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 webnews 03/12/19 (金) <前へ次へindexへ>
横浜FM辛勝!笑顔で去った市立船橋。やればできるを実践!
第83回天皇杯全日本サッカー選手権大会 3回戦 横浜F・マリノスvs.市立船橋高校

2003年12月14日(日)13:04キックオフ 横浜市三ツ沢公園球技場 観衆:7,887人 天候:晴
試合結果/横浜F・マリノス2−2市立船橋高校(前2−0、後0−2、延長0−0)、PK4−1
得点経過/[横浜]安永(4分)、河合(6分)、[市船橋]増嶋(69分)、田中(84分)


取材・文/貞永晃二

 ザスパ草津、阪南大学という格上のチームを相手に無失点で勝ち上がってきた市船。守備には自信を持ち、また定評もあるチームだが、3回戦の相手はこれ以上を望めない、日本のトップリーグの王者だ。横浜FMは何点取るのか、あまり大差にはならなければいいなというのが春のような日差しに包まれたスタンドのファンの正直な気持ちだった。



 立ち上がりは慎重に入りたかった市船だったが、あっけなく先制点、追加点と2点を献上してしまう。4分、左CKはショートコーナーでドゥトラに戻されクロス。ファーで合わせた清水のヘッドはGKにとって不幸にもブラインドとなりはじくのが精一杯。忠実に詰めた安永がゲット。さらに6分には左サイドのドゥトラのFKを安永が頭でそらしファーの河合がフリーでボレーを決めた。この時点で勝敗は決まった、と誰もが思ったはずだ。しかし・・・・。

 横浜FMが3点目を取ることができれば、試合は終わったも同然かと思えた。だが、その3点目を必死の思いで防ぐ市船。両サイドをワイドに使い攻め込む横浜FM。清水、大橋とシュートが飛ぶ。ようやく落ち着きを取り戻した市船は15分、パスをインターセプトした鈴木がカレンへのスルーパス。ボックスへ入ったカレンから中の田中へ浮き球パス。ワントラップシュートは浮いたが、横浜FMのDFも翻弄されたシーンだった。

 その後も横浜FMが攻め込みシュートも放つが、決定的と思えるチャンスは作れなかった。一方市船はカレン、田中に鈴木がうまく絡めたときはチャンスになった。時間経過とともに少しずつ「Jリーグ」のプレーに順応していくのがわかる。終了間際のFKからの上野のヘッドもGKが触りクロスバーが救った。市船は運を味方にして前半を終えた。



 後半、得点が生まれないまま時間が経過していく。シュートは放つもののどうしてもゴールをこじあけられない。リードしているにもかかわらず、横浜FMの選手に焦りとまで行かなくとも、少しずつ苛立ちが見えてくる。逆に市船はコレクティブにプレーし個人ではとても敵わない相手に「チーム」として向かって行った。そして69分、右サイド鈴木の蹴ったFKをGK下川がキャチングミスしたところへDF渡邉がからみこぼれを増嶋が蹴りこんだ。「やれる」市船選手の顔には自信がみなぎってくる。3点目を狙っていた横浜FMがついに1点差とされてしまった。市船にこの時間頃から足がつる選手が出始める。

 突き放すため、さらに前へ前へと攻める横浜FM。しかしどうしても3点目がネットへと吸い込まれない。そして84分、市船は相手のパスミスからつなぎ、カレンが自陣からロングドリブルで切り込む。横浜FMのDFも激しく当たらず突破を許した。ゴールラインまでDF3人を引っ張ったカレンが左足で中へ折り返すとフリーで走りこんだ田中がダイレクトでプッシュ、とうとう2−2の同点となった。

 さらに40分、交替出場の壽のシュートがバーを叩き。さらに増嶋がシミュレーションで2枚目のイエローをもらい退場処分を受ける。横浜FMサポーターと対面のゴール裏、本来は中立かと思われたファンは嵐のような展開に興奮状態となり完全に市船のサポーターと化していった。チャンスを逃し、ピンチをしのぎ試合は延長戦へ。



 増嶋を失ったピッチの10人は互いに声を掛け合い、素晴らしい集中力で戦った。延長の30分間、しばしば足がつる選手はいたが、培ってきた自信を結集して横浜FMの猛攻をしのいだ。しかも驚いたことに攻撃への意欲は決して失わなかったのだ。タイムアップの瞬間、ピッチにはカレンも増嶋もいなかった。柱である2人を欠きながら、120分間を戦い終えたのだ。

 冬の高校選手権において美辞麗句を安易に使いたがるマスコミに辟易とさせられることが多いが、この日の市船のプレーを見た観衆は素直に「感動」を覚えただろう。結局PK方式で敗退したものの、健闘を称える拍手、コールはしばらく鳴り止まなかった。それは敵であった横浜FMのサポーターからも同様だった。なぜなら市船のプレーにはサッカーというスポーツの持つ「楽しさ」がいっぱい詰まっていたから。そして彼らは精一杯にプレーを楽しんでいたから。


石渡靖之監督(市立船橋高校)記者会見
岡田武史監督(横浜F・マリノス)記者会見
(横浜F・マリノス) (市立船橋高校)
GK: 下川健一 GK: 佐藤優也
DF: 波戸康広 那須大亮 河合竜二 ドゥトラ DF: 石井秀典 増嶋竜也 渡邉広大 中村健太
MF: 佐藤由紀彦(93分/佐藤一樹) 遠藤彰弘(113分/金子勇樹) 上野良治 大橋正博 MF: 鈴木修人 根本茂洋 米田拓巨(39分/寺田雅俊) 高橋昌大(75分/壽透)
FW: 安永聡太郎 清水範久(74分/本橋卓巳) FW: カレン・ロバート(101分/榎本健太郎) 田中恒太
SUB: 佐藤浩 小原章吾 SUB: 羽田晃 上田健爾
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