ギド・ブッフバルト監督（浦和レッズ）記者会見
第85回天皇杯全日本サッカー選手権　準決勝　浦和レッズvs.大宮アルディージャ


今日の試合の感想を。

　準決勝ということで、試合前からウチが優勢だと言われていたので、選手が逆にナーバスになったところがあった。実際に試合でもビルドアップの部分で非常にミスが目立った。
　実際、1対０でリードした後、本来、ゲームを落ち着かせなければいけないところですが、ミスが３つ４つ重なって追いつかれてしまいました。

　後半に入りまして、相手にしっかりとプレッシャーをかけていくことができました。チャンスも何度か作り、得点もあげることができました。しかしながら、またミスが重なって、最後の最後、後半終了間際に追いつかれてしまいました。

　延長に入ってからは典型的なカップ戦ですね。というのは、とにかく両チームとも攻撃的にいった。ただ浦和のほうが大宮に僅かながら勝っていたかなと。特に、精神面で勝っていた。結果としては妥当な結果だったと思いますが、残念ながら、今日は30分ばかり長くゲームをしてしまった。

　聞いた話だと25年ぶりという決勝らしいですが、決勝を戦う以上はしっかりとカップを手にしたいと思います。今日の選手たちの強さ、精神力の強さをもってすれば、決勝もいけるんじゃないか。そう思います。今日は30分多くゲームをしましたが、それでもそう思います。


後半、ゲームがうまく行った理由は？

　とにかく、練習中からやってきたことなのですが、岡野と三都主からチャンスを作るサイド攻撃を重視していた。しかし、中央に選手が足りなかった。トップ下のふたり、特にポンテがなかなかゲームに入りきれなかった。せっかくサイドを突破できても、中がいないという状態。それが前半でした。後半は、中央でボールをキープができるようになった。そこから、うまくいくようになった。


ポンテ選手を変えた後の失点。「しまった」と思いましたか？

　ポンテの交代自体は、体調面にも問題があったので仕方なかったと思います。延長でもいたらなとは思いますが、後悔はしませんでした。失点自体がミスの重なったもの。相手のＧＫが全くのノープレッシャーでボールを蹴れたということ。

　ただ、交代の後の試合を見ても分かるように、非常にウチの選手の成長が見える。特にメンタルの面です。例えばケガをして出られない選手がいる。そこに今日、２試合目の細貝選手が良いプレーを見せてくれた。赤星選手も同じ。十分にやれるというところを見せてくれている。

　たとえキープレーヤーと呼ばれる選手に何かがあっても、きちんと自分の責任を果たしてくれる若手が育っている。実際、今日、先発で出したメンバー以外に、田中達也から始まって、トゥーリオ、内舘、ネネといった選手がいなくなっている。それでも、これだけの試合ができる。


延長に入ってから、具体的な攻撃の指示は？

　長谷部選手をトップ下に入れて、酒井選手をボランチに入れました。特に具体的な指示はしていません。何故なら、それは練習の中でやっているし、選手たちも理解している。それを延長でいちいち言うようなことはしません。


前回の試合と今日の試合で、リードした後の戦い方がこうも違ったのは？

　おっしゃるとおりですね。今日、リードした後、冷静さが足りなかった。ひょっとするとナーバスになりすぎたのかもしれない。本来であれば、しっかりとボールをキープすることができますし、動いてスペースでもらうこともできたはずなんです。それなのに、それができなかった。ゲームをコントロールする条件が揃っているのにできなかった。その件に関しては調整して、次の試合までに修正したいと思います。


代表に選ばれた長谷部選手のデキは？

　今日も試合開始と同時にすばらしいパフォーマンスを見せてくれたと思います。今日の彼のプレーで、代表に選ばれておかしくないプレーヤーだということを証明してくれたと思います。私が見ている2年間、彼はコンスタントに良いプレーを見せてくれました。しかもまだ21歳です。今日、点を取ったから言うわけではありません。彼のダイナミックさや頭の良さということが、今日のゲームでは如実に出ていたと思います。

　代表監督のジーコさんは、彼を召集できることを喜ばなければいけないと思いますし、私は悲しいです。彼を代表に取られてしまうので。

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