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 webnews 05/02/19 (土) <前へ次へindexへ>
青く澄んだ宮崎の空のもと、各クラブは準備に余念がない
チームの仕上がり具合は順調か
宮崎キャンプレポート その5


取材・文/中倉一志

 2週間にわたる宮崎キャンプ取材も無事に終え、15日、久しぶりに福岡に戻った。あちこちからアビスパ福岡のキャンプについて、様子を聞きたいと連絡が入る。2002world.comに細かく掲載するつもりでいたが、他の仕事や(これは単なる言い訳・・汗)、何やかやと時間がとられて更新が滞り気味になってしまったため、みなさんに十分な情報をお伝えできなかったのが原因だ。働く環境を変えたものの、いまだにペースをつかめずにいる自分が情けない。

 さて、宮崎で最も印象に残ったのが、宮崎の方たちにとって野球も含めてキャンプが日常になっていることだ。もちろん、ソフトバンクホークスやジャイアンツのキャンプ見学がメインなのだが、空いた時間に、散歩感覚でブラリとキャンプを覗きにくる方も多い。広島キャンプの2日目、突然、女性の団体がフェンスの周りを囲んだが、みなさん、他の目的で行動していたところ、練習風景が目に留まったので立ち寄ったらしい。スポーツが日常にある風景は、スポーツが好きな人にとってはたまらない環境だ。



怪我人が戻った福岡は残された時間でチームの仕上げにかかる
 当初の予定では、福岡は13日に行われる川崎Fとの練習試合までにトップチームを確定させたい考えを持っていたが、ポジション争いの中から飛び出す選手がいなかったたこと、筋肉系の疲労により怪我人が続出したことなどの理由で、まだ全てのポジションが確定していない。「ほぼ7〜8割方は決まった」と松田監督は口にするが、どうしても後ひとつ、ふたつのポジションについて最終的なメンバーを決めきれないようだ。

 さて、45分×3本で行われた川崎Fとの1本目は、相手がほぼフルメンバーなのに対し、福岡はエジウソン、ホベルト、岡山を欠く布陣。しかも疲労の色が隠せない。当然のように試合は川崎Fが主導権を握って試合を進める。福岡は組織的な守備で対応するものの、フッキにボールを持たれると、そのスピードと個人技に振り回されてリズムを掴めないまま後方へと追いやられる。そして34分、フッキにドリブルで持ち込まれて、そのままゴールを奪われた。

 しかし、フッキが退いた2本目は、むしろ福岡のリズム。そしてサテライトのメンバーが中心となった3本目は、林、福嶋が切れのある動きを見せて、それぞれ1得点。川崎Fの反撃を1点に抑えた。1本目はフッキの個の強さにやられっ放しの印象を持ったが、それ以外は福岡の組織がそれなりに機能した試合だった。ただし、チームのパフォーマンスはベストな状態からは遠く、いくつか見られた課題がチームが抱える問題点から来るものなのか、それとも疲労から来るものなのかの判断は難しい試合となった。この点は、キャンプ後のトレーニングで確認することになる。



綾町で試行錯誤を続けるG大阪。どこへたどり着くのか
 翌日は、綾町へ移動、G大阪とC大阪の練習試合を取材した。前回のキャンプレポートでG大阪の調整遅れが気になると報告した通り、この試合でもG大阪は調整不足を露呈。早い仕上がりを見せる広島の前に手も足も出ずに0−4の完敗を喫した。G大阪は大黒、フェルナンジーニョ、アラウージョの個の力を生かすために4−3−3の布陣で臨んだが、攻撃は活性化せず、4バックはほとんど混乱状態。この日から代表が合流したため、ぶっつけ本番のような試合になったことを差し引いても、あまりにも内容のない試合だった。

 対照的に素晴らしいパフォーマンスを発揮したのが広島。中盤の高い位置で絡めとるように複数でボールを奪い、そこからシンプルにつないで素早くゴールへ運ぶ狙い通りのサッカーを随所に披露した。その典型が2点目。フェルナンジーニョを3人で囲んでボールを奪い、高い位置でタメを作ってからサイドへ。オーバーラップしてきた服部のクロスボールに中央で待つガウボンが頭で合わせた。「とても強い。いつ開幕してもおかしくないくらいのコンビネーションと仕上がり」(遠藤保仁)。G大阪は脱帽するしかなかった。

「アラウージョが加入したことで全体を動かさざるを得ない状況が出てくる」と語った西野監督。前の3人を生かし、かつ二川を中央で使うことを前提に、最も高いパフォーマンスを発揮するシステムを模索中で、そのひとつが4バックと説明した。しかし、慣れていないことを考慮しても、G大阪の4バックは形すら成していなかった。その後の情報によれば、シジクレイをボランチに起用する3バックに方向転換したらしいが、はたして開幕までにどんなチームにまとめてくるのだろうか。



まっすぐに続く道を駆け抜けるのはどのチームだろうか
 さて、私の宮崎キャンプ最終日となった15日は福岡の取材へ。この日の福岡はU-20代表候補と45分×2本の練習試合。平島、山形を除く全員が復帰して、それぞれがピッチに顔を出した。戦術の確認というよりも身体の状況を確認するような試合で、疲労を考慮して順次交代しながらキャンプ最終日を打ち上げた。怪我人が多いキャンプだったが、最終日では、それぞれの選手がキレのある動きを見せ、まずは合格点のキャンプだったことを窺わせた。

 特に切れのある動きを見せていたのが有光、福嶋、太田、林の4人。現段階では横一線というのが正しい評価。厳しいポジション争いに勝ち抜いてレギュラーポジションを勝ち取るという強い意欲を見せた。また、中盤でU-20代表候補の前に立ちはだかったのが松下。攻守にわたって存在感を示した。怪我から復帰した岡山が入った最終ラインも、まずまずの安定感だった。試合の結果は2−0だったが、調整が第一の目的だった試合としては十分な試合だった。

 さて肝心のレギュラー争いだが、大勢は昨年度のレギュラーがベース。ボランチとCBは松下と岡山の起用が濃厚で、心配されていた2つのポジションは、ほぼ埋まったと見ていいだろう。不確定要因が残るのは右サイド。SBに川島、高い位置に中村が有力と思われるが、松田監督はまだ最終決定はしていないようだ。また、恥骨付近を痛めているエジウソンは復帰の目処が立たず開幕には間に合わないだろう。チーム全体では、ベースである組織サッカーは確実に根付いているが、ベストな形が何かは模索中。決定力不足解消も確実なものを手にしたわけではない。開幕までの残された時間で課題を整理することになる。



 気がつけば、もう開幕までは2週間あまり。それほど多くの時間は残されていないが、この期間で何処まで自分を追い込めるかで2005年シーズンの行方が決まる。悔いのないシーズンを送るためにも、選手たちは最後の調整にすべてをかける。
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