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 webnews 04/04/20 (火) <前へ次へindexへ>
10人の鹿島に苦しみながらも、C大阪遅咲きの初勝利!
2004Jリーグ ディビジョン1 1stステージ 第6節 セレッソ大阪vs.鹿島アントラーズ

2004年4月17日(土)16:04キックオフ 長居スタジアム 観衆:12,354人 天候:晴
試合結果/セレッソ大阪1−0鹿島アントラーズ(前0−0、後1−0)
得点経過/[C大阪]西澤(55分・PK)


取材・文/貞永晃二

 Jリーグでの実績を比べれば、雲泥の差がある2チームの対戦。99年以降の意外な対戦成績はC大阪が5勝1敗2分と圧倒。直近の対戦は同じ長居での天皇杯準決勝。ピンクのサポーターには、秋田を翻弄した大久保の決勝ゴールは記憶に新しく、彼らはできればそれが再現されることを願っているはずだ。

 鹿島はここまで勝点8。磐田という実力者が無敗で首位を独走しているだけに、下位チームに取りこぼすことなく追いかけ、磐田のつまずきを期待したいところだろう。
 
 一方、前節ようやく初の勝点を得たC大阪は、アルベルト新監督の戦い方が徐々に浸透し、失いかけた自信を取り戻そうと必死の戦いが続く。
 セレーゾ監督はフェルナンドとファビオ・ジュニオールを欠き、中盤はベテラン本田に頼り、アタッカーには平瀬、深井の凸凹コンビを起用した。C大阪の最終ラインは左からカブラル、上村、千葉そして徳重という4バック。中盤は左に苔口、右に森島をワイドに配置し、ドイス・ボランチには下村・濱田という若い力を送り込み純国産の鹿島に挑む。



 開始早々、ホームチームの攻撃が鹿島に冷や汗をかかせる。濱田は右CKをファーサイドでフリーのカブラルに合わせる。その狙いすましたヘッドはバーをヒットし、リバウンドを狙った千葉のシュートは大きく的を外れた。鹿島は里帰りの新井場が左サイドからカットインし右足で狙う。鹿島は右SBの内田が守備のバランスをとり、新井場を攻撃的に使うことで、C大阪の右サイド森島・徳重のペアを封じ込めたいところだ。

 前線からの積極的なプレッシングを見せる鹿島だが、その接触プレーの多くを反則にとられ、C大阪に多くのFKからのチャンスを与えてしまう。しかし、C大阪もそのFKの精度があまりにも低くゴールを脅かすことはできない。好調大久保も鋭い動きとドリブルでチャンスを作るが鹿島も粘り強い守備で対抗する。

 鹿島にビッグチャンスが来たのは30分。右タッチラインを割ったかに見えたボールがデッドの判定にならず平瀬からクロスが上がる。C大阪DFの集中が途切れたゴール前に現れたのは小兵・深井。しかし彼の全くのフリーヘッドはクロスバーを叩いてしまう。GK伊藤は完全にお手上げだったが、長居の白いバーは両チームに公平なようだ。さらに鹿島は青木がフリーヘッドでC大阪ゴールを脅かすが先制点にはつながらない。それにしてもC大阪のDFはボールウォッチャーが多すぎる。

 そして38分、この試合を左右するファウルを金古が犯してしまう。中盤で森島が本田から奪ったボールを徳重が受け鹿島DFとGKとの間に送る。FWを追い越し飛び出す森島と金古が接触し転倒。突きつけられたレッドカードに不服な金古。20分過ぎにイエローをもらっていたが、DFとしてはみすみす侵入させるわけにはいかないポイントを森島がうまくついた感じだ。

 しかしこのチャンスもC大阪はモノにできない。応急措置で青木をDFに下げたが、結局は深井を岩政に交代する鹿島。C大阪に長身選手が多いことから守備面を考えて平瀬を残したというセレーゾ采配だが、C大阪守備陣には深井の方が嫌だったはずだが。 小笠原が自らもらったFK。右スミへの正確なシュートもGK伊藤が良く反応し、終了の笛を聞くことになった。



