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 頑張れ!女子サッカー 05/11/16 (水) <前へ次へindexへ>
寒風吹きすさぶ中、円陣を組む大橋ジャパン。

 大橋ジャパン、今年を締めくくる11月合宿。
 日本女子大表合宿レポート 〜その2

 取材・文/西森彰
 合宿の成果を見るべく、午後に行なわれた原町高校男子チームとの練習試合を観戦する。試合前から円陣を組み、声を掛け合う原町高校。ユニフォームの背番号を見る限りはAチームのようだ。試合後に大橋監督に聞いたところ「最近はAチームを出してもらうようにお願いしているんです。だから失点も多くなっちゃうんですけれども」という答えが返ってきた。合宿中の子供たちや指導者が多数見守る中、キックオフ。



(対原町高校1本目 1対2)
GK: 山郷のぞみ
DF: 下小鶴綾、磯崎浩美(5分/中岡麻衣子)、矢野喬子
MF: 酒井與惠、柳田美幸、安藤梢、澤穂希、伊藤香菜子
FW: 荒川恵理子、大谷未央

「技術やテクニックではなくって、個人個人のスピードを生かしたサッカー。つまり、一番男女の差が出やすい部分で仕掛けられた。それに私たちが対応できるようにならなければいけないんですけれども」(澤穂希)

 相当気合を入れて試合に臨んだ原町高校は、キックオフからスライディングこそ仕掛けないものの、相当ハードなチェックに出た。5分も経たないうちに、相手選手とヘディングで競り合った磯崎浩美が顔面を強打してそのまま負傷退場。接触した男子高校生も頭を押さえて外に運び出されるほどのアクシデントだった。さらに、これによって生じた10人対10人の時間帯に、相手の見事なロングシュートで失点を喫する。

 いきなりダブルパンチを食ったなでしこジャパンだったが、しょげ返るどころか奮起した。荒川恵理子が複数のDFを交わしながら突進し、澤はショルダーチャージで相手選手を吹っ飛ばす。そして右サイドから1タッチで中央にパスをつなぎ、大谷未央のゴールで同点に追いつく。その後も主導権を握ったなでしこジャパンだったが、終了間際に追加点を許し、1本目は1対2。



(対原町高校2本目 1対0)
GK: 福元美穂
DF: 安藤梢、四方菜穂、下小鶴綾、矢野喬子
MF: 酒井與惠、柳田美幸、大谷未央、澤穂希、大野忍
FW: 荒川恵理子

 1本目の3−5−2から、2本目は大橋ジャパンの定番、4−2−3−1。1トップに荒川恵里子、トップ下に澤と前後し、澤の左右には得点王争いを繰り広げた大谷未央と大野忍。さらに4バックの最右翼には安藤が入る。文字通りの超攻撃的布陣は、1点を追う状況を想定したシミュレーションだろう。

 酒井與惠、柳田美幸の両ボランチを軸に、中盤に5人が配されたなでしこジャパン。代表常連組で構成されたこともあって、互いに1タッチ、ダイレクトパスを多用し、ミッドフィールドで圧倒的な優位を築きあげる。ボールを追いかけてはいなされる繰り返しで、ほとんどボールに触れない原町高校サイドから「中盤でやられ過ぎだ」という声もあがった。

 ゲーム内容に結果もついてきた。右コーナーキックのチャンスに、柳田の蹴ったボールが敵味方の林立する中央を越えてファーサイドへ流れる。これを「絶対にこぼれてくると思っていた」という澤が左足で豪快に蹴りこんで1対0。1本目の借りを返し、トータルスコアを2対2のタイとした。



(対原町高校3本目 0対4)
GK: 秋山智美
DF: 四方菜穂、中岡麻衣子、柴田里美
MF: 宮間あや、柳田美幸、近賀ゆかり、澤穂希、佐野弘子
FW: 荒川恵理子(15分/大野忍)、丸山桂里奈

 30分×4本の3本目。大橋監督は所謂ボーダーライン上の選手たちを大量にピッチに送り込んだ。2本目からピッチに残ったのは出ずっぱりの澤、柳田、荒川の3人と四方菜穂。3−5−2で臨んだなでしこジャパンだったが、2本目に飛ばしすぎたこともあって、澤らの運動量が格段に減った。原町高校も3本をほとんど同じメンバーで戦っているのだが、そこは男女の体力差だろう。

「女子相手の試合ではまず見られませんね」という2点目、4点目は止めようがない素晴らしいゴールだった。だが、1点目は秋山智美がDFに任せるべきところで飛び出し、無人のゴールに蹴りこまれたもの。3点目はDFが男子のスピードを計算できず、秋山に捕らせようと中途半端なスクリーンプレーを試みて攫われたもの。この2点は明らかな連携ミスだった。結局、30分間で4失点を喫してしまった。



(対原町高校4本目 0対1)
GK: 山郷のぞみ
DF: 四方菜穂、中岡麻衣子、柴田里美
MF: 酒井與惠、伊藤美菜子、近賀ゆかり、宮間あや、佐野弘子
FW: 大野忍、丸山桂里奈

 4本目はいよいよ疲労困憊になってきた原町高校が、逃げ切りを想定したゲーム回しをしてきたため、なでしこジャパンがイニシアチブを掴んだ。休憩を入れた酒井、伊藤がボランチに入ったこともあり、運動量でも優勢に立つ。柴田里美他、3本目を苦い薬とした初代表組も立ち直り、後はどうやって得点を奪うかに焦点が移った。

 代表への生き残りを賭けて右から近賀が、左から佐野がサイドアタックを仕掛け始める。大野、丸山もストライカーらしく、シュートを第1選択肢にしたプレーでゴールに迫る。しかし、守り倒しに来ている原町高校の守備ブロックを崩すことができない。逆に終了間際、寄せが遅れたところを突かれて失点。この4本目も0対1、トータルスコアは2対7まで開いた。



 3本目に大きく崩れ、スコア上は完敗を喫したなでしこジャパン。しかし、このチームが目指す方向をしっかりと汲み取れる、非常に濃い試合内容だった。「技術というよりは男の子にスピードで優位に立たれましたけれど、そういった相手から点を取れて(2度に渡って)追いついたのは大きいと思います」と澤。厳しく見れば、世界を相手にするためには必要なハードワークなのだろう。

 大橋監督も「相手の力を上手く利用しながらできていたし、確かに内容的には満足のいくものでした。今日ここで終わりにするのではなく、これを合宿が終わるまで1週間続けていければもっと良くなると思います」と及第点を出した。それでも、選手たちには「誉め言葉」をかけるよりも先に「代表への誇り」を求めたそうだ。

「メンバーが変わっても我々は代表チームなんだ。それが、たった30分かそこらの間に3失点、4失点するというのは大きな問題だ。確かに今回が初めての参加で、まだ代表にフィットしていないとか、難しい部分があった選手もいたと思う。それでも、我々は日本代表なんだから」
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