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 webnews 05/12/18 (日) <前へ次へindexへ>
久保の2発も及ばず。守備力に勝る川崎Fが準々決勝へ
第85回天皇杯全日本サッカー選手権大会 5回戦 横浜F・マリノスvs.川崎フロンターレ

2005年12月10日(土)13:03キックオフ 長崎県立総合運動公園陸上競技場 観衆:8155人 天候:晴
試合結果/横浜F・マリノス2−3川崎フロンターレ(前0−1、後2−1、延前0−1、延後0−0)
得点経過/[川崎]フッキ(24分)、[横浜68分]久保(68分)、[川崎]フッキ(73分)[横浜]久保(89分)、[川崎]中村(97分)


取材・文/中倉一志

 県下のサッカー協会や学校、そしてサッカークラブが仕立てた大型バスとマイクロバスがスタジアムの周りにずらりと並ぶ。さらに一般用の駐車場も車の山。すし詰め状態とは正にこのことで、先頭の車が動き出さない限り、他の車は全く身動きできない状態だ。「子供がサッカーをやっていると、親の分と子供の分のチケットの斡旋が協会からあるんですよ」。タクシーの運転手さんが話してくれたが、その言葉に強制されているという響きはない。年に一度のトップレベルの試合を長崎県のサッカーファンは心待ちにしている。

 さて、そんなサッカーファンで賑わう長崎県立総合運動公園陸上競技場に姿を現したのは、横浜F・マリノスと川崎フロンターレ。リーグ戦の順位は横浜FMの9位に、川崎Fの8位と、ともに中位の成績で今シーズンを終えた。しかし、対戦成績では川崎Fが2戦2勝とリード。川崎Fにすれば、この試合も制してベスト8進出を果たしたいところ。横浜FMにしてみれば、同じ相手に3連敗という結果は受け入れ難く、是が非でも勝利が欲しい。



 ともに3−5−2の布陣の両チーム。横浜FMはワンボランチの上野を起点にしてボールを回し、前後左右に動くグラウがボールを引き出す。しかし、やや押し気味に試合を進めるものの、フッキを捕まえきれない守備に安定感が感じられず主導権を握るには至らない。対する川崎Fは中盤を自由に動き回るマルクスがポイントを作り、中村がスペースへスルーパスを送る。手堅い守備からのカウンター攻撃という、いつものスタイルで臨むが、ボールを奪ってからのパスミスが多く、こちらもチャンスを作れない。試合は膠着状態で進んでいく。

 そんな試合が動いたのは24分。相手ボールを奪った川崎Fは我那覇、マルクスとつないで中央を突破。そして、マルクスからのラストパスを受けたフッキがフリーの状態から右足を一閃。川崎Fにとって最初のシュートが横浜FMのゴールネットを揺らした。そして、ここからは「中盤を支配されないように高い位置からプレスをかけ、しっかりと守備から入っ攻撃につなげる」(関塚隆監督・川崎F)という狙い通りの展開で川崎Fが試合を進めていく。横浜FMは前に出ているように見えて攻め手を見つけられず、川崎Fの術中にはまったままだ。

 後半に入っても、素早く自陣に引いて堅牢な守備ブロックを形成する川崎Fの前に、攻め手を見つけられない横浜FMは60分、中西、坂田に代えて、奥と久保を投入。ドゥトラと田中を最終ラインに下げて最終ラインを4バックに。中盤の底に奥と上野を並べ、右に大橋、左にマグロンを配置する。「相手が4バックにしたことで中盤と最終ラインを下げられてゴール前で守備をする時間が増えた」(関塚監督)。ようやく、横浜FMがリズムを刻みだした。



 横浜FMの同点ゴールが生まれたのは68分。奥の浮き球のスルーパスに反応して最終ラインの裏側に飛び出したのは久保。GK相澤との1対1の場面から豪快に左足を振り抜いた。奏功した選手交代。これで流れは横浜FMに傾くかと思われた。ところが、横浜FMは簡単に流れを手放してしまう。73分、ペナルティエリア左角付近でボールを受けたフッキに勝ち越しゴールを奪われたのだ。ゴール前に十分人数は揃っていたのだが、誰もプレッシャーをかけず、ただフッキのプレーを見ているだけ。これでは失点するのもやむを得ない。

 この後、3トップ気味にしてゴールを目指す横浜FMに対し、川崎Fは我那覇に代えて佐原を投入。寺田をフォアリベロの位置に上げて、佐原、箕輪の3人で相手の3トップをマンツーマンで押さえ、後方に余る伊藤がこぼれたボールをカバーする。攻め手を封じられた横浜FMにチャンスらしいチャンスはない。

 提示された3分間のロスタイムも残り数十秒。中村が横浜FM陣内右サイドの深い位置までボールを持ち出した。誰もがコーナーポスト付近でのボールキープを予想したが、中村の選択はセンタリング。このプレーが試合を再び振り出しに戻した。このボールをキャッチしたGK榎本のフィードから、横浜FMはボールをつないで右サイドを突破する。ゴール前へ送られるクロスボール。そこへ頭から久保が飛び込んだ。次の瞬間、川崎Fのゴールネットがゆれ、再開のキックオフと同時に90分間の終わりを告げるホイッスルが鳴った。

 川崎Fの判断ミスから生まれたロスタイムの同点ゴール。しかも、逃げ切りを図っていた川崎Fは守備的な選手交代をしており、延長戦は横浜FMの有利が予想された。しかし決勝点を挙げたのは川崎F。97分、中村の右足が横浜FMゴールを捉えた。そして川崎Fは、残り時間を堅固な守備組織で守り抜いて準々決勝進出を果たした。



 どちらにも勝機のある試合だった。そんな試合の勝敗を分けたのは守備の差だったと言える。横浜FMが喫した2点目は、前述の通り、ボールウォッチャーになったところから奪われたもの。決勝ゴールも、相手の動きに振り回されたDF同士がぶつかってしまい、シュートコースを空けてしまったことが失点の直接の原因になった。防ごうと思えば防げた2失点。守備が機能しなければ勝利を掴むのは難しい。

 一方、川崎Fは2失点を喫したとはいえ、試合を通じて高い守備意識を発揮。難しい試合の中で堅固な守備が自分たちの拠り所となっていた。特に、ゲームが動き出した60分過ぎからは、早めに前に放り込んでくる横浜FMの攻撃を、寺田を中心とする最終ラインがことごとく跳ね返した。微妙に揺れ動くリズムを相手に渡してしまわなかったのは、この守備力によるところが大きかった。準々決勝の相手は浦和レッズ。リーグ戦で1分1敗の相手にリベンジを果たすべく埼玉スタジアムに乗り込む。






(横浜F・マリノス) (川崎フロンターレ)
GK: 榎本哲也 GK: 相澤貴志
DF: 栗原勇蔵 中西永輔(60分/奥大介) 須藤大亮 DF: 箕輪義信 寺田周平 伊藤宏樹
MF: 田中隼麿 上野良治 マグロン ドゥトラ 大橋正博(83分/清水典久) 坂田大介(60分/久保竜彦) MF: 森勇介 中村憲剛 谷口博之 相馬直樹 マルクス(60分/原田拓)
FW: グラウ FW: 我那覇和樹(75分/佐藤秀樹) フッキ(114分/黒津勝)
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