 |
|
| 埼玉スタジアムの第１試合では浦和東と米子北が対戦 |
第84回全国高校サッカー選手権大会 第１回戦 埼玉県立浦和東高校vs翔英学園米子北高校
2005年12月31日（土）12:10キックオフ 埼玉スタジアム2002 観衆：6.300人 天候：晴
試合結果／浦和東１−０（前０−０、後１−０）
試合経過／［浦和東］鈴木（79分）
取材・文／砂畑 恵
電車のボックスシートにいた防寒対策の服を着た女子高生らしき４人組。その中の１人は「私が応援に行くと勝つんだよね。勝利の女神ってーやつ？！」という声がする。この時期だと、つい「あぁ、高校サッカーに行くんだろうな」と聞き耳立てて反応してしまう。大会２日目は丁度、私の乗る高崎線沿線の２県代表の試合が埼玉の２会場で行われる。
その１つが埼玉スタジアムの第１試合・地元の浦和東と島根県代表の米子北というカード。試合開始前のスタジアムでは浦和東の生徒が浦和レッズの応援に倣ったような思いおもいの手作りの横断幕でスタジアムを彩り、対する米子北はOBや父母会のバックアップのもと、少ないながらも、お揃いの白いウインドブレーカーを羽織って新しい応援歌の練習をしている。選手入場で雰囲気が高まる中、キックオフの時間を迎えた。
 |
|
| スタンドには手作りの横断幕が飾られた |
逆に我慢の展開となった浦和東の方はどうしても全体が引き気味となってしまうことで、前線にボールが繋がらない。またフィフティーボールに対する１歩が米子北よりわずかながら遅れてしまうこともあってリズムに乗り切れない。それでも21分、CBの秋葉の正確なロングボールから三島のヘディングシュートが産まれると次第に調子は整いだす。30分には石塚が相手を背負いながら粘って出したパスを攻撃参加した秋葉が前線へクロス。ファーにいた菅沼がタイミングよく飛び込むも、わずか手前で米子北DFが弾き返した。
主導権を譲りかけた米子北だったが、32分にFKから大家のヘディング、35分にも影山と惜しいシュート２本続いたことで、悪い流れを断ち切って前半を終えた。更に後半の立ち上がり１分で阿部のシュートが浦和東ゴールを襲い、再び米子北がゲームの主導権を奪うかに思われた。
 |
|
| 試合前に応援歌の練習をする父母会 |
浦和東のチャンスに地元の応援もボリュームアップ。その声援に力を得たチームはますます波に乗り、最早、米子北にとっては手の付けられない状況になった。一方的に自陣で進むゲームに米子北は耐え忍んだ。71分には浦和東にゴールネットを揺らされるが、オフサイドを取って凌ぐ。
そろそろ両チームの監督も頭でPK戦のオーダーがちらつく79分、ピッチに赤い歓喜の輪が咲いた。秋葉が前線に浮き球のボールを送る。49分の交代によりFWへとポジションをコンバートされた菅沼がDF２人に右CK付近まで追い詰められながらも田中にパスを繋げる。パスを受けた田中はダイレクトでセンタリング。ゴール前で待ち構えた鈴木が頭で捉えたボールはバウンドしながら右サイドネットへと駆け抜けた。粘り強く守備を重ねた米子北の牙城を遂に破った浦和東。これが決勝点となり浦和東は地元で初戦の突破を果たした。
タイムアップ寸前での失点に米子北の選手は一様に悔し涙を浮かべていた。城市監督も活かせなかった立ち上がりのチャンスを残念そうに振り返る。だが勝ちをたぐり寄せられなかった根本の原因は後半途中で足が止まってしまったこと。３年生中心のチームだが、それを受け継ぐ選手は粘り強さを失わず、より一層のフィジカルの向上を図って欲しい。
 |
|
| バックスタンドに陣取って応援する浦和東高校 |
（浦和東）
GK 伊藤謙
DF 秋葉淳平 若海純 小森隆生 中川周
MF 三島康平 石塚悠幾 横川健太
FW 渡邊大貴（48分／河野雄太、70分／田中洋兵） 鈴木寛一 菅沼守
（米子北）
GK 葉狩宗之
DF 長谷真治 中原慎吾 柚木智広 錦織哲也
MF 大家直人 井上達央 山影将太 阿部真人（瀬田達矢
FW 大谷雄太郎 澁山勇希
