topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
 Go for Athens 04/04/01(木) <前へ次へindexへ>
さあ、本番に向けて再加速だ!
Go for Athens(3) アメリカ遠征で連勝。そして「20名」が選ばれた。


取材・文/西森彰

 日本女子代表は3月中旬に福島のJヴィレッジで約1週間の合宿練習を行ない、アメリカ遠征に旅立った。遠征先ではWPSL(Women's Premier Soccer League)に所属する2つのチームと練習試合を行なった。WPSLはアメリカの女子サッカー独立リーグで、WUSA(Women's United Soccer Association)を目指す選手や、WUSAの中断に伴い、そこでプレーしていた選手も多数加わっている。本番直前の練習試合の相手としてはちょうど良いレベルと思われた。



 遠征先はアメリカ西部のカリフォルニア州。初戦の相手はサンフランシスコ・ナイトホークスだった。試合は17日(水)のナイトゲームで行なわれ、現地では入場整理券も配られたらしい。「(ナイトホークスについて)ちょっと弱かったですね、こっちは」と上田栄治日本女子代表監督。女子サッカーが盛んなアメリカのクラブチームでも、このあたりのクラスになると日本女子代表は問題にしないくらいの実力を既につけている。失点は「唯一の失点は、こちらが8点取った後のPKでした。主審じゃなくて、線審が旗を上げてアピールしたものです」(上田監督)。

 澤穂希がプレーしていたアトランタ・ビートの所属するWUSAよりも、実力的には下のWPSL。サンフランシスコ・ナイトホークスは、その北部リーグでも下位争いに甘んじているチームだ。それでも遠征初戦、そして昨年のワールドカップ・カナダ戦以来、久々の女子チームとのゲームである。慣らし運転としては格好の対戦相手に見えたが、今の日本女子代表にとってはやや食い足りない相手だった。期待通りのゴールラッシュを演じて8対1の大勝。グループリーグでは、こういうゲームで通過して欲しい。



晴れたり、降ったり、Jヴィレッジの天気は変わりやすい。
 ナイトホークス戦から3日後の3月20日(土)には、カリフォルニア・ストームとのゲームが行なわれた。このチームもWPSLの北部リーグに所属している。カリフォルニア・ストームは、昨シーズンもWPSLのチャンピオンシップこそ準優勝に泣いたが、レギュラーシーズンのリーグ戦では優勝を飾っている。先のサンフランシスコ・ナイトホークスとは違い、ここ数シーズンは常に3位以内で優勝を争うWPSLきっての強豪チームであった。

「現役ブラジル代表とか、元アメリカ代表の選手。それにメキシコ代表の選手もいるチームで、こちらはかなり強かったです」(上田監督)。この「メキシコ代表の選手」とは、昨年のワールドカップ・プレーオフ第2戦で来日したモニカ・クリスティーヌ・ゴンサレス。180センチの長身センターバックでセットプレーの場面では前線に上がり、しばしば日本のゴールを脅かしていた。

 日本女子代表はこの強敵を相手に、前半をリードして折り返す。後半、一度は同点に追いつかれたものの、その後3点を奪って突き放した。トータルスコアは4対1。「このゲームも失点はPKなんですよ。前のゲームでPKを取った副審が、主審をやっていて、今度は自分でファールの笛を吹きました。ファールはどちらもホールディングでしたが『普通、それ(笛を)吹くか?』というものでした。まあ、地元のチームへのプレゼントゴールでしょう」。そう言いながら、上田監督は笑った。

 アメリカ遠征を2連勝で締めくくった日本女子代表。試合結果を知った時には、まず2試合とも失点があった点を懸念したが、上記のようにどちらも「あり得ないPK」によるもの。どうやら気にするほどのことでは無いらしい。「どんどん良くなっている? そうですね。結局、慣れの問題です。彼女たちは吸収が早いんで、ある程度時間をかければ、すぐに対応してくれます」(上田監督)。まずは長期合宿の成果が出ている模様で一安心だ。