 後半の膠着状態は金古を退場させたシーンの再現で破られる。「助演」濱田からのパスは「主演」の森島へ。今度の「敵役」は新井場だ。しかも今度の「舞台」はペナルティエリア内。PKの判定に歓喜のピンク・サポーター。しかしキッカーが西澤とわかり一転不安のざわめきに変わる。10分、この無礼にもキャプテンは冷静に左サイドネットに強烈に決めて見せた。

 先制されたセレーゾ監督の決断は早い。本田を引っ込め石川を左サイドへ。新井場はボランチへ移り、最終ラインは内田、大岩、岩政でスリーバックに。すぐ小笠原、青木そして本山と連続してチャンスをつかむ。先制しながらも二点目がとれないことが苦戦の原因であるC大阪も西澤のクロスを森島がジャンプヘッドで狙い応戦。大久保も鹿島のバイタルエリアをドリブルでかき回しファウルを受け、徳重のFKはわずかにそれる。二点目は遠くC大阪に苦しい時間が続く。

 ポジションを移った新井場がセンターライン手前から長いストライドでドリブル突進。ボックス手前で右を並走した本山へ。しかしシュートはフレームをとらえられない。C大阪は濱田から久藤へ、鹿島は平瀬から中島へと新たな血を注入する。

 鹿島に最大のチャンスが訪れたのは73分。小笠原の直接FKにGK伊藤がほんのわずか触れボールはまたもバーを叩く。拾った内田が放り込むとゴール前は大混雑。まるでラグビーのように倒れながら押し込もうとしたのは中島か。岩政(?)がこぼれを叩くがゴールライン上にいたのは森島。最も勝ちたい気持ちの強い男がC大阪を救った。

 大久保が自らバツを出して退き、さらにピンチの続くC大阪。しかし最後は集中力を維持し必死に1点を守りきることに成功した。



 期待のFWファビオ・ジュニオールがいまだ結果を出せないことが、鹿島の波に乗れない大きな要因だろう。しかし日本人メンバーが奮起し、彼に楽な気持ちでプレーさせることができれば実力者だけに爆発も近いはずだし、名良橋、中田浩が復帰してもポジションがないくらいに若手が頑張りを見せてほしいものだ。

 ファウルの判定に泣く試合が多い鹿島だが、選手が能力を出し切らず安易にファウルを犯している印象が強い。出場停止で自ら墓穴を掘るのはバカらしいことだけに、チーム全体のファウルへの意識改革が必要なのかもしれない。

 鹿島を完封したといっても、まだまだミスも多く守備の不安はぬぐいきれないC大阪。たまたま鹿島の決定力不足に救われたと考えるべきだろう。そして使われながら成長しつつある若手にはもっと貪欲にアピールしてほしい。レギュラーをつかんだと思われたGK多田や酒本がポジションを失っている現状を教訓にしなければならないのだ。

 ナビスコカップや代表の遠征をはさむ日程で、チーム建て直しの時間がわずかながら取ることができる。鍛えなおした両チームの浮上を期待したいと思う。


(セレッソ大阪) (鹿島アントラーズ)
GK: 伊藤友彦 GK: 曽ヶ端準
DF: 徳重隆明 千葉貴仁 上村健一 カブラル DF: 内田潤 金古聖司(38分/退場) 大岩剛 新井場徹
MF: 苔口卓也 森島寛晃 下村東美 濱田武(67分/久藤清一) MF: 本田泰人(57分/石川竜也) 青木剛 小笠原満男 本山雅志
FW: 西澤明訓(89分/布部陽功) 大久保嘉人(78分/ロブレク) FW: 平瀬智行(69分/中島裕希) 深井正樹(42分/岩政大樹 )
SUB: 多田大介 ラデリッチ SUB: 小澤英明 野沢拓也
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