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内容が伴わない結果もこれもまたサッカー。浦和が東京Vを下す
2005Jリーグ ディビジョン1 第31節 浦和レッズvs東京ヴェルディ1969

2005年11月20日(日) 14:04キックオフ 埼玉スタジアム2002
観衆:43.636人 天候:晴
試合結果/浦和レッズ4ー1東京ヴェルディ1969(前1−0、後3−1)
試合経過/[浦和]ポンテ(14分)、[東京V]小林慶(70分)、[浦和]マリッチ(79分)、ポンテ(87分)闘莉王(89分、PK)


取材・文/砂畑 恵

 山田からパスを受けたポンテはGK高木がゴールエリアのラインぎりぎりまでポジションを上げていると見越し、右足インフロントに掛けてボールを浮かせる。インパクトの手応えでホームランの感触を得たバッターがそうするように、ポンテはボールの軌跡を目で追っていたが、ネットが揺れる目前でゴールに背を向け、右手の人差し指を天に突き立てた。

 うっとりするほど美しいゴールも決められた側にはただ残酷なだけ。僅かに残された試合時間も、無惨に気力さえ奪われた東京Vの選手にとってはなきに等しい。その後2人の退場者、ロスタイムにはPKを献上と、終わってみれば4失点で東京Vは大敗した。

 ただ試合後に東京V・バドン監督は「試合の内容を考えれば4−1の大差の内容ではなかった」とコメント。奇しくも浦和・ブッフバルト監督も「勝利は妥当な線だと思いますが得点差については高かった」と、バドン監督の言葉を裏付けるような戦評をした。



 確かにこの1試合を通してみても、東京Vのボールポゼッションは浦和に対して互角に渡り合い、時間帯によっては優位な立場でペースを握っていたところもある。殊に58分から85分に於いての闘い方がそうであり、70分にCKから闘莉王のクリアーを拾った柳沢のミドルシュートを小林慶がヒールでコースを変える技ありのゴールで同点に追い付き、79分にはポンテのパスを相馬がカットしたものの、それを拾ったポンテにダイレクトでマリッチに繋がれて2失点を喫しはしたが、再び追い付くチャンスもあった。しかもワンタッチで細かくパスを回す攻撃スタイルは、残留争いで喘ぐチームとは信じ難い心境になる。

 しかし東京Vは流れの中では得点は奪えなかった。理由としてボールへのタッチ数を減らして素早いパス回しに徹しても、同じテンポが続けば守る側も順応してしまうからだ。実際、浦和DFはまず楔となるワシントンをしっかり抑え、東京Vのパスを先々に読んでペナルティーボックスへの侵入を簡単には許さず、東京Vのシュートの大半はミドルシュートになっている。エリア内に入ったターゲットにはしっかりマークがついていた。

 その中で、効果があったのは玉乃の起用。ドリブル突破が得意の玉乃は果敢にチャレンジし、ここにボールが収まった時はリズムに変化が生じた。だがこれ唯一では苦しいのも事実で、裏のスペースを狙った動きがなければ、浦和のディフェンスラインにギャップを作ることは出来ない。そういう事では結果は出なかったが51分、玉乃の突破に呼応して平本が後方から飛び込んでクロスに併せようとしたシーンがあったが、このような動きが2列、3列目の選手からも行えれば、攻撃の幅がもっと広がってくるはずだ。

 ところでディフェンス面での問題は山積している。1失点目ではドリブルで深く食い込む岡野に3人の選手が釣られ、ファーにいた柳沢がゴール中央に入ったものの、その外にいたポンテはノーマークになってしまっている。また2失点目にしても1失点と同様に、中央のカバーに相馬が入った為に、ファーのマリッチをフリーにしてしまった。

 これらの場面の他でも東京Vはゴール前で相手選手に対するマークが甘くなることが多々あり、ボランチも含めた守備の役割分担、つまりどの選手が誰にどのようなマークをするのかの約束事が不明瞭なように思える。4バックシステムになって日が浅いことや、戸田が久々に先発という用件が重なっているとは言っても、現状は残り試合も少なく待ったなし。早急に選手間で話し合って手を打たねばなるまい。



 さて、先の両監督のコメントの裏を返せば、得点ほどには決して浦和の闘い振りは良い物ではなかったと言えよう。勿論、怪我人に加え、長谷部と永井といった攻撃の軸となる選手の出場停止で苦しい事情はあった。

 収穫という点では右アウトサイドに入った岡野がポンテやマリッチと上手くユニットとして機能していたということだろう。だがそれも後半は有効活用出来ず。それは中盤での単純なパスミスにより、サイドへのボール供給がぱったりと止まってしまったからだ。

 特に2得点と勝利に貢献したポンテではあるが、足の状態は思わしくなくこの試合の出場事態が危ぶまれていた。更に東京Vもポンテへガツガツと当たるシーンも数多く、3人掛かりで囲むことさえあった。そこにボールを集中し過ぎたこと、山田、酒井、鈴木のフォローも今1つ足りずにサイド攻撃が中途半端になった事は反省材料。次節もキープ力に長けた長谷部は出場停止なわけで、ポンテへ厳しいマークは予想される。そういうことではボールの分散、アウトサイドの活用を心掛け、バランスの取れた攻撃を仕掛けなければ、首位・G大阪との勝ち点4差に詰まった折角のチャンスを活かせないのではないだろうか。





(浦和レッズ) (東京ヴェルディ1969)
GK: 都築龍太 GK: 高木義成
DF: 坪井慶介 田中マルクス闘莉王 堀之内聖 DF: 柳沢将之 林健太郎(89分/退場) 山田卓也 相馬崇人
MF: 山田暢久 鈴木啓太(80分/細貝萌) 酒井友之 三都主アレサンドロ ポンテ(89分/エスクデロ) MF: 小林慶行 戸田和幸 小林大悟(52分/ジウ) 玉乃淳(89分/上村健一)
FW: 岡野雅行(84分/横山拓也) マリッチ FW: ワシントン 平本一樹(88分/退場)
SUB: 山岸範宏 赤星貴文 SUB: 水原大樹 小野雄平 久場政朋
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