topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
 webnews 05/12/24 (土) <前へ次へindexへ>
苦しみながらも、TASAKIが準決勝へ
第27回全日本女子サッカー選手権大会 準々決勝 スペランツァF.C高槻vs.TASAKIペルーレ

2005年12月17日(土)13:18キックオフ 西京極総合運動公園陸上競技場 観衆:410人 天候:晴
試合結果/スペランツァF.C高槻2−3TASAKIペルーレ(前1−2、後1−1)
得点経過/[TASAKI]鈴木(1分)、[高槻]中江(38分)、[TASAKI]大谷(43分)、甲斐(48分)、[高槻]相澤(53分)


取材・文/中倉一志

「今日は結果だけです」。順当に準決勝進出を決めたTASAKIの仲井昇監督だが、その表情は冴えなかった。シュート数を見れば、自ら放ったシュート12本に対し、相手に許したシュートは2本。TASAKIの勝利は当然の結果だったように見える。しかし、そのほかの数字は、ほぼ互角。監督が振り返ったように、ゴール数以外の部分では、両チームの差が出なかった試合だった。むしろ、ボールに対する働きかけという点では、高槻の方が上回っていた印象すら残った。

 試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、両手を突き上げて勝利を喜ぶ選手がいたことは、選手たちも同様に苦しい戦いだと感じていたことが窺い知れる。しかし、負ければ全てが終わるトーナメント戦は勝つことが最優先。TASAKIは、その結果を手に入れて準決勝へ駒を進めた。「厳しい試合をしたんで、むしろ、1週間で気持ちも入ると思う」(仲井監督)。1週間でどこまで状態を戻せるか。それが3年ぶりの女王の座奪回の鍵になる。



 先制点は、誰も予想すらしない時間に生まれた。キックオフ直後の間接FKを中央で受けた鈴木智子が、そのままドリブルでゴール前へ。そしてあっさりとゴールネットを揺らした。記録された得点時間は1分。「やはりTASAKI」。早くもスタンドにそんな空気が流れる。しかし、TASAKIのペースは上がらなかった。「あまりにも早く点が入りすぎてしまったので、後がだれてしまった」(仲井監督)。ここからTASAKIはらしくないサッカーに終始した。

 むしろリズムを刻んだのは高槻の方。4−5−1の布陣の高槻は、TASAKIを上回る鋭い出足で中盤のボールを拾い、相手ボールには必ず数的優位を保って、チャレンジ&カバーを繰り返す。そして、相手に前を向かれる前に素早く帰陣し、奪ったボールはサイドに預けて前に出る。攻撃を仕掛けるときにボールサイドのSBを高い位置に出させるスタイルは、3−5−2、4−5−1、4−4−2と状況に応じて布陣を変化させるが、その移行のタイミングがスムーズでバランスの取れたサッカーを展開していく。

 高槻に同点ゴールが生まれたのは38分。混戦からボールを奪った中江真紀が左足でループシュート。ボールに飛びつくGK秋山智美の頭上を越えて、ゴールネットを揺らした。どうにもペースが上がらないTASAKIに、第1試合の結果がダブる。そんなTASAKIが「らしさ」を見せたのが43分。新甫まどか、土橋優貴と素早くつないで右サイドを突破すると、土橋がGKとDFの間に絶妙のクロスを送り込む。そして、そこへ走りこんで来た大谷美央が右足を合わせてゴールネットを揺らした。



 後半開始直後の48分にも、TASAKIはゴール前にこぼれたボールを甲斐潤子が押し込んで3点目をゲット。さすがに、これで試合は決まったかに思えた。しかし、それでもペースが上がらないTASAKIは、2点のリードを奪われても変わらぬ姿勢でボールを追いかける高槻を突き放せない。それどころか、試合の流れは前半同様、高槻の狙い通りに進んでいく。そして53分、右からのFKにゴール前に飛び込んだのは相澤舞衣。何故かマークを外してしまったTASAKIを尻目に、ドフリーの体制からヘディングシュートを決めた。

 その後も、試合は同じペースで進む。ただし、高槻にも問題点はあった。それはフィニッシュの形を作れないということ。セカンドボールを支配し、相手の攻撃を許さず、タイミングの良い攻守の切り替えを見せるものの、TASAKIの最終ラインを破る術を持ち合わせていなかった。試合内容は、とても2本のシュートしか打てないようなものではなかったが、結果としてシュートに持ち込めなかったのは、そういう理由からだった。

 1点差に迫ってからも、高槻には十分過ぎる時間があった。ペースが落ちない高槻のサッカーに、TASAKIは気が気でなかったことだろう。しかし、逆に言えば、相手のペナルティエリアから先にボールを運べなければゴールは生まれない。TASAKIにとってのジリジリする展開は、高槻にとっても同じような思いを抱かせていたかもしれない。やがて90分の終わりを告げるホイッスルが鳴る。結局、試合は3−2でTASAKIが逃げ切った。



「課題は残りましたが、全体としては、ある程度力を出し切ってくれたと思います。TASAKIさん相手に、ああいうゲームができたという部分では、来年につながる、少しずつ進歩は出てきていると思います」。細田真砂智監督(高槻)は、試合をそう振り返った。課題のひとつは、危険な時間帯に失った3失点。2失点目はともかく、残る24つのゴールは集中力を切らさなければ防げた失点だった。そして、もうひとつはフィニィッシュの形を整備することだろう。

 さて、準決勝に駒を進めたTASAKIだが、一言で言えば運動量が少なすぎた。「少しずつみんなの動きが遅いのと、パス出すところが遅かったり、その辺でリズムが完全につかめなかった」とは仲井監督。ボールを奪われてからの1失点目といい、相手をフリーにしてしまった2点目といい、DF面での課題も見えたが、それ以上に、中盤の運動量不足が目に付いた。しかし、実力でひとつ抜けているのは誰もが認めるところ。細かな修正というよりも、戦う気持ちを奮い起こすことが何よりも大切だろう。女王奪回を果たすためにも、準決勝は「らしい」戦いを見せて欲しい。






(スペランツァF.C高槻) (TASAKIペルーレ)
GK: 海堀あゆみ GK: 秋山智美
DF: 鳥越恵 中鍋美里 奥田亜希子 高見恵子 DF: 中岡麻衣子 白鳥綾 下小鶴綾
MF: 小中山咲子 松田望 庭田亜樹子 相澤舞衣 MF: 土橋優喜 新甫まどか 柳田美幸 甲斐潤子 山本絵美(64分/佐野弘子)
FW: 小野村亜矢 中江真紀 FW: 大谷未央 鈴木智子(89分/大石沙弥香)
<前へ次へindexへ>
topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
SEO [PR] 転職支援 冷え対策 オリンピック 掲示板 レンタルサーバー SEO