topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
 webnews 05/11/03 (木) <前へ次へindexへ>
「試合に聳えた分水嶺」、流れを引き寄せた浦和が川崎の連勝を止める
2005Jリーグ ディビジョン1 第29節 浦和レッズvs.川崎フロンターレ

2005年10月29日(土) 15:35キックオフ 埼玉スタジアム2002 観衆:37.593人 天候:曇一時雨
試合結果/浦和レッズ3ー2川崎フロンターレ(前2−2、後1−0)
試合経過/[浦和]アレックス(8分/PK、34分)、[川崎]ジュニーニョ(37分)、マルクス(44分)[浦和]闘莉王(76分)


取材・文/砂畑 恵

 一時はG大阪が初優勝に突っ走るかと思われた時期もあったが、28節現在では8差に6チームがひしめくサバイバル状態だ。殊にC大阪や川崎が勝利を重ね、圏外という位置から優勝を射程圏に捉える順位に進出。これら6チームはたった1試合の結果がチームの浮沈に大きく響き、追いつ、逃げつと、まったく気の抜けない神経戦を闘っている。

 今節は上位3チームがサンデーゲームということで、4位浦和と5位川崎にとって今日の勝利は「優勝戦線生き残り」と「上位陣への無言の圧力」という2つの意味を持っていた。しかも第2節での対戦は両チームともに3得点と点の取り合いになったことを考えれば、前へ、前へと激しいせめぎ合いになるだろうことは予想に難くなかった。



 スコアーを先に動かしたのは浦和。マリッジが右コーナー近くで伊藤からボールを奪ったことから浦和のアタックが始まり、その一連の流れから酒井が前線にロブを上げたところ、ペナルティーエリアに侵入していたアレックスが佐原に倒されPKを獲得する。前節、今季初ゴールを決めて気を良くしていたアレックスのキックはGK相澤にコースは読まれていたものの、相手の動きの上手をいくスピードでゴールネットに突き刺さった。

 開始8分の失点に俄然、闘志が燃え上がった川崎は鋭いカウンター攻撃で浦和DFの背後を突き崩しに掛かる。15分にはジュニーニョ、16分には我那覇、そして17分にもGK都築のミスからマルクスが1対1の場面を迎えた。しかしこの再三のチャンスもGK都築の冷静な判断と果敢な飛び出しの前に川崎は得点を奪えず。

 こうなると不思議なことにゲームの潮流は変わる。次第に浦和に勢いが戻り、川崎ゴール前のシーンが増えていく。そして34分、都築が蹴ったFKがマリッチと競り合う箕輪の頭を経由してゴール前に零れる。するりとゴール前に抜けてきたのは先制点を決めたアレックス。GK相澤を躱し、スライディングに来る長橋よりも早く、右足でボールを流し込んだ。



 しかし追い詰められたかに見えた川崎が、6連勝中であるその実力を発揮したのはここからだった。2点差にされた3分後、マルクスの低く伸びのあるFKに、ジュニーニョがドンピシャのタイミングでヘディングしゴールを返す。弾みのついた川崎は更にロスタイム、またもFKからキッカーのマルクスが自ら低い弾道のシュートを沈めて同点に追いついた。

 その前半終盤の余勢を駆って、後半の頭から川崎は一気に畳み掛かる。ロングボールを駆使し、ジュニーニョや我那覇がスピードに乗って相手ゴールに迫る。川崎の攻撃はいよいよ加速度を付けて引っ切りなしの状態にまで達して行った。

 だが浦和は我慢に我慢を重ねた。こういう展開では焦れてしまいがちな闘莉王も最終ラインに残って守備に専念し、坪井と内館との連携を重視。途中交代の堀之内は相手の楔となるポイントにプレスを掛け、味方が守備に戻る時間を稼ぐ。山田やアウトサイドの永井、アレックスは労を惜しまず、バックのフォローを心掛けた。その間のスタッツは浦和はシュート3本。それに対し浦和を攻め立てていた川崎からはシュートに8本のCKを浴びた。その内、6本目のCKでは佐原のヘディングがファウルで取り消される命拾いした場面もあったとはいえ、ともかく粘り、跳ね返す浦和の守備は光った。

 そんな中でゲームの流れは分水嶺に近付いていく。76分、アレックスのパスに満を持した内館が左サイドを突きクロスを上げた。その先にはこれまた最終ラインから前線へと顔を出した闘莉王が胸でボールを落とし長谷部に繋げる。ドリブルでこじ開ける長谷部に箕輪が引き出され、その空間へとマイナスのパスが戻って来た。闘莉王のシュートはGK相澤にストップされるも、そのセカンドボールから最後はポンテのセンタリングに闘莉王が頭で合わせて川崎ゴールを破る。その後の浦和は強かかつ確実なプレーで勝利をものにした。



 1試合を通じて主導権を握っていたのは間違いなく川崎だった。試合は水の流れのように自在に姿を変化させる。「通常であれば2ー0でリードすれば安全圏にいると考えられるが、残念ながら今日はそうならなかった」とブッフバルト監督が言うように、川崎は自身に流れがあった時間帯にきちっと得点を決め前半の内に同点に追い付いた。

 だから「我々は勝とうとして持っているものすべてを出したが、我々を勝たせてくれない何かが働いていたと思う」という、関塚監督の暗に判定に関して不満を述べる言葉には素直に頷けなかった。一方的に川崎に不利な判定があったのではなく、審判の笛に助けられた場面もあったはずだ。それよりも後半、潮流に乗りながらそこで川崎は決め切れず、ゲームが山場に突き当たった時、浦和は流れを漏れなく引き寄せ3点目を挙げた。勝敗の決着はそれに尽きたのではないだろうか?








(浦和レッズ) (川崎フロンターレ)
GK: 都築龍太 GK: 相澤貴志
DF: 坪井慶介 田中マルクス闘莉王 内舘秀樹 DF: 箕輪義信 伊藤宏樹 佐原秀樹(84分/都倉賢)
MF: 山田暢久 長谷部誠 酒井友之(58分/堀之内聖) 三都主アレサンドロ ポンテ MF: 長橋康弘 中村憲剛 久野智昭(78分/原田拓) アウグスト マルクス
FW: 永井雄一郎(64分/平川忠亮、84分/岡野雅行) マリッチ FW: 我那覇和樹 ジュニーニョ
SUB: 山岸範宏 横山拓也 SUB: 吉原慎也 鄭容臺 相馬直樹
<前へ次へindexへ>
topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送