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 webnews 04/12/03 (金) <前へ次へindexへ>
「布陣変更に攻撃せよのメッセージあり」、10人の浦和が広島に攻め勝つ
2004Jリーグ ディビジョン1 2ndステージ 第15節 浦和レッズvsサンフレッチェ広島

2004年11月28日(日) 13:04キックオフ 埼玉スタジアム2002 観衆:52.330人 天候:晴
試合結果/浦和レッズ1−0サンフレッチェ広島(前0−0、後1−0)
試合経過/[浦和]闘莉王(51分)


取材・文/砂畑 恵

 開始4分、砂川主審の笛が反則を告げる。そしてネネにはレッドカードが突き付けられた。体を入れ換えられたチアゴに抱きつくように引き倒し、決定的なチャンスを阻止したのだから、その処分も致し方ない。相手FKを終えると山田はベンチに今後の指示を仰いだ。

 ブッフバルト監督のチョイスは3トップはそのままに、平川と山田を下げた4バックへの変更だった。しかもサイドバックの位置は高めに取らせ、チームに攻撃的にというメッセージを与える。何しろ、この試合には今季の年間最多勝ち点のなどの他、99年に16チームによる2ステージ制になって以来の1ステージ最多勝ち点、最多得点の記録更新等、様々な記録更新が掛かっていた。今年が最後となる現制度で、ステージ優勝とは別の形で永久に浦和の名を留めたい。その大願を果たすべくチームの指針は向けられていた。

 しかし数的有利は広島。浦和のシステム変更後も、しばらくは広島に分のある時間帯が続く。駒野がフリーで浦和陣内に進出し、11分にはカウンターから大木がきわどいシュート。さらに26分にも駒野のパスを受けたチアゴの放ったシュートがゴールをかすめた。

 ただ守備面を取ってみると広島に苦労の色が滲む。相手の3トップに対しDF3枚とディフェンシブハーフで挟み込んで応対していたが、止め切れずにファウルを重ねた。浦和は、そのFKからアルパイや闘莉王に合せて得点を狙う。これでは折角、数的優位に広島があってもチームに余裕は産まれるはずもなく、30分以降は浦和にゲームの綱を引き引き寄せられた。38分には永井、田中と繋いだボールがエメルソンに渡ってシュートを浴びる。GK下田が何とか弾いたが、そのこぼれ球を永井がシュート。しかし、シュートがクロスバーを越えて、広島は危うく難を逃れた。



 そこで広島は後半に入ると西河に代えて李を投入。運動量の多い李をボランチに据え、2列目にはベットと森ア浩を並べた。守備も4バックにチェンジ。小野監督は数的に優位であることを言い含め、サイドから仕掛けようと選手をピッチに送り出した。

 ところが、そのハーフタイムで浦和の選手達はブッフバルト監督より攻撃への意欲を焚きつけられていた。いずれの選手も高い位置からプレスを仕掛け、前に向かう気持ちが漲る。更に駒野・服部がポジションを下げた分、前半よりもサイドにはスペースが出来ていた。浦和はそこを巧みに突いた。46分には永井のパスから田中、エメルソンと繋いで相手ゴールを脅かす。49分には長谷部が一端は李にボールを奪われるも、すぐに奪い返して田中にパス。その田中の左サイドからの仕掛けから、最後は平川が李のファウルを誘ってFKを得た。

 そのFKをGK下田が大きく弾いて、広島にとってはまたとないカウンターのチャンスになるかと思われた。しかし、それを長谷部と山田が素早い戻りで阻止。ボールは長谷部から前線に残っていた闘莉王に送られる。その闘莉王からパスを受けた永井が縦へフィード。ジャンプして服部がクリアーするも、透かさず酒井がボールを拾って柔らかいパスを前方に流した。その先にいたのは闘莉王。シュートはGK下田の脇を通ってネットに突き刺さった。

 先制を許した広島。1人少ないはずの浦和に互角以上に挑まれて苦しい展開となった。中盤でのパス回しも精彩を欠き、自分達やりたかったサイド攻撃もワイドに開いて攻撃を繰り広げる浦和FWに主導権を奪われて不発。それならばと63分には前田を送り込んで3トップに変更。3枚目の交代カードもFWの盛田に使って、広島は得点を奪う為の策を尽くす。

 しかし絶好のチャンスと言えるのは66分のCKの場面くらい。ショートコーナーから服部のクロスをチアゴが落とし、大木が至近距離からボレーを放ったが、GK山岸にナイスセーブを見せられて得点にはならない。68分には前田が長谷部と酒井をかわし場内を色めき立たせたが、結局、カバーに入った平川に防がれて1歩及ばなかった。結局、試合はこのまま1−0で終了。しかし、スコアー的に僅差で浦和が勝利を収める結果となったが、内容では10人の浦和に対し広島は攻守共に完敗し、点差で推し量れない大きな隔たりがあった。



 広島は、今シーズンの序盤は、駒野・服部の正確な外からのクロスと、ワンタッチパスで軽快にボールを回して素早くフィニッシュに持っていくシンプルなサッカーを展開。上位進出の期待を抱かせるチームだった。だが1つのゲームの内に波があり、また、勝ちに繋がらなかったことも要因になって、チーム全体に迷いが生じたようだ。目指すサッカーを信じて徹底させること、それが来シーズンに向けての課題と言えるだろう。

 浦和は最終戦を勝利で飾り、今シーズンを年間通算勝ち点1位で締め括った他、ステージ最多勝ち点や最多得点などのJ1記録も更新した。ただチャンピオンシップを考えると、ネネの出場停止に加え、鈴木の怪我が心配なところ。ただ交代で入った酒井は回りとのコンビネーションもよく、3列目から前線へと飛び出す自らのスタイルでチームに貢献。また守備に関しても内舘や堀之内などバックアップも充実している。後は守備の固い横浜FMに対し、どう攻めるか。ナビスコ杯準々決勝の山瀬の得点にヒントがあるように感じるのだが…。さて如何に?
 





(浦和レッズ) (サンフレッチェ広島)
GK: 山岸範宏 GK: 下田崇
DF: アルパイ 田中マルクス闘莉王 ネネ(4分/退場) DF: 西河翔吾(45分/李漢宰) 小村徳男 吉弘充志(89分/退場)
MF: 山田暢久 鈴木啓太(41分/酒井友之) 長谷部誠(73分/内舘秀樹) 平川忠亮 MF: 駒野友一 森ア浩司 ベット(63分/前田俊介) 森ア和幸 服部公太
FW: 田中達也 永井雄一郎 エメルソン FW: 大木勉(72分/盛田剛平) チアゴ
SUB: 都築龍太 堀之内聖 岡野雅行 SUB: 林卓人 八田康介
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