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第82回天皇杯全日本サッカー選手権大会 | <前へ|次へ|indexへ> |
明暗分けたモチベーションの差。札幌、大分の前に完敗。
第82回天皇杯全日本サッカー選手権大会3回戦 コンサドーレ札幌vs.大分トリニータ
2002年12月15日(日)11:01キックオフ 大分スポーツ公園総合競技場 観衆:5,046人
試合結果/コンサドーレ札幌0−5大分トリニータ(前0−2、後0−3)
得点経過/[大分]アンドラジーニャ(3分、12分、71分)、松橋(80分)、浦本(82分)
取材・文/中倉一志
「この大会自体の難しさを再度痛感したというのが今日の感想です。それだけです」(張外龍監督・札幌)
「メンタルな部分、精神的、モチベーションのところが随分うちのほうが良かったんじゃないかなという感じがします」(小林監督・大分)
この2人の監督の言葉に象徴されるように、両チームの試合に臨む姿勢には、あまりにも差がありすぎた。念願のJ1昇格を果たし、新しい目標にチャレンジしようと準備を進めている大分。様々な問題点を解決できずにJ2降格が決定しているばかりか、戦力外である小倉を攻撃の中心に据えなければならない札幌。J1とJ2の対決とはいえ、この日の結果は、ある意味では当然の結果だった。
大分の先制点は3分、札幌の最終ラインがクリアしようとしたところを小森田がカット、そのボールを西山がアンドラジーニャにつなぐと、アンドラジーニャがダイレクトで左足を一閃。きれいな弧を描いたボールが札幌ゴールに吸い込まれた。そして続く12分、ゴール正面、約25メートルの地点で得たFKを再びアンドラジーニャが直接決めて2−0。大分はあっという間に試合の主導権を握った。というよりも、正確に言えば、この時点で勝負は決まった。
とにかく札幌のモチベーションが低すぎた。ただ漠然とプレーを続けているだけで試合に集中できていないのが手に取るようにわかる。先制点のきっかけになったプレーは最終ラインで不用意にボールを持ちすぎたもので、2点目も、何気なくキープしていたボールを奪われてカウンターを仕掛けられたのがきっかけになった。当然のように攻撃を仕掛けられるはずもなく、ただ横やそばにいる選手にボールをパスするばかりで、前半はシュートを打つことさえままならなかった。
張監督もなんとかそんな状況を打開したかったのだろう。後半に入ると小倉と平間に代えてバーヤックと新居を投入、前半の途中から前線に上げた曽田と合わせて4人のFWを前線に並べた。攻める以外に方法がない札幌は、前がかりになって大分陣内に攻め込み、49分には西田が、この日、札幌の初シュートとなるヘディングシュートを放つ。しかし、却ってバランスを崩した札幌は、この後、大分に一方的に攻め込まれるようになっていく。
そして71分、ロングクロスの目測を誤った佐藤(尽)の背後でボールを受けたアンドラジーニャに3点目を奪われると、札幌は僅かに残っていた気力さえ失ってしまった。そんな札幌に対して大分はやりたい放題。80分には交代出場したばかりの松橋が4点目をゲットし、さらにその直後の82分には浦本が鮮やかなミドルシュートを決めて5点目を奪った。札幌は新居がロスタイムに、この日チーム2本目となるシュートを放つのが精一杯だった。
「自分の持っているものを積極的に出していこう」(小林監督)という大分の姿勢が勝利に結びついたことは間違いない。しかし、それ以上に札幌の試合に臨む姿勢が悪すぎた。リーグ最終戦で見せたファイティングスピリットはどこへやら。まるで消化試合を行っているようなモチベーションの低さは全く別のチームのそれだった。「本当に札幌のサッカー好きなサポーターたちに申し訳ない」と張監督は頭を下げたが、遠路はるばる応援に駆けつけたサポーターにとっては到底納得できるものではなかっただろう。
記者会見で張監督が語ったように、天皇杯はJ1のチームにとって難しい大会であることは確かだ。しかし、選手たちはそれを言い訳にしてはいないだろうか。再びJ2での戦いを余儀なくされた札幌は、これから新たな目標に向けてスタートしなければならない。戦力外とされた選手にしても、サッカーが出来る僅かな機会だ。そんな機会に満足なパフォーマンスも発揮できないようならば、新たな場所に活躍の場所を求めるのは難しい。決して無駄にしていい試合ではなかったはずだ。
さて、目標の3回戦を突破した大分の次なる相手はJリーグチャンピオンのジュビロ磐田。果たして自分たちの力がどれほどのものなのか、あらためて試す機会になる。自力の違いに加えてアンドラジーニャが累積警告で出場停止の大分にとっては厳しい戦いが予想される。しかし、小林監督は力強く語る。「次のジュビロ戦も積極的に出来ればと思っています」。来シーズンのJ1での活躍をきする大分はチャレンジ精神あふれる戦いをしてくれることだろう。
● 張外龍監督(コンサドーレ札幌)記者会見 ● 小林監督(大分トリニータ)記者会見
(コンサドーレ札幌) | (大分トリニータ) | |||||||
GK: | 佐藤洋平 | GK: | 岡中勇人 | |||||
DF: | 佐藤尽(81分/森秀昭)、ビジュ、曽田雄志 | DF: | 三木隆司、サンドロ、瀬戸春樹、有村光史 | |||||
MF: | 西田吉洋、森下仁志、今野泰幸、大森健作 | MF: | 浮氣哲郎、小森田友明、西山哲平、浦本賢太郎(87分/梅田高志) | |||||
FW: | 堀井岳也、平間智和(HT/バーヤック)、小倉隆史(HT/新居辰基) | FW: | 吉田孝行(HT/高松大樹)、アンドラジーニャ(78分/松橋章太) | |||||
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