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 Go for Athens 04/04/16(金) <前へ次へindexへ>
Go for Athens(12) ベトナム戦予想メンバー


取材・文/西森彰

 上田栄治・日本女子代表監督は「チーム内の競争」をテーマにした福島合宿で、個々の精神力、体力を伸ばした。そして、静岡に入ってからは「もう、私の中では3戦をどのような形で戦うか、大体決まっています」とチーム内をグループ分けしながら、トレーニングに励んできた。サブメンバーは紅白戦で相手チームの選手役をこなすこともあったが、ここまで残った選手たちから「何で私が…」という不満は(少なくとも表面上は)出ていない。

 福島合宿当時の、声をかけるのもためらわれるようなピリピリとした一触即発の雰囲気は消し飛んだ。静岡の合宿所では、笑顔でひとつのチームとして目標を目指す選手たちの姿があった。「やっぱり『20名に選ばれた』ことで一息つけたんじゃないですか。まだ、ここからもレギュラーを目指す戦いがありますが」。福島合宿を通して「競争」を意識付けていた上田監督も、ここに来てチームとしてのまとまりが出てきたことに、内心、胸をなで下ろしたはずだ。

 4月14日(水)に行なわれた中国女子代表との親善試合は0対1で落としたものの「期待した効果は得られた」(上田栄治・日本女子代表監督)。このゲームで得たものをフィードバックしながら微調整を行ない、4月18日(日)、日本女子代表はアテネへ向けて初戦を迎える。

(福島合宿の様子については、トップページ右の「Go for Athens(女子代表特集)」を、対戦相手のベトナムについては「Go for Athens(9)ライバルの横顔」を参照されたい)



 ここで、先発メンバーとシステムを予想してみよう。私は各メディアが伝えるようなトリプルボランチの4−3−1−2ではないと思う。中盤で左の山本絵美(TASAKIペルーレFC)が高いポジションを取り、中央にはボランチが2枚。右サイドを空けて、トップ下に澤穂希(日テレ・ベレーザ)を配するはずだ。

 横浜F・マリノスと左右対称の陣形をイメージしてもらえれば良いだろう。澤が奥大介で、山本が佐藤由紀彦、右サイドバックの川上直子(TASAKIペルーレFC)がドゥトラ。尤も、攻撃の約束事や、コースの切り方、プレスのかけ方などディフェンスのやり方は、横浜FMとは少し違うのだが、これ以上は「書き過ぎ」なのでアテネ行きの切符を取ってから、ゆっくりと解説したい。

 GKは山郷のぞみ(さいたまレイナスFC)。4バックは右から川上直子(TASAKIペルーレFC)、磯崎浩美(TASAKIペルーレFC)、下小鶴綾(スペランツァFC高槻)、柳田美幸(TASAKIペルーレFC)。TASAKIの3人プラス下小鶴という構成。ワールドカップ・アメリカ大会初戦のアルゼンチン戦の3バックとはきれいに入れ替わる。中盤はダブルボランチが酒井與惠(日テレ・ベレーザ)と宮本ともみ(伊賀FCくノ一)のコンビ。上で記したように、左に山本絵美、トップ下に澤穂希。2トップは大谷未央(TASAKIペルーレFC)と荒川恵理子の2人だろう。

 外れた時に恥を書くことを承知で交代メンバーまで予想を広げると、酒井に代わって矢野喬子(神奈川大学)。荒川から17歳・永里優季へ日テレベレーザのリレー。そして大谷から、プレーオフで貴重な追加点を挙げた丸山桂里奈(日本体育大学)の3枚だろう。こちらについては試合展開も影響をするだろうが、順調にリードする展開なら大きく違うことは無いと思う。



 先発11名(あくまで私の個人的予想だが)を見渡すと、TASAKI所属の代表選手5名は全て先発。そしてライバルの日テレが3人、さいたまと伊賀、高槻がひとりずつ。昨シーズン、上位リーグに進んだ5つのクラブ(もうひとつはチームキャプテンである大部由美が所属するYKKフラッパーズ)から選抜された日本女子代表イレブンには、現在のL・リーグの戦力分布図が投影されている。

 そして上位リーグ、下位リーグを問わず、全クラブのゲームに足を運んで、ファンと同じスタンド席から試合を眺め続けた上田監督の姿が思い出される。「いつ、どの会場に取材に行っても、スタンドにいらっしゃいましたよね」。敬意を込めて問いかけた私に「それが私の仕事ですから。当たり前です」という答えが返ってきた。
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