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名古屋とともに勝利を目指して。
2004Jリーグヤマザキナビスコカップ 準決勝 名古屋グランパスエイトvs浦和レッズ


文/KY

 試合終了のホイッスルが吹かれた瞬間、これまでにはなかったような脱力感に襲われた。結果的にも、内容的にも屈辱的な試合となった。

 序盤は古賀がエメルソンに仕事をさせず、浦和に決定的なチャンスを作らせない。逆に名古屋が高い位置に構える浦和守備陣の裏を狙っていくがパスの精度を欠き、チャンスには至らず試合は膠着状態に。次第にジョルジーニョが封じられ、マルケスや中村にマークが集中。さらに両サイドの海本幸、中谷がキープしてもすぐさま2人に囲まれ、中盤のクライトンから前線にボールが供給されないという悪循環を繰り返すうちに、それまで耐えていた名古屋のディフェンスが崩れた。

 26分、永井の右からのクロスに対し、中央で待つエメルソンを井川がフリーにさせ失点。絶対に与えてはならない先制点を最悪の形で許した。一度悪い癖が出ると止まらないのが名古屋。33分には中途半端なクリアボールを田中に叩き込まれ2−0。これも近くにいたはずの海本慶が寄せていなかった。個人技と決定力を兼ね備える浦和の攻撃陣に簡単にシュートを打たれる。集中力は途切れ、開始20分までの戦いが嘘のようだった。

 後半開始と同時にネルシーニョ監督は、機能しないジョルジーニョと負傷した海本幸を下げ、若い平林と角田を投入。なんとか局面を打開しようと中村やクライトンが前線に上がり攻勢に出るが、闘莉王を中心とした大きな壁に阻まれる。前がかりになった名古屋に浦和が襲いかかったのは13分。2点目と同じようにクリアミスを田中がダイレクトで決めて3点差。浦和得意のカウンターパンチにまんまとやられ、この時点で勝負は決まった。

 名古屋は31分に中央からドリブルで切り込んだ中村が決め1点を返すが、39分にはペナルティーエリアに侵入してきた田中に対し、囲い込んだはずの角田、海本慶、吉村がファールを恐れてお見合い。これでは川島も成す術なくゴールに吸い込まれるボールを見送るしかなかった。以前にも似たような試合があった。1stステージ14節のFC東京戦。このときは名古屋が2点リードしていたが、クリアミスから茂庭に決められ、ルーカスのドリブル突破をDFがお見合いし逆転を許した。


 浦和は変わった。鉄壁のDFライン、攻守にわたって動き回る中盤、そしてJ屈指のFW陣。誰ひとりとして最後まで気持ちを抜かない、チーム全体で繰り広げられる今の浦和のサッカーに勝つことは容易ではない。名古屋は何が変わっただろうか。確かにクライトンの加入もあり磐田、横浜を撃破した。しかし、この試合を見て痛感した。前線が封じられると何もできず、緩慢なプレーで失点する。結局はほとんど変わっていなかった。浦和に圧倒的な差を見せつけられたことより、それが一番悔しかった。

 東京への約2時間に及ぶ帰路の途中、親友の浦和サポは言った。「瑞穂まで来てよかった」。この一言が重くのしかかった。東京在住で学生ということもあり、関東圏の試合しか応援に行けない。しかし、名古屋は2002年8月17日以降の約2年2ヶ月間、関東で勝っていない。あの日は東京スタジアム(現・味の素スタジアム)でロスタイムにヴァスティッチの決勝ゴールが決まったのを覚えている。

 今週末は日立台で柏との対戦となる。鬼門打破へ、そして久々の勝利の美酒を味わうために、また名古屋と共にスタジアムで戦う。
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