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 webnews 05/12/18 (日) <前へ次へindexへ>
INACイレブンと子供たち。
INAC・米津(赤)に食い下がる、日ノ本の丸本(青)。
INAC、同県対決を制して、ベスト8進出。
第27回全日本女子サッカー選手権大会2回戦 INACレオネッサvs. 日ノ本学園高校

2005年12月11日(日)13:00キックオフ 美作ラグビー・サッカー場 観衆:600人 天候:曇時々晴
試合結果/INACレオネッサ6−0日ノ本学園高校(前1−0、後5−0)
得点経過/[INAC]保手濱(8分、46分)、ゴンサルベス(44分、74分)、渡辺(70分)、平野(76分)


取材・文/西森彰

 岡山ラグビー・サッカー場の第2試合は、兵庫県下のチームの対戦となった。

 2005年、L・リーグに加盟するやいなや、1試合平均約4点という圧倒的な攻撃力で、L2リーグの優勝を飾ったINACレオネッサ。この全日本女子選手権に入っても、1回戦で北海道文教大学明清高校に10対0の勝利と、その勢いは止まらない。

 これに対するは、常連となってきた日ノ本学園高校。今大会は、L1所属の宝塚バニーズレディースSCと延長戦まで戦い抜いて1対1のタイスコア、PK戦でこれを破る、ジャイアントキリングを演出し、2回戦に勝ち進んできた。

 同県ということもあり、何度か練習試合で対戦し、互いに手の内は分かっている。「今大会の前に、宝塚さんとも、日ノ本さんとも、練習試合をさせていただいていたんです。だから、どちらが勝ちあがってくるにしても、お互いに手の内をわかっているので、そういうやりにくさはありました」とINACの田渕径二監督。



 INACは3−4−3が基本陣形。左サイドハーフの米津美和が高いポジションをキープし続け、逆サイドの中野真奈美は守備時には、人数あわせのために最終ラインまで戻る。そのため、攻撃時には2−4−4、守備時には4−2−4に見える流動的なスタイルだ。

 日ノ本学園は、4−5−1気味の布陣。 足に包帯を巻いている選手が複数いるばかりか、前半で2枚の交代選手を投入していたように、日ノ本学園のコンディションは最悪だった。「ウチはわりと楽なゲームだったんですが、日ノ本さんと宝塚さんの試合は延長戦まで激しいゲームでしたし、L1との対戦だったので、ケガをしている選手もいたみたいですし、その差はあったと思います」(田渕監督・INAC)。

中野は、右サイドで攻守のバランスを取った。
日ノ本学園と子供たち。
 それでも、このチームは勝利の可能性を諦めない。4バックがきっちりとラインを形成して、INACの3トップにも粘り強く食らい付いていく。8分に保手濱理恵にゴールを許したものの、上嶋明監督の指示で高くチャレンジしていたラインを、ペナルティエリア付近まで下げると、ここをベースにした守備で、INACに追加点を許さない。前半はINACが1点をリードしたまま、終了した。

 このままのペースに嵌まって泥仕合に持ち込まれると、サッカーだけに1点差ではわからない。INACは、中途半端にゲームをコントロールするよりも、このまま攻め倒すほうが、リスクが小さいと考え、後半も立ち上がりからラッシュをかけた。そして、中野からのパスを受けたデルマ・ゴンサルベスが、きれいなシュートを叩き込む。2分後にも、混戦の中で渡辺千尋から保手濱とつないで3点目。

 それでも日ノ本学園はタオルを投げない。1点差の時と同じモチベーションで、ゲームを続ける。コンマいくつかの可能性に賭けて、相手選手とボールを追い、スペースを消し、シュートコースに身を投げ出す。INACも、全く手を抜くことなく、さらにゴールを狙って日ノ本学園を攻め立てる。70分過ぎから、渡辺、ゴンサルベス、そして途中出場の平野回梨佳がゴールを奪い、最終スコアは6対0になった。



 シュート数はINACの27本に対し、日ノ本学園は楠元史が放った1本だけ。点差も開いたが、全くダレた時間帯のない好ゲームだった。それは日ノ本学園イレブンの、最後まで諦めない敢闘精神が生み出した。スタンドからチームメイトが送っていた声援も含めて、正真正銘のグッドルーザーだった。

 そして、その日ノ本学園につきあい、最後まで手を抜くことなく、攻め続けたINACのおかげでもある。3点差がついたところで、ゲームを殺すこともできたが、このチームは最後までゴールに向かい続けた。

「こういうカテゴリーでやらせていただいているんで、見に来てくださった方に『面白くないな』と思われて帰られるよりも、『負けちゃったけれども、面白かったな』と思ってもらえるような、前がかりなサッカーを続けたいです」(田渕監督)

 その攻撃サッカーを続けられるかどうかの試金石となるのが次のゲーム。ベスト8の対戦相手は、L・リーグの女王、日テレ・ベレーザだ。





(INACレオネッサ) (日ノ本学園高校)
GK: 根本美沙貴 GK: 松本彩
DF: 井野美聡、菅亜矢子、柳井里奈 DF: 菊地由香里、丸本明奈、木本朋美、横道玲夏
MF: 中野絵美(77分/井本幸乃)、ラファエラ・アンドラージ・ジ・モラエス、小林未央、米津美和 MF: 三浦ちあき(30分/坂田睦、76分/楠元史)、井田舞佳、山内典子、小山季絵、田原のぞみ
FW: デルマ・ゴンサルベス、渡辺千尋、保手濱理恵(63分/平野回利佳) FW: 上田絵未(39分/小道都)
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