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 webnews 05/12/24 (土) <前へ次へindexへ>
これぞサプライズ!岡山湯郷、初のベスト4へ
第27回全日本女子サッカー選手権大会 準々決勝 伊賀FCくノ一vs.岡山湯郷Bell

2005年12月17日(土)11:00キックオフ 西京極総合運動公園陸上競技場 観衆:379人 天候:晴
試合結果/伊賀FCくノ一1−4岡山湯郷Bell(前1−0、後0−4)
得点経過/[伊賀]水本(30分)、[岡山]宮間(56分)、中田(63分)、城地(77分)、佐藤(89分)


取材・文/中倉一志

 試合終了のホイッスルが西京極総合運動公園陸上競技場に響き渡る。その瞬間、岡山の選手たちが喜びを爆発させた。ここまで一度も勝たせてくれなかった伊賀を4−1と一蹴。そして初のベスト4進出。涙を流す選手もいれば、あちこちで抱き合う姿も見える。その歓喜の輪はピッチを引き上げた後も、しばらくの間、静まることはなかった。後半、相手が10人になったことが試合に影響を与えたことは確かだが、それ以上に、チームの成長が感じられた試合だった。

「(サプライズという言葉を)有言実行にしたかったので、それが最後の大会で実現出来てよかった」。本田美登里監督(岡山)の表情にも満面の笑みが浮かぶ。しかし、大会はまだ準々決勝が終わったに過ぎない。そしてもちろん、本田監督もここで終わる気持ちはない。「うちは成長の中にいるチーム。伊賀云々じゃなく、行けてもおかしくなかった。行けたことで満足するレベルじゃない。それでは成長が止まってしまう。次が本当の山場」。目指すは元旦の国立だ。



 伊賀のゲームを作るのはトップ下の原歩。ダブルボランチの堤早希と那須麻衣子とのパス交換から起点を作って両サイドへ送り、右からは藤村智美が、左からは佐藤愛が突破を仕掛ける。対する岡山はターゲット役を務める田中静江の周りを加戸由佳が動き回り、2列目から宮間あやがスペースへの飛び出しを狙う。しかし、この主導権争いの時間帯をどちらも譲らず。風上に立つ伊賀がやや押し気味の展開も、試合はこう着状態のまま進んでいく。

 試合が動き出したのは25分を過ぎた辺りから。中盤の主導権を握った伊賀は、存在感を見せ付ける原を中心にゲームを支配。そして、右サイドから藤村が再三サイドを切り裂いていく。ここまで高い集中力を維持していた岡山も、左右にボールを回されて、次第に選手同士の距離が開いて守備がルーズになっていく。そして30分、藤村から中央へボールが送られると、そこへ走りこんできたのは水本喜美。最後はGKとの1対1から、落ち着いてゴールへと流し込んだ。

 伊賀にしてみれば、この勢いのままに攻め込んでしまいたかったところだろう。しかし、岡山はそれを許さなかった。「前半は風下だったので、戦術的にも、自分の中でも我慢しようというのがあった」(宮間・岡山)。岡山は綻びかけた守備を整え、エース宮間も前へ出たい気持ちを抑えて低い位置でのプレーを続ける。やがて、再びこう着状態に陥った試合は1−0のままで前半を終えた。「先制点を取られてしまったけれど、1点で抑えられたことが大きかった」(宮間)。そして後半、岡山の反撃が始まった。



 後半に入ると岡山は高い位置からボールを追い始めた。52分にはCKのこぼれ球から、この試合最初の決定機を演出する。そして55分、後方から伊賀のDFラインの裏へ送ったボールに鋭く反応したのは中田麻衣子。一瞬のスピードで裏を取ると、そのままゴール前へ。目の前にはGK小林舞子の姿しか見えなかった。しかし、追いかける宮崎有香が後ろから接触。中田がペナルティエリア内で転倒すると、大きなホイッスルと同時にレッドカードが宮崎に提示された。

 この判定で得たPKを宮間が決めて同点に追いついた岡山は一気に勝負を仕掛ける。「数的有利を生かしたかったので、SBを攻撃の起点になるように前目に上げた」(本田監督)。3−5−2から、4−3−2にシフトした伊賀の中盤に襲い掛かるとゲームを一方的に支配。宮間も我慢していた気持ちを解き放つように、中盤に出来たスペースを利用して自由奔放に動き回る。そして63分、宮間のラストパスを受けた中田が逆転ゴールを奪った。

 点を取りにいかなければいけなくなった伊賀は、再びフォーメーションを3−4−2に変更。しかし、勢いに乗る岡山は攻撃の手を緩めない。77分には、右からのCKに城地が頭で合わせて3点目をゲット。81分には藤井奈々のプレーが得点機会阻止と判定されて退場処分を受けて数的優位な状況はなくなったが、ロスタイムには宮間のFKを佐藤シェンネンがヘディングシュート。情け容赦なく伊賀に止めを刺して試合を終わらせた。



 試合を決定付けたのは、同点となった直後の攻防だった。伊賀の取った対処方法は、前線の人数を減らさないまま中盤を3ボランチにすること。そして、最終ラインの人数を増やすことで守備の安定を図った。一方の岡山は、ここぞとばかりに両SBを高い位置に。これで岡山が中盤で圧倒的に有利な状況を作り出した。それが宮間に自由な時間とスペースを与えることにもつながった。これでは伊賀に勝ち目はなかった。

 岡山の準決勝の相手はL1・2位のTASAKI・ペルーレ。リーグ最終戦では1−8で敗れた。岡山にとっては強敵。しかし、ひるむ必要はどこにも無い。「今日がサプライズだったら、次はミラクルになると思う。ミラクルというものが実際に出来るかどうか、またトライしたい」(本田監督)。「自分たちは失うものは何もない。どこが相手でも今日以上の試合をして胸を張ってグラウンドに立ちたい。監督の言葉が現実になるように頑張りたい」(宮間)。

 さて岡山は西が丘サッカー場でミラクルを起すことが出来るだろうか。キックオフは12月25日(日)13:00。サッカーファンなら見逃せない。




(伊賀FCくノ) (岡山湯郷Bell)
GK: 小林舞子 GK: 福本美穂
DF: 馬場典子 山岸靖代 宮崎有香(55分/退場) DF: 杉本あすか 藤井奈々(81分/退場) 城地泰子 佐藤シェンネン
MF: 藤村智美 那須麻衣子 堤早希(72分/吉泉愛) 佐藤愛 原歩 MF: 赤井歩 北岡幸子 中田麻衣子 宮間あや
FW: 村岡夏希(72分/井坂美都) 水本喜美(76分/小野鈴香) FW: 加戸由佳 田中静佳(84分/江口なおみ)
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