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冷たい風と霙交じりの雨の中で浦和が有終の美を飾った試合
2005Ｊリーグ　ディビジョン１　第34節　アルビレックス新潟vs.浦和レッズ


文／satti

　過去最多５チームが優勝の可能性を残し最終節を迎えた。３月から始まった長い長いシーズンもこの１試合でラスト。浦和は寒い新潟ビッグスワンに乗り込んだ。来る前は雪の予報もあり少々難しいゲームになると予想していたが、当日会場に入ると霙交じりの雨と冷たい風だった。最高気温５度、さいたまとは７、８度気温の差がある。

　両チームサポーターは１時間近く前から応援合戦が始まった。天気とは正反対の熱さだ。浦和サポーターは試合開始前「好きにならずにはいられない」を熱唱。次に優勝を願う「浦和カンペオン」、そして「Ｗｅ　ａｒｅ　ＲＥＤＳ！！」のコールで気合を注入した。新潟はホーム最終戦、反町監督はリーグ戦新潟で最後の指揮を執る。浦和は勝ってセレッソ・ガンバにプレッシャーをかけたい。全会場１４：００同時キックオフだ。

　新潟は戦力外のＧＫ木寺、ＭＦ桑原がスタメン、右サイドには梅田、ＦＷはアンデルソン・リマ、ファビーニョ、エジミウソンの外国人３トップで臨んだ。フォーメーションは３−４−３。浦和は前節とメンバーは同じで怪我から復帰の永井がベンチ入りした。フォーメーションは３−６−１。


　前半開始から浦和がエンジン全開で新潟ゴールに襲い掛かる。４分、ポンテのＦＫから山田暢がシュートするが、ＧＫ木寺がセーブ。こぼれ玉に詰めていた堀之内が押し込み１−０と浦和があっさりと先制した。

　新潟は７人で守り３トップを中心に攻撃を仕掛けるが、坪井、堀之内らＤＦ陣が体を張って止める。１３分、左２５ｍの位置からポンテがＦＫを蹴る。これがマリッチの影でブラインドになりそのままゴール。浦和２−０と追加点。その後一進一退の攻防が続きお互いチャンスを作れない。３９分、右サイド岡野のクロスからマリッチがシュートを放つが枠の外。前半は２−０浦和リードで折り返す。

　２点を追う新潟は後半開始から梅山に代えて長身のＦＷ上野を投入する。アンデルソン・リマを中盤の右に、ファビーニョをトップ下に入れ３−５−２に変更。後半開始から新潟がペースを握る。トップ下に入ったファビーニョが自由に動き攻撃を組み立てる。だが、シュートは枠に行かず攻撃は単発に終わる。

　６０分、左サイド三都主のクロスを山田暢が落としポンテへ。ポンテから岡野がシュート、このボールをマリッチがコースを変えて決めた。３−０、試合を決定づける得点だ。６６分、ポンテをクロスからマリッチがトラップし、走り込んだポンテがシュートするが、ゴールポストが直撃しゴールならず。

　それでもファン・サポーターの為に諦めない新潟が積極的にシュートを放つ。７０分、アンデルソン・リマのクロスから上野のヘディングは都築がキャッチする。

　７６分、浦和は岡野に代えて怪我から復帰の永井を投入する。その４分後の８０分、永井のクロスを山田暢がワントラップしてシュート、このボールはＤＦに当たってコースが変わりゴールイン。４−０とダメを押した。

　８７分、約２５ｍの距離からのＦＫをアンデルソン・リマが直接狙うがＧＫ都築が左手１本スーパーセーブで止める。そして時間が過ぎ、８９分の表示が消えてロスタイムは３分。ロスタイムもしっかりと新潟攻撃陣を抑え４−０で浦和が最終戦を制した。


　試合後ざわめきが無かった為、優勝はセレッソかガンバかと思った。新潟のセレモニーの前に他会場の結果が知らされた。鹿島・千葉が勝利、ガンバが勝利でセレッソがＦＣ東京に引き分けの時に歓声が大きかった。この結果、ガンバが優勝で浦和が準優勝となった。

　今年は大混戦のＪリーグだった。１シーズンに変わり消化試合も増えると思ったが、それはなく面白いリーグ戦であったと思う。浦和はシーズン初めから不調で最下位も経験した。アルパイ、エメルソンが退団し、ポンテ、マリッチが加入した。チームのサッカーが１８０度変わり、戦術の変更も余儀なくされながらのこの準優勝は価値がある。

　また怪我人、出場停止も多くベストメンバーが組めない試合が多かった。その中で若手の出番が多く、選手層の底上げに繋がった。来年こそはこの選手層で優勝したいものだ。最終節は今季最高の試合であると思う。だが、勝ち点１差で優勝出来なかった。「１」の重みを感じたシーズンであった。それは優勝を逃した４チームに言えることだと思う。

　２年連続２位の浦和は「勝利」という最高の形でシーズンを締めくくった。今後の天皇杯、来期へのシーズンへ繋がると思う。１８チームの実力差が縮まりつつある。来期も面白くなるシーズンになるのではないか。