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 webnews 05/08/04 (木) <前へ次へindexへ>
お疲れの(?)日本、若く未経験な北朝鮮に完敗!
第2回東アジア選手権大会 日本代表vs.北朝鮮代表

2005年7月31日(日)19:30キックオフ 大田ワールドカップスタジアム 観衆:23,150人
試合結果/日本代表0−1北朝鮮代表(前0−1、後0−0)
得点経過/[北朝鮮]キム・ヨンジュン(前27分)


文/貞永晃二

 第2回東アジア選手権の舞台は韓国。ホスト国の韓国、日本、中国に予選を突破した北朝鮮の4カ国が総当たりで東アジアの「盟主」を決める大会方式である。日本で開催された2年前は同じ2勝で並んだ韓国と最終戦で引き分け、総得点で1及ばず日本は2位に甘んじることとなった。大久保が前半早々イエロー2枚で退場になった試合といえば思い出すのは容易なことだろう。

 ホーム韓国が退場者3人を出した中国に引き分けた開幕戦。その応援を終えたレッドデビルの大声援を受ける北朝鮮がワールドカップ最終予選(まだ最終戦を残してはいるが)での雪辱を果たそうと日本に立ち向かった。監督も交代し、選手も半分以上が入れ替わり80年代生まれの選手がずらりと並ぶ北朝鮮。昨年静岡で開催されたU-17アジア選手権でも若い年代での優位性を感じさせた北朝鮮だけにどんな選手が登場するのか、決して油断することはできない。そんな北朝鮮の挑戦を受けて立つ日本は、国内組=Jリーグ・オールスターとも呼べるチームで、ドイツでは欠場した中澤が復帰したため再び3バックで臨むことになる。



 キックオフから三都主が、さらに玉田が左サイドから仕掛ける。しかし北朝鮮は気迫をむきだしにし、前線からの激しいボディコンタクトで体現し徐々に日本を圧倒し始める。そして受身に立った日本は軽度だがミスが多い立ち上がりとなった。

 6分、北朝鮮は左サイドのスローインから福西の緩慢なマークもあってキム・チョルホが抜け出し左足シュート。ミートが悪く日本は助かったが、不安は広がる。2トップを組む玉田と大黒もなかなか前を向いてボールを受けられない。12分の福西のミドルが日本の初シュート、しかしバーを越える。日本のミス、ファウルに大ブーイングが浴びせられ、北朝鮮のなんでもないプレーにも大歓声が巻き起こる。それでも日本はようやくパスが回りだし、大黒、玉田が倒されて得たFKを三都主、小笠原が直接狙うがカベが邪魔をする。
 
 そして迎えた27分、北朝鮮はまた左サイドのスローインから日本の「協力」で思わぬチャンスを手にする。一旦奪い返したボールを小笠原が福西へバックパス。これがタイミングが合わず奪われる第一のミス。中へ入れられたクロスは中澤がワントラップし落ち着いて蹴りだしたように見えたがなんと直接北朝鮮に渡る第二のミス。拾ったナム・ソンチョルの入れたクロスをキム・ミョンチョルが落ち着いてポストとなってキム・ヨンジュンに落とすと、右足から放たれた強烈なシュートがネットに突き刺さった。ピッチに折り重なり喜び合う北朝鮮選手。
 
 思わぬ失点に当然のように反攻に出る日本。両翼から加地、三都主が入れるクロスもシュートには結びつかない。そこで小笠原がミドルを狙い局面を変えようとするが惜しくも決まらない。どこか身体が重たそうな日本はこぼれダマをうまく拾えず、そのため連続攻撃ができない。2トップへの有効なクサビも入れられず、いたずらにヨコへのパスが増えていく。最終予選、コンフェデ、HOT6と国内外での激戦が続き蓄積された疲労が原因だろうか。
 
 40分を過ぎての連続CKから田中誠のヘッドがGKのいないゴールへ飛んだがハン・ソンチョルの忠実なゴールカバーが北朝鮮を救った。終了間際に右CKから玉田の右足シュートが飛ぶがこれもクリアされ、日本がリードされてハーフタイムを迎えることになった。



 後半日本は田中誠から本山へと交代、4バックに移行する。玉田の初シュートからリズムを生み出したい日本だがそれも叶わず、北朝鮮の豊富な運動量をベースにした守備が日本のパスワークを分断し、ボールを奪って繰り出すカウンターがまた鋭く、さらにシュートで終わるという効率の良さ。シュートの精度が低く追加点とはならないのが救いだ。

 しかし20分前後からさすがに飛ばしに飛ばしていた北朝鮮にも疲労が見え始め、ピッチに倒れ足を押さえる選手が目立つようになる。本山のヘッドが惜しくもはずれる。67分ジーコ監督が動き玉田から初代表・田中達が入る。72分、三都主の強烈なシュートにはGKキム・ミョンギルのファインセーブが飛び出す。田中達も果敢にドリブルで仕掛け、日本の激しい攻撃を北朝鮮が必死にはねかえす試合展開が明白になっていく。

 刻々と時間だけを消費するものの同点ゴールを生み出せない日本は77分、これも初代表の長身FW巻を投入しハイクロス攻撃も視野に入れる。巻はよくチャンスに絡みその空中戦が有効な武器であることを示す。そして田中達だ。86分、左サイドから二人のDFの間を彼らしいドリブルで突破し強烈な右足シュート。GKがはじいたところを大黒が詰めるが決められない。福西も前線に残り巻と二人で完全に制空権を握るが、シンプルに大きく蹴りだすクリアで北朝鮮は逃げまくる。そしてたっぷりあったインジュリータイムも終わり、中国人主審の笛がスタジアムに鳴り響いた。



 監督を胴上げするほどの歓喜に包まれる北朝鮮。若さを十分に発揮しピッチ狭しと動き回り、日本のミスにつけこみまんまと得点に結びつけた北朝鮮選手には敬意を表したい。しかし日本がこれほど集中力を欠いたミスを頻発すれば勝てるはずはなく、勝つ資格もない。たとえ少々技術・戦術で上回っていても戦う気持ちで負けていれば勝敗はこのような形になってしまうのだ。まだ幸い中国、韓国に連勝すれば優勝できる可能性が残っている。来夏のワールドカップ本大会まででは最後となる真剣勝負の場を、アジアチャンピオンとしての名誉と誇りにかけて、なんとしても優勝で飾ろうというハートのある戦いを期待したい。


(日本代表) (北朝鮮代表)
GK: 川口能活 GK: キム・ミョンギル
DF: 田中誠(45分/本山雅志)、宮本恒靖、中澤佑二 DF: ハン・ソンチョル、ナム・ソンチョル、チャ・ジョンヒョク、パク・チョルジン、ソ・ヒョクチョル
MF: 加地亮、福西崇史、遠藤保仁(77分/巻誠一郎)、三都主アレサンドロ、小笠原満男 MF: キム・ヨンジュン、キム・チョルホ、リ・ハンジェ(23分/キム・ソンチョル)
FW: 玉田圭司(67分/田中達也)、大黒将志 FW: キム・ミョンチョル(55分/チェ・アンチョン)、パク・ソングァン(72分/アン・ジョンホ)
SUB: 楢崎正剛、土肥洋一、茶野隆行、坪井慶介、茂庭照幸、駒野友一、村井慎二、阿部勇樹、今野泰幸 SUB: リ・ミョンドク、ハン・ミンチョル、ハン・スンイル、アン・チョルヒョク、リ・ヨングァン
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