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 サッカーのある風景 03/09/19 (金) <前へ次へindexへ>

 日本女子代表、4回目の大舞台へ 〜その2〜


 文/西森彰
 第4回女子ワールドカップ・アメリカ大会へ向けた日本女子代表のメンバーが発表され、最終調整試合のフランス戦も終了。いよいよ、9月20日(土・日本時間9月21日)のアルゼンチン戦から、決戦の幕があがる。前回は、日本と同一グループのライバルについて述べたが、今回は我らが日本女子代表の横顔をご紹介させていただこう。

(ゴールキーパー)
 さいたまレイナスFC所属の日本女子代表守護神・山郷のぞみは身長163センチ。GKでは小柄なほうだが、安定したキャッチング、コーチングはいまだ健在。前回大会でも3試合全てのゴールマウスを守り、先日のフランス女子代表戦で日本代表キャップ数は59に達した。本大会でこれを60の大台に乗せるはずだ。

 東日本の常勝チーム、日テレ・ベレーザのゴールマウスを守る小野寺志保は、今シーズン、東日本リーグで最少失点の頼れるベテランだ。前々回大会、前回大会と7試合をベンチから見つめている。そして、バックアップメンバーとして参加する岡山湯郷Belle所属の福元美穂。メンタル面で一番難しい立場にあるはずの彼女の振る舞いが、チームのムードに大きく関わってくるはずだ。



(ディフェンダー)
 まずはキャプテンの大部由美。プレーオフ終了後の涙のインタビューを思い出す方も多いのではないだろうか? 所属するYKK東北フラッパーズでもキャプテンを務め、Lリーグ所属年数13年、代表キャップ78試合はいずれもこのチームで最高だ。経験、技術、リーダーシップと全ての点でキャプテンに相応しい。3バックの中央でスイーパー役としてDF陣を統率する。

 残りのセンターバック2枚が激戦区だ。田崎ペルーレFCの磯崎浩美は代表キャップ52試合の経験を持つ屈強なDF。メキシコ戦では相手の悪質なプレーにも腰を引かず、必要以上に熱くなって集中を切ることもなく、90分間を抑えきった。そのプレーオフで抜擢された神奈川大学所属の矢野喬子は、仙台での韓国女子代表との試合で代表初ゴールを決め、先日のユニバーシアード大会準優勝にも大きく貢献している。

 その他の2名のDFはいずれも伊賀FCくの一所属の選手だ。宮崎有香はバネのあるヘディングで高さに自信がある純センターバックタイプ。山岸靖代は所属チームでは右サイドハーフをこなすユーティリティーな選手だ。ともにアジア大会やアジア選手権などで経験は十分。



(ミッドフィルダー)
 2枚のボランチはとりあえず酒井與惠、宮本ともみで決まりだろう。ベレーザの酒井は7年連続でベストイレブン、2年連続で最優秀選手の栄誉に輝いたLリーグの顔とも言える存在だ。「代表の合宿では同じポジションの選手として、自分の参考になる部分が多いです」と田崎ペルーレFCの川上直子も舌を巻く。小柄ながら当たり負けしない粘り強さも持った前回大会の経験者は日本の心臓部だ。

 宮本は身長168センチと日本人の中では恵まれた体格を持ち、オーストラリア女子代表のサントラツ監督をして「日本でナンバーワンの選手」との太鼓判を押させた。伊賀の江川重光監督も「私もそう思います。次の次まで読むサッカーセンスが抜けている」と、その評価を支持する。左右へのワイドな展開力と3列目の選手とは思えない高い得点能力は、彼女が持つ強いキック力とその鋭い読みに裏打ちされている。

 敵味方のポジショニング、そしてゲームの流れに至るまで気を配ってプレーするバランサータイプの川上直子。田崎の仲谷監督は「代表では右サイドですが、ウチではボランチから外せませんよ」と言う。自軍の危険なスペースをきっちりと埋め、相手の隙を見つけると右足のアウトフロントにかけた受け手に優しいボールを送り込む。ドイツの攻撃的左サイドバックとのスペースを巡る丁々発止の攻防が今から楽しみだ。

