってしまいましたヨ・・・ ちょっとフリーにさせてしまってるな、と。もちろんアルビ守備陣は誰1人としてフリーにさせようなんて思っていないと思いますが、やはりワシントンはその上をいっているということでしょうネ・・・

 ですがアルビも黙ってはいません。慎吾からのスルーパスを、ヴェルディDF陣の裏を優作が走り込み、中央へ折り返しそこにエジが走り込みます。DF2人が詰めに身体を張りますが一瞬早くエジの右足がボールに触れヴェルディゴールへ。前半で待望の同点。聖地国立での同点劇、いや気持ちが良い。


 さあ逆転といきたいところですが、ヴェルディに主導権を握られます。平本とワシントンとのワンツーからのシュートもヒヤヒヤ・・・ 2人のパスワークでアルビ守備陣4、5人が振り回されました。やはりあのパスワークの前にはボールウォッチャーになるのは仕方ないことなのでしょうか・・・ またカウンターになれば、あのパスワーク+スピートで攻め込みますから追うのもキツイでしょう。しかしアルビもディフェンスの裏やディフェンスの前のスペースを利用して反撃します。この様相は前後半通じてみられ、ノーガードの打ち合い、とまではいかなくても似たような展開だったと思います。

 それにしても何度も書いてますが、ヴェルディのパスワークは素晴らしい。ただこれにもっともっと人が動けばスペクタクルなサッカーになるのにな・・・と。テクが普通以上にありますからね。これでボール無しの選手が湧いて出てこられたら、もう止められないでしょう、と観ながら思ったものです。

 そして後半ついに逆転します。右サイド梅山がボールに絡もうとするとワシントンがプレッシャーにきます。競り合いの中ボールが前へこぼれます。ワシントンはそのままですが梅山は諦めず追いかけます。ラインぎりぎりで追いつき、梅山からのクロスに優作が走り込み抜けたところをエジが詰めヴェルディゴールへ。聖地国立での逆転劇。もう気持ちが良いどころか、アルビゴール裏の沸点は簡単に超えました。本当に梅山は素晴らしかった。ヴェルディ陣地奥深くへ転がろうとするボールを最後まで諦めず追う姿。自分の前に転がるボールは全部自分のもの。そんな気迫の表れのようでした。「初聖地国立勝利・・・!?」そんな想いが頭をグルグル回りました。が・・・


 アルビ左サイド、コーナー付近からのスローイン。健太郎が対応します。ヴェルディの選手を背にしながら。しかしそのまま、あれよあれよとアルビPA内へ。慌てて野澤がクリアしますが、不運にもワシントンの元へ。このラッキーボールを確実に仕留めて同点。クリアの際に野澤の足がぶつかり倒れたままの健太郎。数人のDF陣とGKの野澤。彼らも信じられないといった表情ですが、もちろん僕らも信じられませんでした。このシーン、背負った状態の健太郎がクリアなりコーナーに逃れるべきだったのか?それとも野澤が対応するべきなのか?

 見方はいろいろかと思いますが、個人的にはその場に居合わせた全員ではないでしょうか?健太郎や野澤だけではなくDFも何人かいました。ボールがPA内に転がっている際に、もっと早く誰か何かできたはずだと思います。健太郎かもしれないし野澤かもしれないし、他のDFかもしれない。要は厳しい状況だと思いますが、あそこで瞬時に最善の選択をし勇敢なプレーをできなかったことではないかと。ちょっと厳しいですかネ・・・ でも常勝チームには必ずといってそういうプレーが見られるような気がするんです。


 今日の試合は90分通したら明らかにヴェルディに軍配が上がると思います。野澤のファインセーブも多々ありましたからネ。ただ後半に逆転しただけに何とかして勝ちたかった試合でした。いや本当に残念・・・ 聖地国立での初勝利は残念ながらお預け。でもアルビのアグレッシブなプレーには十分堪能できました。

 次回の観戦はGW中のホームでの対川崎戦。今年からJ1でのプレーですが、J1復帰チームですからネ、侮れません。しかも川崎の攻撃力にアルビが跳ね返せるかどうか。またGW中ということで、たくさんの家族連れがスタジアムに足を運んでくれることと思います(僕の好きな光景)。同じくホームでの対清水戦とアウェイの広島戦はちょっと行けませんが、無理を承知で言いますが3タテを期待したいと思います。最低でも3試合で必ず勝点を得ると。では。
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