topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
 webnews 05/11/01 (火) <前へ次へindexへ>
見せ付けた京都の力。福岡に3−0と完勝!
2005Jリーグ ディビジョン2 第38節 京都パープルサンガvs.アビスパ福岡

2005年10月29日(土)13:34キックオフ 京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 観衆:4,221人 天候:曇
試合結果/京都パープルサンガ3−0アビスパ福岡(前1−0、後2−0)
得点経過/[京都]田原(13分)、松田(71分)、パウリーニョ(89分)


取材・文/中倉一志

 前線の個の力を最大限に生かすサッカーを展開する京都。11人の組織力で勝負を挑む福岡。両チームが志向するサッカーは、いわば対極と呼べるものだ。しかし、カウンターの罠を仕掛けて待ち構える京都の守備を崩すのは容易ではなく、ホベルトを中心とした福岡の組織DFも簡単には破れない中では、互いに狙うのはカウンター攻撃。「お互いに良く似たタイプのチーム。狙いとするサッカーも似ている」と柱谷幸一監督が語ったのは、そういう側面を指してのことだったのだろう。

 しかし、そんな両チームの対戦もふたを開けてみれば京都の一方的な展開。「結果も内容も今日は完璧なゲーム」と柱谷監督が振り返ったように、福岡が京都に付け入るチャンスはなかった。やるべきことを確実にやった京都と、やってはいけないことをやってしまった福岡との差。それが3−0というスコアになった表われた。この試合を見る限り、両チームの力の差は明らかだった。そして京都は、J1昇格に花を添えるJ2優勝まで勝ち点2と迫った。



 個の力で劣る福岡が京都と互角に戦うには、まずはパウリーニョ、田原豊にボールをキープさせないこと。そして、不用意にボールを失ってカウンターを喰らわないようにすることが必要だった。しかし、そんな気持ちがマイナス面に働いたのか、福岡にいつものスピードとアグレッシブな姿勢がない。立ち上がりこそ、ホベルトを中心に人もボールも動かすサッカーを展開したが、どっしりと構えてロングボールを前線に送る京都のゆったりとしたリズムに次第に飲み込まれていく。そして13分、この試合を決定付ける先制点が京都に生まれた。

 中盤のルーズボールを拾ったパウリーニョがボールをキープ。宮本の背中越しの激しいチャージをものともせずに、右サイドを駆け上がってきた加藤大志へボールを捌くと、宮本がパウリーニョに付くために出来た最終ラインのスペースへ田原が飛び込んでいく。中央へ入ってきたボールは田原にとっては逆モーションとなったが、難しい体制から放ったボレーシュートは見事にゴールマウスを捕らえた。パウリーニョと田原の個の強さが生んだゴールだった。福岡にしてみれば、ルーズボールに先に仕掛けなければいけなかった。

 この1点で福岡は明らかに組織が崩れた。攻めの形を作ろうと山形恭平が高い位置へ出ていくために中盤はホベルトのワンボランチ状態。しかも、両サイドが機能せず、後方からの押し上げもない状況ではホベルトにパスの出しどころはない。そこへ巧みにプレッシャーをかける米田と斉藤。福岡の手薄になった中盤で主導権を握ると、簡単に2トップへボールを入れ、そこから古賀の背後のスペースにボールを展開。加藤大志が面白いように右サイドを駆け上がる。試合は早くも一方的な展開となっていく。



 後半に入ると、福岡は宮崎を下げてFWに岡山を投入。山形恭平を右へ、グラウシオをトップ下にシフトする。このシステム変更で、グラウシオがホベルトのパスの受け手となり、岡山の落としたボールを拾うことで高い位置に起点を作れるようになった福岡は、立て続けに決定機を作り出す。しかし、それも10分間だけ。そして再び流れは京都へ。不用意なミスを繰り返す福岡からボールを奪って得意のカウンター攻撃で前へ出る。前半以上にバランスの崩れた福岡に襲い掛かった。

 何とかゴールだけは許さなかった福岡だったが、京都の2点目は時間の問題だった。そして71分、福岡のパスをカットした京都は左サイドへ展開。中払の突破からのクロスボールに松田が頭で合わせた。ボールを奪ってから2本のパスで手に入れた追加点。京都らしい見事なゴールシーンだった。ここから更に勢いを増す京都。福岡はミスを奪われて、そしてセカンドボールを奪われてはカウンターの脅威にさらされる。

 そして京都の3点目はロスタイム。福岡のDFラインがヘディングで前へ送ったボールが鈴木和裕の足元へ。これを鈴木が素早く右サイドへ展開。福岡が攻めあがっていたために出来たスペースへ走りこんだ星がゴール前へ折り返し、最後はパウリーニョが難なく押し込んだ。「今日のゲームに限っていえば、すべてのプレーでうちのほうが上回っていた」(柱谷監督)。その言葉どおり京都の完勝。福岡は手も足も出すことが出来なかった。



 前節にJ1昇格の条件となる2位以内を確定させていた京都だったが、変わらぬ高いモチベーションで福岡を迎え撃った。柱谷監督は、残り試合を「J1を見据えた戦い」と位置づけるが、チームがJ1に昇格しても、それは選手たちがJ1でプレーできることを意味するものではない。J2で戦えたことだけではなく、さらにJ1で戦えることを示さなければトップリーグのピッチでプレーすることは叶わない。選手たちにとってのJ1へのチャレンジは、まだまだ続く。

 さて敗れた福岡。移動バスに乗り込む選手たちは、「次の試合、次の試合」と口にしながら気持ちを切り替えていた。思いもよらなかった完敗は悔しくないはずはない。しかし、最も大事な目標は2位以内を確保してJ1自動昇格権を手に入れること。この日の試合では敗れたが、目の前の1試合、1試合に全力を尽くすという福岡の戦い方に変わりはない。この日の試合の結果に惑わされることなく、同じ気持ちで戦いを続けることが求められる。


松田浩監督(アビスパ福岡)記者会見
柱谷幸一監督(京都パープルサンガ)記者会見


(京都パープルサンガ) (アビスパ福岡)
GK: 平井直人 GK: 水谷雄一
DF: 鈴木和裕 リカルド 鈴木悟 三上卓哉(85分/大久保裕樹) DF: 平島崇(62分/中村北斗) 宮本亨 千代反田充 山形辰徳
MF: 米田兼一郎 斉藤大介 加藤大志(75分/星大輔) 中払大介 MF: 宮崎光平(45分/岡山一成) ホベルト 山形恭平(70分/村主博正) 古賀誠史
FW: パウリーニョ 田原豊(69分/松田正俊) FW: 田中佑昌 グラウシオ
<前へ次へindexへ>
topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送