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 webnews 05/12/22 (木) <前へ次へindexへ>
来期を見据えて、INACが女王に挑む。
日テレ、三冠へ加速。INACの挑戦をあっさり退ける。
第27回全日本女子サッカー選手権大会 準々決勝 日テレ・ベレーザvs. INACレオネッサ

2005年12月17日(土)11:00キックオフ ひたちなか市総合運動公園陸上競技場 観衆:364人 天候:晴
試合結果/日テレ・ベレーザ8−0INACレオネッサ(前2−0、後6−0)
得点経過/[日テレ]酒井(19分)、澤(23分)、大野(46分)、荒川(47分、68分)、伊藤(58分、70分)、近賀(73分)


取材・文/西森彰

 兄貴分の東京ヴェルディ1969が今シーズン、降格の憂き目にあった。ここにこう書いていてもまだ信じられないのだが、その裏街道で妹分の日テレ・ベレーザは快進撃を続けている。国体、リーグ、全日本女子のいわゆる女子三冠。その二つを手にして、最後のトーナメントに臨む日テレ。「トップの分まで頑張ってもらわなくっちゃ」とは日テレの関係者。

 今回、このクイーンに挑戦するのは、ぶっちぎりでL1昇格を決めたINACレオネッサだ。美作で来シーズンへの手応えを尋ねた時に「L1のチームとは、今年の夏に練習試合をしてもらって、その時は3試合ともボロボロにやられました。だから、別に警戒はされていないと思います。来年は『ちょっと危険だな』くらいには頑張りたいです」と語っていたINACの田渕径二監督。



INACイレブンと子供たち。
 日テレはいつもどおりの4−4−2。酒井與惠、伊藤香菜子のダブルボランチ、トップ下でシャドーストライカーを受け持つ大野忍が、中盤で三角形を作り、その中心で澤穂希が自由を手にしている。2トップは新旧のなでしこFW。DF陣も代表経験者が揃い、何時見ても破壊力溢れる布陣だ。

 青コーナーのINACも、小手先の対応策をとることなく、自分たちの良さを最大限に引き出すべく、前がかりの3−4−3。L1クラブに木っ端微塵にされてから半年。成長を試す意味で、日テレとも五分に張って出た。

 五分に立ち合うのは失点のリスクも増大するが、かといってゴールを固めているだけでは、これだけのタレント集団を相手に無失点で切り抜けることは不可能。実は、今シーズンの日テレが苦戦しているのは、自陣に引き篭もられた時ではなく、オールコートゲームに巻き込まれた時。攻撃時に威力を発揮する自由なポジションチェンジが、守備の第一歩を遅らせるデメリットになるからだ。

 このINACの姿勢に日テレは慎重に対応する。左サイドの中地舞がオーバーラップしても、右サイドの川上直子は対面する相手のゲームメーカー・米津美和を監視下に置くため、攻撃参加を自重する。INACは自分の良さを押し出すことで、日テレの攻撃力を減退させた。もっとも、それも試合開始のホイッスルから20分間弱の間だったが…。

 日テレは、INACのDFが人につく守備をしていることを考え、2列目以降の選手が、ラインのギャップを突いたスルーパスを送り込む。これが徐々に効果を現し、決定機が生まれ始めた。幾度か危ないシーンに見舞われた日テレだったが、19分、大野のドリブルから酒井の先制ゴールが生まれる。さらに23分、相手ゴール左からのフリーキックで、INACの集中が散漫になったところを、澤が壁を蹴散らす強烈な弾道で追加点をあげる。



伊藤の2ゴールを含む8得点。日テレは地力を見せ付けた。
「前半の2失点で、特に外国人の集中力が切れてしまった」と田渕監督。今シーズン、公式戦で一度も負けていない、いわば負け慣れていないチームだけに、「最小点差で傷口を塞ごう」という消極的な発想は生まれてこない。これが、事態を最悪のものにしてしまった。

 後半開始早々に大野、荒川に加点されると、もういけない。「とにかく、1点でも返そう」と前に出ては、切れ味鋭いカウンターを食らう。その起点になったのは、なでしこジャパンのエース・荒川恵理子。スピードでDFを振り切り、あるいはキープ力を生かしてタメを作り、後半、日テレがあげた大量点のほとんど全てに絡む大活躍だった。

 一度、歯車が狂ってからは脆かった。10対0、6対0から、急転直下の0対8。対戦相手が2回続けての高校生チームから、女子サッカー最強チームへ急激にレベルアップしたことも影響があったに違いない。ある程度、覚悟をしていたにせよ、田渕監督以下INACの選手・スタッフも、この日の結果は応えたことだろう。

 それでも、来期が開幕してからショックを受けるのと、前のシーズンにショックを受けておくのでは大違い。この日、彼女たちが飲まされた苦い薬は、ベスト8まで勝ちあがった報酬と捉えることもできる。来シーズンは、韓国女子代表選手の加入など、まだまだポジティブな要素がある。生まれ変わったチームとして、大きな驚きを与えてくれることを期待したい。



日テレイレブンと子供たち。
 先週の試合後には「頼むから、普通にサッカーをやってくれ」と、厳しい言葉が口を突いていた日テレの松田岳夫監督も、この日は笑顔を見せた。

「(『1年間積み重ねたものが出ていたように思いますが?』)場面場面ではそうですけれども、リーグ戦が終わってから少し中断期間もあったんで、(1、2回戦では)まだまだコンビネーションが上手くいかないこともありました。ようやく、その辺りが合うようになってきたように思います」

 快勝にも、全く手綱は緩まない。次は、浦和レッドダイヤモンズレディースとの準決勝。唯一の死角は、リーグ戦以降、L1との対戦から遠ざかっていること。この日のINAC同様、いきなり対戦相手のレベルがあがるわけだが、松田監督に迷いはない。

「相手うんぬんもありますけれども、自分たちがやるべきことをやれば良いと考えています。だから、あまり気にしていません」

 一年間、選手と一緒になって最高のサッカーを志向してきた指揮官は、このチームの強さを誰よりも信じている。



(日テレ・ベレーザ) (INACレオネッサ)
GK: 小野寺志保 GK: 根本美沙貴
DF: 川上直子、岩清水梓、四方菜穂、中地舞(81分/宇津木瑠美) DF: 井野美聡、菅亜矢子、柳井里奈
MF: 酒井與惠、伊藤香菜子、澤穂希、大野忍(71分/近賀ゆかり) MF: 中野絵美(53分/梅林早知)、ラファエラ・アンドラージ・ジ・モラエス(75分/高木未来)、小林未央、米津美和
FW: 永里優季(56分/小林弥生)、荒川恵理子 FW: デルマ・ゴンサルベス、渡辺千尋、保手濱理恵(59分/平野回利佳)
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