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 頑張れ!女子サッカー 03/08/31 (日) <前へ次へindexへ>

 サッカーは男子だけのものじゃない 〜第4回中津江カップ日韓親善少女サッカー交流大会


 文・写真/サカクラ ゲン
 大分県日田郡中津江村。この大分県の西端で福岡、熊本との三県境の村は、サッカーファンならずとも知っている有名な村だろう。2002年日韓ワールドカップで一躍有名になった人口1300人程の小さな村は、今でもサッカー愛好家には、"聖地"としての名を世界中にとどろかしている。
 この"聖地"にある『鯛生スポーツセンター』は、J1の大分トリニータをはじめ様々なサッカークラブが、合宿や大会などで利用し続けている。その人気の裏づけは、今年に入って約6000人の利用者(2003年1月〜7月)があることで証明できる。
サッカーを愛するものだけでなく、誰でも一度は足を踏み入れたい"聖地"ではないだろうか。

 大会終了後、参加選手全員での記念撮影

 この『鯛生スポーツセンター』で、8月16日・17日の2日間にわたり、『第4回中津江カップ日韓親善少女サッカー交流大会』が開催された。参加チームは、地元の大分選抜チームをはじめ、九州各地から9チーム。これに第1回から参加している『韓国ソウル特別市東明初等学校』を加え、計10チームで日頃の練習の成果をぶつけ合った。この大会は、1991年4月以降に生まれた"女子"(小学6年生以下の女子)で構成されているチームのみが参加資格を有している大会である。

 大会当日は、雨が降ったり止んだりのあいにくの天候だったが、良く手入れの行き届いた"芝グランド"では悪天候を物ともしない白熱した好ゲームが見られた。女子とは言え、ボールを追いかける姿は男子と何ら変わることなく、観客は各試合とも堪能した事に違いない。優勝は韓国の『ソウル特別市東明初等学校』、準優勝はリトルマーメイド(福岡県北九州市)だった。『ソウル特別市東明初等学校』は、韓国国内でも1位、2位を争う強豪チームで、その実力は参加したチームを圧倒するもので、技術・戦術とも他を抜きんでていた。



 激しく奪い合う両者 好プレーが随所に見られた
『FIFA女子ワールドカップUSA2003』に出場を決めた日本女子サッカーだが、その取り巻く環境は決して恵まれているわけではない。特にこの世代のサッカー環境は、女子だけで構成されているクラブチームは決して多いわけではなく、ましてや一人で通える範囲にクラブチームが存在していない子の方が多い。ほとんどの女子が男子と一緒のクラブに在籍し、同じ練習メニューを消化し、男子に混じって各種の大会に出場しているのが現実である。残念ながら、女子サッカーというカテゴリーは男子サッカーに比べ、認知度は低く発展途上である。

 この大会で優勝した『ソウル特別市東明初等学校』の選手を取材すると、女子チームであることを忘れてさせてしまう。練習や試合での彼女たちの様子は、髪の毛が少し長い事を除くと男子の内容と全く変わらない。コーチやスタッフの練習中の細かな技術指導・試合中の戦術指示なども同様である。これは、彼女らがサッカーを通しての進むべき方向性が明確になっているからこそである。"今、何をしないといけないのか!"が明確に示され、ひたむきにそこを目指す選手たちが集まっているチームなのである。強さの秘訣はそこにあることにあらためて気付かされた。

 日本女子サッカーの指導者の中には、心のどこかに"女子だから・・・"と言う気持ちが残っているのではないだろうか。ましてや協会幹部やマスコミの中には"男子サッカーと比べレベルの差が歴然・・・"と公言しているものもある。男子と女子を比べる必要は無く、女子サッカーと言うひとつの確立したスポーツと理解するべきなのだ。



 記念碑の前で ソウル特別市東明初等学校と福岡県U-12
 表彰式での坂本休 中津江村村長
 他スポーツに比べ比較的組織化されている日本サッカー協会。先の日韓ワールドカップ大会開催の成功で、確実にサッカー人口は増えている。近年の日本サッカー界の発展には、目を見張るものがある。でも、女子というカテゴリーでは、まだまだ未整備のところが多く、課題も山積みされているのが現状である。

 中津江村 坂本休村長は『ワールドカップキャンプ地への"挑戦"をした結果、村の財産として"夢"が残り"活力"が生まれた』と大会挨拶で述べられていた。坂本村長は参加した選手たちに『自分への"挑戦"を通し、選手としての"夢"を育て、日々の生活への"活力"』をメッセージとして送られたのである。『中津江カップ日韓親善少女サッカー交流大会』が、中津江村で開催され今後も続いていく事は、女子サッカー界において大変大きい意義を含んでいる。

 今後は"女子サッカー"というスポーツの確立のために、できる限り女子サッカーを記事として取り上げて行きたいと考えている。認知度があがり、競技者人口が増え、取り巻く環境が整備され、ワールドカップで世界の頂点に君臨するサッカー大国になる日も遠くはないと信じて・・・。


【第4回中津江カップ日韓交流大会 参加チーム】 順不同
ソウル特別市東明初等学校 (韓国ソウル市)
リトルマーメイド (福岡県北九州市)
大分選抜A (大分県)
福岡県U-12 (福岡県)
大村チェリーズ (長崎県大村市)
広川フラワーズ (福岡県八女市)
コスモス松橋レディーズ (熊本県下益城郡)
鹿児島選抜U-11 (鹿児島県)
山鹿FCベレーザ (熊本県山鹿市)
大分選抜B (大分県)








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