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 webnews 05/08/05 (金) <前へ次へindexへ>
ともに失った勝ち点2。仙台vs.福岡は痛み分け
2005Jリーグ ディビジョン2 第24節 ベガルタ仙台vs.アビスパ福岡

2005年8月2日(火)19:04キックオフ 仙台スタジアム 観衆:16,452人 天候:曇
試合結果/ベガルタ仙台2−2アビスパ福岡(前1−1、後1−1)
得点経過/[仙台]根引(9分)、[福岡]宮崎(15分)、ホベルト(61分)、[仙台]バロン(85分)


取材・文/中倉一志

「何点失点してしまうのかなという時間帯もあれば、あるいは我々がいいリズムで決定機を何回も作り出して、その数を数えれば我々のほうが勝っていたような気もするし。試合の感想としては非常に難しいという印象」。記者会見場に現れた都並敏史監督(仙台)が言葉を選ぶようにして語った感想こそが、この試合を物語っていた。

 落ち着きのない試合だった。その最大の要因は福岡の守備バランスの悪さにあった。仙台にサッカーをさせず、ほぼ一方的に相手を攻め立てた前半でさえ、致命傷になりかねないミスを犯し、仙台に決定的なチャンスを作られた。福岡が内容で仙台を圧倒していたにもかかわらず、前半を終えた段階で、どちらにも勝機があるように感じられたのは、そういう背景があったからだ。

 結局、最後の最後までバタバタ感の消えない試合は2−2で引き分けた。憮然とした表情で会見場を引き上げる松田監督。試合の評価を明確に打ち出せない都並監督。いずれにせよ、両チームにとっては納得のいかない試合。ともに勝ち点2を失った試合だった。



 さて、試合を振り返ってみよう。9分、仙台の左からのFKのチャンスに信じられないマークミスから先制点を許した福岡だったが、立ち上がりから一方的に仙台を攻め立てた。そして15分、福岡は難なく同点ゴールを挙げると、鋭い出足と細かいパスワークで仙台を翻弄。仙台の守備網をズタズタに切り裂いた。福岡のスピードについていけない仙台は、タックルが後追いになって、ことごとくファールになり、ただ前に蹴り返しては、そのボールを拾われて分厚い二次攻撃にさらされた。何も出来ない仙台。都並監督が何点失点するのかと心配するのも当然だった。

 決定的なチャンスを山のように作り出す福岡。ところが、そんな福岡も守備バランスという点では問題を抱えていた。一方的に攻め込んでいたため、許したシュートは4本だけという結果だったが、その4本がいただけなかった。パスミスから、マークミスから、そしてポジショニングのミスから、いとも簡単にゴール前まで運ばれたばかりか、先制点を含めた4本のシュートはいずれも決められて当然の決定的なシュートばかり。GK水谷のファインセーブもあり、福岡は追加点こそ許さなかったが、決定的なチャンスの山を築きあげた反面、いつ失点してもおかしくない危うさをも持ち合わせた前半だった。



 後半に入ると、仙台は千葉に代えて村上を投入。シルビーニョをトップ下から中盤の底へ下げてフォーメーションをダブルボランチに変更する。まずはチームのバランスを整えようというのが狙いだ。対する福岡は、有光を下げて「切り札・古賀」をピッチに送り出す。攻撃の姿勢を強くすることで勝負を決める2点目を奪いにいく構えを見せる。そんな中、リズムを刻みだしたのは仙台。福岡の運動量が落ちたことも手伝って、チーム全体に安定感が生まれ、ジワジワと前に出始めた。

 ところが61分、2点目を奪ったのは福岡。CKの後のゴール前の混戦からホベルトが押し込んだのだ。流れが変わりかけたところでの追加点は福岡に大きな勇気を、そして仙台には大きな落胆を与えた。残り時間はまだ30分。しかし、守備力に定評のある福岡が試合をコントロールすることは、さほど難しいこととは思えなかった。前に出ざるを得ない仙台に対してカウンターで対抗する手立てもある。この1点で流れは福岡に大きく傾いたかと思われた。

 しかし、ここから福岡は前半から見せていた不用意なミスが顔を出す。クリアすべきところをクリアせず、つなげなければいけないところでつながず、みすみす仙台にボールを渡してしまうシーンが続出する。これに乗じて波状攻撃に出る仙台。やがて福岡の足がとまり、セカンドボールを支配する仙台が主導権を握る。そして83分、柳楽とバロンがもつれるようにして倒れたところでホイッスル。柳楽にイエローカードが提示され、仙台にPKが与えられた。これをバロンが決めて試合は振り出しに。この後、互いに3点目を奪いに行く姿勢を見せたが、2−2のまま試合終了のホイッスルが鳴った。



「結果は不満」(都並監督)。福岡との間にある勝ち点差を縮められなかった都並監督は、そう試合を振り返った。しかし、まだ20試合を残す段階では勝ち点差8は十分に追いつける差。まだまだJ1昇格レースは、どう転ぶか分からない。「攻撃の面でのいいところを、守備の面ではミスからのピンチを招かないということを課題として、次のゲームに必ず勝てるように臨んでいきたい」(都並監督)。まずは目の前の試合を勝つことで福岡をしっかりと追走することが重要。うなだれている時間はない。

 下を向いている場合ではないのは福岡も同じだ。まずは京都との2強という状況を作り出し、京都を逆転するチャンスを作りたい福岡にとっては、確かに勝ち点3が必要な試合だった。しかし、真夏の連戦の中での仙台との引き分けは、ある意味では想定の範囲内。過ぎた結果にとらわれることよりも、問題点が見えた守備バランスの修正をし、新たな気持ちで水戸戦に臨むことが何よりも大切なことだ。次節も厳しい戦いが予想されるが、それを乗り越えることで2位争いの混戦から脱出する道が見えてくる。


松田浩監督(アビスパ福岡)記者会見
都並敏史監督(ベガルタ仙台)記者会見


(ベガルタ仙台) (アビスパ福岡)
GK: 高桑大二朗 GK: 水谷雄一
DF: 森川拓巳(76分/関口訓充) 木谷公亮 根引謙介 磯崎敬太 DF: 中村北斗 柳楽智和 千代反田充 山形辰徳
MF: 千葉直樹(45分/村上和弘) 熊谷浩二 梁勇基 シルビーニョ MF: 山形恭平 ホベルト 宮崎光平(58分/林祐征) グラウシオ
FW: 大柴克友(65分/シュウェンク) バロン FW: 有光亮太(45分/古賀誠史) 田中佑昌(75分/喜名哲裕)
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