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第25回全日本女子サッカー選手権大会 ２回戦 鳳凰高等学校vs.伊賀フットボールクラブくノ一
2004年1月12日（祝）13:00キックオフ 三重県上野市運動公園競技場 観衆：250人 天候：晴
試合結果／鳳凰高校１−５伊賀（前０−２、後１−３）
得点経過／［伊賀］堤（19分、24分）、［鳳凰］藤本（41分）、［伊賀］那須（49分）、宮本（72分）、宮崎（74分）
文／三重県サッカー協会 理事 大谷徹
上野会場の第２回戦・第２試合は、鳳凰高等学校と伊賀FCくノ一の戦いとなった。
前日に高校生同士の戦いを制して勢いにのる鳳凰高校と、Ｌ・リーグの強豪であり、地元期待の伊賀の試合は、高校生チャンピオンチームがＬ・リーグのチームにどれだけ通用するかということで関係者は高い関心を示していた。また、記合前から．高校生の保護者と地元の関係者やファンとの応援の激しさもあり華やかなものとなった。
現日本代表３名を含め、元代表や代表候補・ユニバーシアード代表を８名もスターティングメンバーに揃える、まさにドリームチームともいえる伊賀は、立ち上がりから速いプレスとダイレクトパスを回して鳳凰高校を圧倒する。２分にはキャプテンでありアメリカＷ杯でも活躍した(5)山岸の強烈なシュートが左ポストをかすめる。さらに、同じくＷ杯でウーマンズ・オブ・ザ・マッチにも選出された(10)宮本が中盤で自由にポールをコントロールし始め、両サイドパックの(17)藤村、(6)仁料のオーバーラップで崩しにかかる。
一方、立ち上がりのピンチを凌いだ鳳凰高校は速い攻めに慣れてきて、(13)大谷、(19)堤を中心に、最後のシュートは身体を張って阻止することが続く。しかし19分、鳳凰高校DFのクリアミスを拾った伊賀の(16)堤がゴール上方に左足で決め１−０と先制した。21分には鳳凰高校がショートコーナーから相手の隙をついてチャンスをつかむが、ゴール前で合わせる選手がいない。
なおも攻勢を続ける伊賀は、24分に(5)山岸から逆サイドの(10)宮本にロングパスを送り、へディングで折り返したポールを(8)原がダイレクトシュート。ＧＫがはじいたところを、またもや(16)堤が決めて２−０となった。それ以降も攻め続ける伊賀であったが、相手が引いて守りに入ったのと、ラストパスや決定機に枠をとらえられない試合運びのまずさもあり、前半は２−０で終了。しかし、シュート数では８−１と伊賀が圧倒した。
後半の立ち上がリ１分、鳳凰高校は伊賀の(3)那須のパスミスをカットし、(24)高橋から(10)藤本へとボールをつなぐと、藤本は相手DF(17)藤村に絡まれながらもシュート。ＧＫ(20)小林の頭上、右隅に決まり２−１となった。この得点に観客席は騒然となり、鳳凰高校の保護者たちも大いに盛り上がった。しかし試合の主導権を伊賀は渡さなかった。48分には、(8)原から(5)山岸にダイレクトパスが通り、(10)宮本がダイレクトシュートを打つもＧＫの正面となる。そして49分、伊賀のゲームメーカー(10)宮本からの速いセンターリングを(3)那須が頭でコースを変え、キーパーの逆をついてゴールネットに突き刺して３−１とリードを戻した。
しかし、一方的に試合を進める伊賀も追加点が生まれない。60分、65分、66分と(8)原、(2)宮崎、(5)山岸が決定的なシュートを放つも、枠をとらえきれなかったり、ＧＫの正面をついたりとゴールは遠い。ようやくゴールが生まれたのは72分、交代出場の(9)水本から中盤で浮いていた(10)宮本へ絶妙のパスがわたり、フリーでシュートを決め、４−１とリードを広げる。77分には、(8)原からのセンターリングをオーバーラップしていた日本代表のDF(2)宮崎が頭で流し込み５−１となった。試合終了間隙には、高校生チャンピオンの意地を見せたい鳳凰高校がコーナーキックでＧＫを除く全員がゴール前に殺到するがシュートにまで至らず。５−１のまま試合終了となった
試合終了後は、高校生活の最後の試合で力を出し切れなかったのを悔やんでか、泣き崩れる鳳凰高校のイレブンと、高校生から得点を奪われたことで憮然とする伊賀のイレブンの姿が印象的であった。シュート数20対２が示すように圧倒的に攻めながらも、決定力に課題を残した伊賀は、昨年ペスト８で敗退した悔しさを晴らすために18日に広島で岡山湯郷と対戦することが決まった。また最後まであきらめずに懸命にボールを追った鳳凰高校にスタンドから惜しみない盛大な拍手が鳴り響いた。
