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 Go for Athens 04/03/02(火) <次へindexへ>
Go for Athens 着々と準備を進める女子代表


取材・文/西森彰

 2月28日(土)、3週間に亘って行なわれた日本女子代表候補選手たちの合宿のトレーニング最終日。ようやくJヴィレッジまで取材に行くことができた。

 チーム合宿中の少年たちが目を輝かせて見守る中、最終日の午後は地元の男子高校生チームとの練習試合。30分のゲームを3本行なって、スコアは1本目が0対2、2本目が0対1、3本目が0対1。トータルで0対4の完封負けを喫したものの、それなりにチャンスも作り出して、内容的にはまずまず。この時期としては悪くない仕上がり具合に見えた。

 昨年、女子ワールドカップ終了後にお話を伺った際に「日本はカナダにはなれませんけれど、カナダができないサッカーができるはずです」と語ってくれた上田栄治・日本女子代表監督。高い評価を受けたパスサッカーをベースにさらに高みを目指す。チームのベクトルについて選手たちの共通認識もあり、ハーフタイムでも監督・コーチの言葉を待つまでもなく、それぞれが「できたこと、できなかったこと」を認識していた。

 この練習試合の中でいくつかシステムを試していたが、どのシステムも個々の選手の特徴を生かすことに重点が置かれたもの。得意なプレー、持ち味を出しやすいように配慮されたフォーメーションなので、選手たちのストレスも少ないはずだ。決戦を前にして、味方の戦術や狙いを明かすのは当サイトの本意ではないので、具体的な布陣については割愛させていただく。ぜひ、4月に行なわれる予選でご覧になっていただきたい。



「1本目は選手全体が戸惑っていた。そこでやられて、ようやく『やり返してやる』という開き直りが出てきたけれども、その気持ちが出るのがまだ遅い。ただ、それはこれから改善できると思うんですよね。本番まであと50日ぐらい。その中でもっと上げられると思います」と上田監督。基礎工事と言えるこの段階では、順調にスケジュールが消化されているようだ。

 何より、感じられたのが旺盛なチーム内の競争心だ。現時点でのレギュラー組と言える1本目のメンバーには、ワールドカップを経験していない選手も含まれている。上田監督は、この選手起用について「トレーニングの中で光るものがあった選手を、最初に使ったんです。『これは競争だ』ということは選手たちに言っている。だから次に出てきた選手も頑張るし、そこで良い面もかなり出てきたと思います」と説明してくれた。そして「もちろん、このまま最後まで行くとは限らない」とも。

 逆転のチャンス、そしてピンチはそこら中にある。「レギュラーを奪い返そう」「新しくレギュラーになるんだ」と意欲を見せてプレーした2本目のメンバーは、1本目を試合内容、闘争心で遥かに上回るパフォーマンス。そして3本目のメンバーもそれを追いかけ、代表枠20名への生き残りをかけて精一杯のプレーを見せる。「まだまだ諦めないよ」とアピールを続けるサブ組の闘志は、レギュラー組に「これでいいや」という中途半端な満足感を許さず、チーム力のアップにつながっている。



 最終メンバーに入る可能性があるのは、今回の合宿に参加した25名だ。「新しいメンバーを選ぶつもりはありません。ここに来たメンバーの中から」。上田監督は、今回のチームが最後のチームであることを明言した。これもチームの中で気になるポジションが発生していない証拠だろう。次の合宿は一週間後だ。

「ただし、次の22名が最終メンバーになるわけではありません。今回の25名の中での出し入れはありますし、最終登録は20名。大会開始の前々日に登録すれば良いわけで。何があるか分かりませんからね。ケガ人とか体調を崩す選手が出るかもしれませんから。そのあたりは最後まで見極めたいと思います」と、上田監督は最終結論を直前まで引っ張る予定だ。

 アウェーで厳しい最終予選を戦い始めた男子五輪代表の陰で、アテネを目指す女子代表の開戦準備もいよいよ佳境に入った。彼女たちが、4月24日にアテネ行きの切符を、そして4月26日にアジアチャンピオンの称号を手にできるよう、祈りたい。
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