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勝って兜の緒を締めよ


文/石毛大介

 一週間前のナビスコカップ対ジュビロ戦。ジュビロ相手にスコアレスドロー。相手は主力抜きとはいえ、アルビの現戦力からすれば僕は金星を上げたと思っていました。

「これはかなり自信レベルが上がったに違いない・・・ J1初ゴールどころか、もしかして勢いで勝ったりなんてことも・・・」そんな想いを抱いて冷たい雨の中座ってキックオフの時を待っていました。相手は2連勝中と、ノリノリのレイソル。元現日本代表選手もいます。しかもアウェイ。本当のアルビの強さが見られる試合となることを想いながら、キックオフです。

「たぶんかなりの割合でラフにボールを放り込んで走る・・・ということするだろうな」確かに90分を通してアルビはそんな展開を多く見せます。アウェイ用の戦いなのでしょうか?確かに序盤、様子見のようなプレーぶりです。全体的に下がり気味。プレスもそうキツくないし、ボール奪取の危険な臭いもさほど・・・。危険な臭いはあまり感じなくても、ボールホルダーに対してのチェックはまずまず。ただしプレー限定プレスは、です。ボールホルダーではない選手に対してが甘いように感じます。再三、振り切られます。パスが出る。振り返るとフリーで走り込むプレーヤー。ダッシュでチェックに行くも、相手の方が一手も二手も先のイメージをしているので、それに連動してプレーするから、アルビ守備陣は出遅れます。何とか瀬戸際で凌ぎますが、雨のピッチでなかったら・・・ 何てことを考えてしまうことが多々ありました。

                    

 また攻撃面でも、ボールもらってから「どうしよう?」といった感じです。周りもほとんど動きません。フォローなし。大小関わらず、少なくても可能性にかけてスペースに走り込む選手もなし。結局最終ラインまでボールが戻ってしまうことも多々あり。イライラすること多々あり、です。確かに「ポジションバランス」は良いです。でも良い意味でも、そのバランスが崩れないので、守る側には楽な攻撃しかできません。

 対照的にレイソルはタテに後ろに、左右に、直線的、曲線的な動きでアルビを翻弄します。攻撃時もそうですし、守備においてもレベルの差を感じます。それとやはりレイソルの玉田。日本代表FWだけあって動きが違います。ボール持つと危険な臭いもしますが、持ってない時の動き(もらおうとする動き)は、やはりアルビの選手とのレベルの差を感じました。やはり個の能力では、劣りますからネ・・・。

 しかしアルビも徐々にカウンターの勢いは増してきています。明らかにカウンター時の危険な臭いは増してきてます。それでもまだまだですが・・・。やはりまだまだいろんな意味でのスピードが遅いということですかネ。

 そんなこんなで後半3分、レイソルに先制されてしまいます。玉田のシュートを野澤が防ぎますが、そのこぼれ球をゼ・ホベルトが押し込みます。ホベルトが走り込んで押しこんだ際の上がりも素晴らしいですが、それ以上に玉田。ヒールでリカルジーニョに落とした後のゴールへ向かう突進。素晴らしかったです。アルビDFに掴まれ、にも関わらず突進を止めず一度軽く開いて、キュッと身体を入れ替えて中に切れ込みます。完全にアルビDFが振り切られフリーになります。この一連の動き、シュートは野澤にセーブされましたが、特筆しなくてはならないポイントだったと感じます。アルビDF陣もこういった素晴らしい動きのFWを体感出来てまたまた経験値を高めたな、と期待してしまいました。

                    

 その後もアルビはレイソルの攻撃パワーに押されてか、全体的に下がり気味になり、中盤に穴が空くようになってきます。これではプレッシャーがほとんどかからない。レイソルの攻撃力増量です。ただ本当にアルビも水際で防ぎますので、何とか追加点を入れられずに刻々と試合時間が過ぎていきます。

 徐々に試合時間も残り少なくなり、ロスタイム2分の表示が出ると、これ以上ない劇的なシナリオが用意されていました。オーバラップしたアンデルソンからクロスが上がり、上野突込みますがレイソルDFと潰れます。ボールは逆サイドに流れますが、その逆サイドで、高速でペナルティエリアに進入する選手が。鈴木慎吾。迷わず左足一閃の振り。レイソルGK南の右を抜け、レイソルのサイドネットに突き刺さります。念願のJ1初ゴール。オレンジ色のアウェイスタンドが歓喜の渦に包まれます。J1昇格後、公式戦初ゴール。みんなが待ちに待った瞬間です。こうなるとゴール裏も、メインもバックも関係なくなり、アルビ側スタンドは最高潮です。J1昇格決定時と同じくらいでしょうか。

 しかしこれだけでは終わりませんでした。レイソルの左からのクロスをドンピシャで合わせますが、ポスト。押し込みますが野澤のファインセーブ。ファビーニョに渡ってカウンターです。エジミウソンが中への動きから外へ方向転換。これに呼応してスルーパス。レイソルDFを抱えながらペナルティエリアへ。ピッチ状態が悪いせいか、南がちょっと足を滑らせます。それをいなすようにゴール右隅へ流し込みます。ロスタイムで同点、そして逆転。歓喜の渦が狂乱の渦に変わります。ゴール裏もメインもバックも、もう知らない人同士で抱き合いハイタッチなどなど。そして試合終了。念願の初ゴール、そして初勝利、勝点3をゲットです。

                    

 確かに勝利しました。が90分通してのサッカーはレイソルの方が一枚も二枚も上です。それにこのような劇的勝利はそう何度もないでしょう。もちろん知将反町監督も手放しには喜んでいるとは思えません。もちろんサポーターは次節の対マリノス戦まで、余韻に浸って良いですが。そうです、次節は前年J1完全制覇した横浜Fマリノス。そしてビッグスワンでの試合です。マリノスは中2日での試合です。しかし個でもチームでもハイレベルなチームです。侮ることなかれ、です。もちろん中2日ということで疲れもあると思いますが、これでアルビとイーブンかな?と思っています。いやそれくらいで丁度良いでしょう。岡田監督もアルビ対策を万全にしてビッグスワンに乗り込んでくるでしょう。

 まだアルビはJ1昇格後、ホームビッグスワンでの勝利はありません。やはり中2日の試合ですので、マリノスにつけいるスキが全くないとはいえないと思うので、ひょっとしたら・・・何て思ったりもして・・・。ホームでの初勝利を期待するのに、前年完全制覇したチーム。相手にとって不足はありません。ホーム初勝利を想いながら東京からビッグスワンへ乗り込みたいと思います。では。
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