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紙一重の内容だったが最後には差がついた
2005Ｊリーグ　ディビジョン１　第31節　浦和レッズvs.東京ヴェルディ1969


文／ｓａｔｔｉ

　残り４試合となった今期のＪリーグ。ここに来ると累積警告や怪我人などでメンバーが揃わない。浦和は永井・長谷部を出場停止で欠き、右サイドには今期初先発の岡野、２列目には山田暢が入った。出場停止明けのＧＫ都築・ＭＦ鈴木も元気にスタメンで復帰。フォーメーションは３−６−１。

　東京ＶはＤＦ戸川が出場停止、代わりには山田卓が入った。右サイドバックには柳沢、攻撃的ＭＦは前節怪我をした平野に代わり玉乃がスタメンで出場。戸田が３試合ぶりに復帰し、平本が２トップの一角に入った。ジウをベンチに置き、フォーメーションは４−４−２。

　前半から中盤の攻防が激しい。浦和右サイド岡野と東京Ｖ左サイド玉乃が主導権を争いながら攻撃を仕掛ける。３分、岡野のクロスからマリッチがシュートを決めるがこれはオフサイドの判定。１２分、玉乃が左サイドからドリブルで持ち込みシュートするが、ＤＦがブロックする。

　試合が動いたのは１４分、岡野がドリブルからマリッチへ。マリッチが３人に囲まれながら粘り、マリッチのヒールパスに走りこむ岡野がぺナルティーエリアの右側からのグラウンダーのクロスはＤＦとＧＫの間を通り中央で待っていたポンテが右足で決めて１−０と先制した。

　その後は両チームチャンスを作るが精度を欠きノーゴール。浦和は１５分、鈴木のシュート、２９分にはマリッチがシュートする。東京Ｖは２６、２９分に小林慶がミドルシュートを放つが枠を捕えれない。４３分にはゴール前でＦＫのチャンスを得るが、三都主のシュートがＤＦがブロックされ、こぼれ玉を山田暢がシュートを放つが枠外。前半は１−０で浦和リードで折り返す。


　後半はサイドのマークが甘くなり両チーム、サイドからのチャンスが多くなる。５２分、小林大が怪我をし、代わりにジウが投入される。ジウの投入が結果的には東京Ｖを生き返らせてしまう。ここから東京Ｖのペースとなり浦和は防戦一方。

　６３分、玉乃のＦＫからのこぼれ球を山田卓がシュート、これはＧＫ都築がセーブし浮き球をワシントンが狙うが都築が打たせなかった。

　６９分、ジウが中央からミドルシュートを放つが都築が右手１本でセーブしＣＫへ。７０分、相馬のＣＫから平本が浮き球を上げるがＤＦがクリア。クリアボールを柳沢から浮き球のパスを小林慶がヒールでシュート。これが都築の頭上を抜けてゴール。予想外のプレーで１−１の同点となった。

　同点とされた浦和は７４分、岡野に代えて横山を投入し２トップにし、３−５−２に変更。７９分、ポンテがドリブルで持ち込み粘りながらマリッチにスルーパス。ＧＫと１対１になったマリッチが右サイドの角度のきついところから決めて２−１と勝ち越した。ポンテとマリッチの粘りが生んだゴールと言っても良い。

　８３分、玉乃のスルーパスに走り込んだワシントンがシュート。これはわずかに枠を外れた。浦和サポーターはこの場面で肝を冷やしただろう。浦和サポーターは８５分過ぎから「ＰＲＩＤＥ　ＯＦ　ＵＲＡＷＡ」を熱唱した。この歌に浦和イレブンはプレーで応える。

　８７分、センターサークル付近から山田がドリブルで持ち込みポンテにスルーパスを送り、ポンテが意表をついたループシュートは、大きく弧を描きゴールネットに吸い込まれた。

　ポンテのゴールで気落ちした東京Ｖは、８８分に平本がこの日２枚目の警告で退場。８９分、三都主がドリブルで持ち込みシュート、このシュートを林がペナルティーエリアの中で手で止めた為浦和のＰＫ。そしてこのプレーで林が２枚目の警告で退場。ＰＫを闘莉王が落ち着いて決め、４−１とトドメを刺した。４−１で浦和が難しい試合に勝利した。


　試合内容的には紙一重の試合だった。全会場が同時刻の為、試合後に結果が出た。Ｇ大阪・千葉の敗戦、鹿島の引き分けには浦和サポーターから喜びの拍手と歓声が起きた。なお、柏の敗戦で東京Ｖは首の皮１枚残した。

　残り３試合、東京Ｖと柏との勝ち点差は５と変わらない。柏との直接対決が２６日に残っているが厳しい状況は確かである。次節の結果でＪ２降格も決まる。古豪のチームが崖っぷちに追い込まれた。

　一方浦和はＧ大阪が名古屋に負けた為、勝ち点差は４と縮まった。今期、長谷部を欠いた試合では勝ちがなかった。その為主力２人を欠いた試合での勝ちは非常に大きい。次は５位の千葉が相手だ。是非ナビスコの借りを返したい。選手層が厚くなった浦和が最後まで粘りのサッカーを続けて行けば負ける事は無い。総力戦でラスト３試合を乗り切って欲しい。