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 webnews 04/12/15 (水) <前へ次へindexへ>
壁を蹴散らし、大谷2試合連続のハットトリック!
TASAKI、兵庫ダービーを完勝で制し、3連覇まであと2つ。
第26回全日本女子サッカー選手権大会準々決勝 TASAKIペルーレFCvs.宝塚バニーズレディースSC

2004年12月12日(日)11:00キックオフ ひたちなか市総合運動公園陸上競技場 観衆:512人 天候:曇のち雨
試合結果/TASAKIペルーレFC5−0宝塚バニーズレディースSC(前半3−0、後半2−0)
得点経過/[TASAKI]大谷(8分、13分、44分)、柳田(83分)、大石(85分)


取材・文/西森彰

 TASAKIペルーレFCは、今大会初戦の清水第八SC戦を13対0の記録的スコアで快勝した。指揮を取る仲井昇監督自身も「(1ヶ月休みが入ったことで)だいぶ走れるようになってきた」と上向きなチーム状態に手ごたえも出てきた様子だ。この日は柳田美幸を新甫まどかと並べてボランチで起用。TASAKIの調子をスタンドから窺う、日テレのスタッフに新手を披露する。

 対する宝塚バニーズレディースSCは、2回戦で神奈川大学の前に大苦戦。終了間際に田中真由美のゴールが生まれ、何とか学生チームの挑戦を振り切った。もっとも、まずは相手の攻撃からゴールを守って、我慢比べの末に勝ち点をもぎとるのが、このチームのスタイル。持ち味を生かした勝ち上がりと言えないこともない。この日はディフェンディング・チャンピオンをどこまで封じ込めるかが注目だ。



ビッグフラッグの後押しを受けたTASAKIは5得点の完勝。
カウンターから、TASAKIゴールに迫る三浦香子。
 手の内を知り尽くした両チームの対戦。宝塚は、大谷未央、鈴木智子の2トップに今枝梢、田中真由美を、トップ下の山本絵美に河野雅子を、それぞれマンマークでつけた。最後方にスイーパーとして西手友美が余る。だが、TASAKIは両サイドの川上直子と佐野弘子を使いながら、ジワリと相手陣内に押し込む。そして、フリーでボールを持つと、中央で待ち受ける大谷、鈴木へ点で合わせる。

 8分、高い位置でボールを奪った山本絵美から、TASAKIの波状攻撃が始まった。新甫のバーを直撃するミドルシュート、そのリバウンドを拾って更に宝塚ゴールに迫る。中央から左のエンドラインまで持ち込んだ柳田へ宝塚DFがスライディング。このプレーに、PKの判定が下る。ボールをセットしたのはエースの大谷。きっちりと決めて、TASAKIが先制に成功した。

 早い時間帯の失点にゲームプランが狂った宝塚。TASAKIは気落ちした相手を容赦なく攻め立てる。14分、ペナルティエリア内に侵入した鈴木が左から折り返すと、これを大谷が落ち着いて決めて2点目。前半終了間際には、相手ペナルティエリア内で得た間接FKを、山本が大谷に戻す。大谷は体を投げ出すスカイブルーの波を蹴散らすかのように豪快なシュートを叩き込み、前半でハットトリック達成。ゲームを早々に決定付けた。



 雨が本格的に降り始めた後半も、TASAKIは攻撃の手を緩めない。「先週あたりから、ちょっと風邪をひいて体調を崩していたので、90分はきついだろうと」(仲井昇監督・TASAKI)温存していた土橋優貴を、後半から右サイドに入れた。川上をボランチに、柳田を左サイドにポジション変更。本来のシステムに戻す。そして、前線から激しいフォアチェックを見舞い、ペースを宝塚に渡さない。「攻撃こそ最大の防御」とばかりのゲーム運びだ。

 さらに大石沙弥香、岩田久美ら、若い力をピッチに投入し、経験を積ませる。宝塚も3枚のカードを切りながら、それ以上の追加点をこらえていたが、82分、柳田の右CKで1点を加算。そして85分、右サイドから土橋が入れたボールに、大石がきれいに左足をあわせる。ゴールポスト際の絶妙なコースに飛んだこのシュートがTASAKIの5点目。ファインゴールに、ひたちなか市総合運動公園陸上競技場の観客から、大きな歓声があがった。

 1年目の選手はスタンド観戦が定位置となることが多いTASAKIにあって、この大石だけは、緊迫した場面でも起用されることが多い。「まあ、チャンスをある程度やらなければいけませんし、(5点目のシーンのような)ああいう芸当ができる選手だから。後は90分間走れる体力をつけることですね。まだそのあたりが課題です」。仲井監督の期待も大きい。



悪天候にも関わらず、「なでしこジャパンカレンダー」は売り切れた。
 敗れた宝塚は番狂わせの可能性を、早い時間帯に与えたPKと、失点につながった間接FKによって摘み取られてしまった。終盤に掴んだカウンターのチャンスも、そこでゴールに迫れる枚数が足りず、得点を記すには至らなかった。オーソドックスに行けば守備が崩壊するし、守りを固めればゴールは遠くなる。分かっていても解消できないジレンマを抱える宝塚。来期も我慢比べが続きそうだ。

 強いTASAKIが帰ってきた。対戦チームを圧倒する強烈なプレス、終盤まで落ちることのない運動量。リーグ戦から1ヶ月のインターバルを挟んで、昨年の勢いを完全に取り戻したように見える。大会直前に行なった岡山湯郷Belleとの練習試合が30分3本合計で7対0。2回戦の清水第八戦が前述のとおり、40分ハーフで13対0。そして、この日がL1を相手に5対0。

「(3戦連続の圧勝について)うーん、そんなに良かったですかね? 相手があるんで、何とも言えません。(大会連覇への手応えは)次がたぶんベレーザと当たるんで…。決勝で当たりたかったんですけれどね。今年最後なんで、何とか良い形で、ひとつくらいはタイトルを取りたいです」(川上)

 ライバル・日テレの先制点を見届けてから、ひたちなかの会場を引き上げたTASAKIの選手たち。復活を期する昨年の女王にとっては、ここからが本番である。



(TASAKIペルーレFC) (宝塚バニーズレディースSC)
GK: 大西めぐみ GK: 安田真季
DF: 磯崎浩美、白鳥綾(82分/岩田久美)、甲斐潤子(H.T/土橋優貴) DF: 西手友美、田中真由美、今枝梢、小林恵
MF: 川上直子、新甫まどか、柳田美幸、佐野弘子、山本絵美 MF: 河野雅子、近藤朋香(82分/佐藤裕美)、重松真由美(58分/阪上由紀代)、柏原慶子
FW: 大谷未央、鈴木智子(68分/大石沙弥香) FW: 伊丹絵美(72分/永吉麗奈)、三浦香子
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