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 webnews 04/12/09 (木) <前へ次へindexへ>
浦和を術中にはめた横浜FMが先勝す
2004年 サントリーチャンピオンシップ 第1戦 横浜F・マリノスvs浦和レッズ

2004年12月5日(日) 19:05キックオフ 横浜国際総合競技場 観衆:64.899人 天候:晴
試合結果/横浜F・マリノス1−0浦和レッズ(前0−0、後1−0)
試合経過/[横浜FM]河合(66分)


取材・文/砂畑 恵

 これで最後となるチャンピオンシップの第1戦。来年から名称変更する横浜国際総合競技場のラストゲームでもある。スタジアムにはJ最高となる64.899人の観客が訪れた。

 ゲーム開始のホイッスルが鳴り響くや否や、横浜FMは浦和を急襲した。これは失点しないことを念頭に守りから入ったリーグでの浦和戦とは正反対のスタートだ。3分には坂田がポストを叩くオープニングシュートを放つ。アウトサイドの位置を高めにし、バックラインも上げてコンパクトな陣形でアグレッシブにゲームを進めた。

 実は2ndステージの浦和は8試合で20分以内に先制し、そのゲームはオール勝ちしている。つまりゲーム頭から攻勢に出て勢いに乗るのが浦和の特徴なのだ。その浦和が十八番とする戦法にて横浜FMは堂々と打って出て、浦和を勢いに乗せなかったわけである。

 その横浜FMは20分を越えると意図的にサイドにロングボールを送る攻撃にシフトチェンジした。外に開いた坂田と清水が浦和DFにスピード勝負を挑む。2列目の奥もサイドに張り出す独特なポジショニングで坂田や清水のフォローをした。



 この横浜FMの放り込みを繰り返す攻撃に浦和DFもラインを下げざるを得なかった。それでも浦和DFは高さもあり1対1も強い。アルパイなどは坂田とのマッチアップにも堂に入った守備を披露。闘莉王も守備に専念し、横浜FMの障壁となっていた。ボランチの鈴木の守備カバーも的確だ。例えば18分に清水のクロスに飛び込む坂田をしっかりマーク
しCKに逃れている。だが横浜FMが執拗に狙っていたのは右サイド。対面となる三都主は奥や清水の動きに後ろ髪引かれてなかなか攻撃参加が出来ない。内舘も守備に躍起となった。

 そんな浦和も30分過ぎから徐々に自分達のリズムが出来つつあった。31分にはスローインから闘莉王が胸で落としたボールを田中達が惜しいシュート。35分にも長谷部がミドルシュートを放っている。だがこの日の浦和は好調時とはかけ離れていた。中盤が高い位置で相手にプレッシャーを掛けてボールを奪い取っても、逆にパスカットされるシーンが目立った。横浜FMのバックラインとボランチが緊密な距離を保ちパスコースを狭めたからだ。

 また浦和自慢のFW陣も本来のプレーをさせてもらえなかった。エメルソン、田中、永井がドリブルを開始すると横浜FMの守備陣は斜に構えて縦を切り、それに連動したアウトサイドとボランチが内に切り込めないように遮り、外へと追い込むからだ。例えば30分、FKから山田のパスを受けたエメルソンには田中隼、上野に中西も加わって囲い込んだ。いくら個が突出していても相手に2、3人と包囲されてはそれを破るのは至難の技。しかも浦和はFW3人がユニットで奪う得点も多い。各々のプレーが分断されてはその威力も陰ってしまう。



 横浜FMは浦和の良さを封じ込めペースを握り続けた。後半になっても前半と同じ攻撃パターンと相手FWの徹底マークを貫きゲームを支配する。対する浦和は攻撃では苦戦しながらも、ハーフタイムに高さの内舘からスピードの平川に交代を図ったことで、守備はより安定度が高くなった。途中出場の平川も49分に清水のシュートをナイスカバーでクリアーするなどチームに貢献。固い守備を有する両チームは互いに決定的なシーンを作らせない。

 そんな中、66分に横浜FMがCKのチャンスを得た。奥がボールを蹴り込むと松田も中澤もファーへ動く。だが2人は囮り。ニアにぽっかり空いたスペースにフリーで河合が飛び込んだ。閃光のようなヘディングシュートがゴールを揺らす。古巣・浦和にお見舞いしたJ初ゴール。そのまま河合はゴール裏に走ってサポーターに拳を突き上げた。

 浦和は前半、内舘を河合に付けていた。ある意味、交代の絢を感じる。だが4分前のFKで相手は河合をターゲットにしている。要は浦和が警戒をすれば防げた失点でもあった。

 だがこの得点以降、横浜FMの守備の包囲網が緩む。前半から飛ばしてきたことでやや疲れが出たのだ。何としても追い付きたい浦和の猛攻が始まった。68分、山田からドゥトラの背後に回り込んだフリーのエメルソンにパスが渡る。自由を奪われていないエメルソンはやっぱり怖い。強力なシュートがゴールを襲い、GK榎本は右手で何とかCKへと逃れる。そのCKではGKの弾いたところを長谷部が弾丸ミドル。だがこれも上野が頭を出してゴールを死守。69分FKでは山田のヘッドが横浜FMゴールを襲うも、またもGK榎本に弾き出された。ようやく終盤になり浦和はリズムを掴んだが時すでに遅し。セットプレーの失点に泣いた



 爆発的な攻撃力の浦和が6本と、横浜FMがゲーム運びの巧みさが窺えた。それでも横浜FMもシュート5本と思うより相手を打ち崩してはいない。結局、守備の強固なチーム同士の対戦はリスタートが肝心となる。何度もあったセットプレーで浦和が1人のターゲットに合せる傾向が強いのに対し、横浜FMはパターンが多彩で、その質の高さが明暗を分けた。

 しかしチャンピオンシップは180分試合と同じ。まだ前半が終ったようなものだ。横浜FMは今日の試合を踏襲するのか。浦和の巻き返しはあるのか。後半戦の舞台は埼玉スタジアムへと移されていく。


(横浜F・マリノス) (浦和レッズ)
GK: 榎本達也 GK: 山岸範宏
DF: 中澤佑二 松田直樹 河合竜二 DF: アルパイ 田中マルクス闘莉王 内舘秀樹(45分/平川忠亮)
MF: 田中隼磨 上野良治 中西永輔 ドゥトラ 奥大介 MF: 山田暢久 長谷部誠 三都主アレサンドロ 鈴木啓太
FW: 清水範久(89分/山崎雅人) 坂田大輔 FW: 田中達也(75分/岡野雅行) 永井雄一郎 エメルソン
SUB: 榎本哲也 那須大亮 佐藤由紀彦 安永聡太郎 SUB: 都築龍太 堀之内聖 酒井友之
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