 このアメリカ遠征は参加した22名の選手を20名に絞るものでもあった。2002年ワールドカップのトルシエ・ジャパンのような例外はあるものの、常識的に考えれば、ケガや極端なコンディション不良などの理由が無い限り、この20名がそのまま登録メンバーになるはずだ。中心を占めたのは昨年の女子ワールドカップ・アメリカ大会を戦った選手たちで、このグループが全体の8割以上の17名を占めている。

 18人目に代表返り咲きを果たしそうな安藤梢(さいたまレイナスFC)がいる。以前にA代表でプレーしていた時のポジションはFWだったが、今は所属クラブと同様、2列目以下での働きを期待されての復帰となっている。そして残り2名は女子A代表のキャップを持たない下小鶴綾(スペランツァFC高槻)と永里優希(日テレ・ベレーザ)のフレッシュなふたりである。

「やっぱり22名から『あと2名』というのは、正直言って厳しかったですね」

 田崎ペルーレFCの川上直子が、22名で過ごしたこの2週間について漏らした。メンタル面もタフに見える彼女でさえストレスを感じた厳しい競争は、参加した選手たちに心身両面で大きな負荷を課していた。ギリギリで外れた近賀ゆかり、四方菜穂(ともに日テレ・ベレーザ)の分まで、身に着けた強い精神力を武器に、これから本番への過程を乗り切ってくれると信じたい。



ついに「20名」まで絞られた。
<日本女子代表(3月30日時点)>
監  督  上田 栄治  【(財)日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ】
コーチ  吉田 弘  【(財)日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ】
GKコーチ  川島 透  【(財)日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ】
GK 山郷 のぞみ  1975.01.16  164cm  60kg  さいたまレイナスFC
小野寺 志保  1973.11.18  163cm  52kg  日テレ・ベレーザ
DF 大部 由美  1975.02.15  167cm  62kg  YKKフラッパーズ
磯崎 浩美  1975.12.22  163cm  52kg  田崎ペルーレFC
宮崎 有香  1983.10.13  164cm  58kg  伊賀FCくノ一
山岸 靖代  1979.11.28  163cm  62kg  伊賀FCくノ一
矢野 喬子  1984.06.03  164cm  55kg  神奈川大学
下小鶴 綾  1982.06.07  167cm  53kg  スペランツァFC高槻
MF 酒井 與惠  1978.05.27  158cm  48kg  日テレ・ベレーザ
小林 弥生  1981.09.18  156cm  50kg  日テレ・ベレーザ
安藤 梢  1982.07.09  164cm  55kg  さいたまレイナスFC
川上 直子  1977.11.16  156cm  50kg  田崎ペルーレFC
山本 絵美  1982.03.09  158cm  53kg  田崎ペルーレFC
柳田 美幸  1981.04.11  158cm  54kg  田崎ペルーレFC
宮本 ともみ  1978.12.31  168cm  59kg  伊賀FCくノ一
FW 荒川 恵理子  1979.10.30  166cm  55kg  日テレ・ベレーザ
永里 優季  1987.07.15  167cm  60kg  日テレ・ベレーザ
丸山 桂里奈  1983.03.26  162cm  56kg  日本体育大学
大谷 未央  1979.05.05  160cm  49kg  田崎ペルーレFC
澤 穂希  1978.09.06  163cm  57kg  日テレ・ベレーザ


<AFC女子サッカーオリンピックアジア予選>
グループA  北朝鮮、シンガポール、チャイニーズ・タイペイ、香港
グループB  中国、ミャンマー、韓国、グアム
グループC  日本、ベトナム、タイ


<日本の試合日程(一部予定含む)>
4月18日(日) 12:00  日本VSベトナム  駒沢陸上競技場
4月22日(木) 19:00  日本VSタイ  国立霞ヶ丘競技場
4月24日(土) 19:00  グループAの1位VSグループCの1位  国立霞ヶ丘競技場
19:00  グループBの1位VS2位の最上位チーム  広島ビックアーチ
4月26日(月) 15:45  3位決定戦   広島ビックアーチ
18:30  決勝戦  広島ビックアーチ
※決勝戦に進んだ2カ国がアテネ五輪への出場権を獲得する。
<前へ次へindexへ>
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送