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 頑張れ!女子サッカー 04/09/29 (水) <前へ次へindexへ>
日テレ、高槻、必死の攻防

 日テレ、高槻を退けて首位キープ。
 L・リーグ第9節 日テレ・ベレーザvs.スペランツァF.C.高槻

 取材・文/西森彰
2004年9月25日(土)14:00キックオフ 大和スポーツセンター 観衆:約500人 天候:曇
試合結果/日テレ・ベレーザ3−0スペランツァF.C.高槻(前1−0、後2−0)
得点経過/[日テレ]荒川(34分)、山口(56分)、小林(62分)


 前節、併走する埼玉レイナスFCが足踏みをしてくれたことで、単独首位に立った日テレ・ベレーザはここまで7勝1分けの無敗。この日は3勝5敗のスペランツァF.C.高槻を迎え撃った。会場となった大和スポーツセンターのメインスタジアムが500人とまずまずの観客で埋まり、試合前には日テレ、高槻両サポーターによるエールの交換も行われた。



敵地へ乗り込んだ高槻イレブン
 高槻は中盤を厚くした4−5−1で、ユーティリティーな上辻佑美が1トップに配された。「ケガ人が多くてなかなかベストの布陣が組めません」と福永亜紀ヘッドコーチは語ったが、これが存外、機能した。「正直、立ち上がりから、あれだけ高槻さんが攻撃に来るとは思っていなかった」(宮村正志監督・日テレ)と敵将も驚くほど積極的なゲーム運びにつながったのだ。

 試合開始早々に得た右CKから、下小鶴綾がヘディングシュートを見舞うと、上辻、そして鳥越恵もシュートを放つ。厚くした中盤の出足でも日テレと五分に立会い、決して簡単に譲らない。日テレは小野寺志保を中心にした守備で高槻の圧力を支えるのに精一杯。全くフィニッシュまで持っていけない。どちらがホームチームなのか、上位チームなのか分からないような15分間が過ぎた。

 宮村監督は「ディフェンスラインをいじったので、その影響が多少あったのかも知れませんね」と苦しい序盤戦を振り返ったが、ここで簡単に失点しないのが日テレの好調な理由。中盤のダイヤモンドを後ろに厚く変形させて、近賀ゆかり、酒井與惠、小林弥生の3人がディフェンスに加勢し、高槻に向かっていたゲームの流れを殺していく。



後半は攻撃参加が目立った宇津木瑠美
 潰し合いの様相を呈し始めた34分、先制点をもたらしたのは荒川恵理子の左足だった。相手のミスを見逃さずカットした大野忍からのパスを受けると、高槻DFの寄せたコースと逆側にトラップで切り返し、左足を振りぬいた。シュートコースも良く、懸命に手を伸ばした外国人GKキャロライン・メリー・ウォルシのセーブを掻い潜って、ゴールネットを揺らした。

 高槻が後半開始直後に見せたラッシュを凌ぎ切ると、後は日テレの独壇場。大野忍が得意のドリブルを織り交ぜながら、ラインの裏に抜け出して再三チャンスを作る。左サイドバックで起用された宇津木も時間の経過とともに落ち着きを見せて、攻撃参加の回数も目立ち始めた。そして近賀、酒井、小林の3人がバランスの良いポジションチェンジで中盤に安定感をもたらす。「点を取るまでが1つのポイント」と宮村監督が語ったとおり、1点入った後の日テレは完全に乗った。

 57分、山口麻美が1対1のチャンスでGKを冷静に外して、ゴールマウスに流し込むと、62分には、中地舞のアーリークロスにタイミング良く前線に顔を出していた小林が、頭を合わせて3点目。交代出場した永里優季、井関夏子らも決定機に絡んだ後半はシュート数が13対3。シュート数6対5の前半とは、数字の上でも内容の上でも格段の向上を見せた。



 前線の選手を入れ替えたり、いろいろとチャレンジした高槻だったが、前半の勝機を逸すると流れは戻ってこなかった。日テレがたじろいでいたゲームの序盤で、もうひとりゴール前の攻撃に絡める選手がいれば、また試合の結果も違ったものになったかも知れない。その点で、下小鶴が「ウチの生命線」と評する、庭田亜樹子の負傷欠場が痛かった。「(『庭田の欠場は痛かった?』)そうですね。ウチもケガ人だらけで。それでも1点取られてしょげちゃうまでは良くやってくれたんですが」と福永ヘッドコーチ。

 高槻は中断期間を挟んだ後に連敗を喫した。序盤に上位クラブと、後半に下位クラブと連続して対戦させられるスケジュールが組まれている高槻は体勢を立て直すのが非常に難しい。次節はディフェンディング・チャンピオンのTASAKIペルーレFCが相手。万博記念競技場を舞台に、ガンバ大阪とセレッソ大阪の「大阪ダービー直後」に行われる後座試合で、上位浮上のキッカケが見つかるか。



リーグ優勝へこのまま突っ走るか?
 日テレは無敗のまま9節を消化した。「1点を取るまでなかなか自分たちのサッカーを思い出せないというか…。後ろの選手を代えたことで迷いがあったのかも知れないし、相手が立ち上がりからしっかりしたサッカーで仕掛けてきたこともある。それが前半の苦戦の原因。その中でバランスを取りながら、チャンスがあれば仕掛けるという中盤の動きには満足しています」(宮村監督・日テレ)。悪い時間帯はきっちりと受けに回り、1点取ってから畳み掛ける日テレのサッカーには、本当に安定感がある。

 さいたまレイナスFCが後半開幕戦のYKK APフラッパーズ戦で引き分けて、単独首位に立った。「『あれ、落としたの?』という感じではありましたけれど、さいたまには国体の疲れもあったと思いますよ」と宮村監督。ここからはライバルの試合結果も見据えての勝負が続く。他のクラブの結果を気にすることができるのも、自分たちの戦い方に自信がついている証拠だろう。このまま後期戦を全勝で突っ走ると10月23日、国立霞ヶ丘陸上競技場での胴上げが見えてくる。






(日テレ・ベレーザ) (スペランツァF.C.高槻)
GK: 小野寺志保 GK: キャロライン・メリー・ウォルシ
DF: 中地舞、四方菜穂、豊田奈夕葉、宇津木瑠美 DF: 中鍋美里(89分/中江真紀)、奥田亜希子、下小鶴綾、高見恵子(63分/小中山咲子)
MF: 近賀ゆかり、酒井與惠、小林弥生(78分/井関夏子)、大野忍 MF: 鳥越恵(78分/小野村亜矢)、高倉麻子、松田望、相澤舞衣、阪口夢穂
FW: 山口麻美、荒川恵理子(74分/永里優季) FW: 上辻佑実
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