 山本絵美、柳田美幸の田崎勢2人による左サイドのレギュラー争いも面白い。本大会出場の最功労者・山本はゆったりとした独特のプレーリズムの持ち主だ。メキシコとのプレーオフでは、前半に相手シュートをゴールライン上でクリアし、後半には大きな切り返しで2枚のDFを振り切ってピンポイントのクロスを澤にピタリと合わせた。柳田もケガが癒えた今、貴重なレフティーとして、クラブの後輩からポジションを奪い返すか。

 MFはこの他に3人が登録している。ベレーザの中地舞はディフェンダーもこなす攻守両用の戦力だ。同じくベレーザの須藤安紀子はユニバーシアードでの活躍が認められ、最終選考で滑り込んだ。勢いをチームに持ち込めるか。湯郷の宮間あやも、仙台の韓国戦で豪快なボレーシュートを叩き込み、その攻撃力をアピールしている。日本はFW登録の選手にもMFを本職としている選手は多く、中盤の層は分厚い。



(フォワード)
 5名の登録があるが、純粋なFWというポジションの定義では大谷未央、丸山桂里奈、荒川恵理子の3選手。Lリーグの得点王でもある大谷は田崎の選手。代表でも38試合に出場して23得点と驚異的な得点力に陰りはない。しかもゴールを虎視眈々と狙いながら、フォアチェックなど付属する仕事も怠らない。上田栄治監督の「しっかり守って戦う」という構想にぴったりの選手で、ファーストチョイスは彼女だろう。

 日本体育大学の丸山桂里奈はプレーオフで駄目押しの2点目を奪った。思い切りの良さが生むシュートレンジの広さが、チャンスの少ない国際大会では大きな長所となる。そして荒川恵理子はスピードとタイミングで勝負する大谷、丸山とは異なり、細かいタッチのドリブルで相手DFを翻弄するテクニシャン。直前のフランス戦でもゴールを奪い、調子を上げている。

 そして1.5列目に据えられる主軸2人だ。ベレーザの小林弥生はキックオフからガソリンが切れるまで全力を尽くすタイプ。ボランチからFWまで、ゲームプランに応じて複数のポジションをこなすことが可能だ。コーナーキック、フリーキックではキッカーも務め、足元の技術は折り紙付きだ。私が原稿を書いている9月18日が彼女の誕生日。明日の開幕戦で大きなバースデープレゼントを受け取ることができるだろうか。

 そして、アトランタ・ビートに所属するエース・澤穂希。WUSA突然の休止のショックはどこかに残っているかもしれない。レギュラーシーズン、プレーオフともに2位と不完全燃焼だったラストシーズン。その悔しさはこの大会にぶつけてくれ。1対1の強さを含めた戦闘力の比較でも、世界屈指の女子サッカープレーヤー。メンバー中唯一、3大会連続でピッチに立つ経験も含めて、日本チームの躍進には欠かせない。



 上田栄治監督がこの21人を指揮し、アルゼンチン戦を皮切りに4度目の世界挑戦に挑む。アルゼンチン戦、ドイツ戦のCS放送・地上波放送のスケジュールは下記の通り。2回目の決勝トーナメント進出、そしてはじめてのメダルへ挑む日本女子代表に大きな声援を送りたい。


(日本VSアルゼンチン放送スケジュール)
9月21日(日)  生放送  09:20〜  スカパーCh.182
9月21日(日)  録画放送  19:00〜  スカパーCh.182
9月22日(月)  録画放送  00:15〜  フジテレビ系列
(日本VSドイツ放送スケジュール)
9月25日(木)  生放送   06:35〜  スカパーCh.182
9月25日(木)  録画放送  19:00〜  スカパーCh.182
9月26日(金)  録画放送   01:50〜  TBS系列
(日本vs.カナダ放送スケジュール)
9月28日(日)  生中継  04:20〜  フジテレビ系列
9月28日(日)  生中継  04:20〜  スカパーCh.182
9月28日(日)  録画放送  19:00〜  スカパーCh.182
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